第六十一話 クラス対抗戦
前回のあらすじ
慎は二年Ⅾ組、クラス運営委員から自己紹介をしてもらう。
彼女達は新鮮で、とてもフランクに感じていた。
そんなクラス委員長の繭から飛び出した言葉、
「まず最初の目標は‼ クラスマッチだ!」
「は、なにそれ?」
「おいおい、知らないのか? なんか、突然決まったらしいぜ? 体育大院代学園のみでクラス対抗戦を実験的にやるらしい」
「実験的ぃ?」
俺はその目的を図るため詳しく聞く。
「ああ、これは知っているだと思うけど、体育委員会が主催する体育祭は世界から注目される。で、その新たなイベントにクラスマッチというものを導入しようとしているらしい、それも生徒会公認で」
「生徒会公認って……」
俺はクラスマッチ委員会を作っているから、別にクラスマッチについて知らないわけじゃない。
そう、『クラスマッチ』といわれるクラス対抗戦とはあらかじめだされるスポーツが決められているクラス対抗の競技で、その中で優勝を争うものである。
しかし、俺が知りたいのはそこじゃなかった。
問題は、俺がクラスマッチ委員会と知っているはずなのに井鳥さんが俺に相談しない、もとい俺に運営を任せなかったことにある。
「今回初めてということで競技自体は、ソフトボール、サッカー、バスケットボール、バドミントン、卓球、バレー、ドッジボールの七種目ですね。あと、この競技には超能力者はできるだけ能力をつかわないでくださいと通達が来ています」
と光絵が報告した。
「ほう。つまり超能力者は先の四争選のために力をためるということかな。きた、きたよ‼ これは私たちのクラスが上にのし上がるチャンスかもしれないよ~!」
お~。さてやったろか~。とあちらこちらから声が聞こえる。体力的にも能力的にも、この弱小クラスに万に一つも勝ち目なんてないはずなのに、と俺は心の中で思っていた。
結局こいつらは馬鹿なんだろうが、それを負ける理由と思っていない。だから俺は、勝てるかもしれないと思ってしまう、
なるほど、俺もどうかしているらしい。
「まずソフトボールは1年E組の十八番だね。サッカーは2年A組の十八番だし……、よし、決めたよ。勝負競技はドッジボールに決めました! それが勝つ確率が高いと判断したよ。私たちのクラスは6対4の割合で女性の人数が多い。しかしハングリーな女性が多いのでドッチボールのルールによっては勝率アップが望めるよぉ! これは始まったばかりの競技で報酬は豪華だろうし狙っていこ~‼」
確かに~さすが委員長あったまいい~、と周りから声が聞こえている。確かに見たところ女性の方が多いし、ちょっと見ただけでも何処か肝が据わってみえて腕っぷしが強く見える。男子の声を聴いてみても女性をバカにする声は聞こえない。逆に男性をバカにする声なら聞こえるがそれは悪ふざけであろう。
「計画が決まったらさっそく準備。ドッジボールのメンバーは――」
ガラッガタンとドアが開け放たれた音がしたかと思うとドアから長身でめがねの先生が入ってきた。
瞬間、ピリっとした殺気が辺りを満たす。クラスメイトの生徒全員が先生に殺気を向けているのだ。慎にはなにかわからなかったが先生は知っているのであろう。のほほんとしていて。
「これは慎君。体育委員会きってのクラスの墓場へようこそ」
確か船占先生と言っていた――はニヤっと気持ち悪い笑みを浮かべて言った。周りはッチとかウザいやつがきたとかひそひそと言っている。




