第六十話 クラス運営委員
前回のあらすじ
その雰囲気に慎は圧倒される。
いつの間にか腐っていたのは自分だったようだ。
「さて、では役員を紹介しよう。まずはこの私、このクラスの女王にして至高の花、粕駕嶺ま――」
「俺の名前は桧杉尭志だ。副クラス委員長を務めている。繭さんからはたっか~て呼ばれているがあまりその名前で呼ばないでくれ。お~君」
「だったらお前も呼ぶな。たっか~」
お互いにバカにしあう。けっこう話しやすいからつるむことになるかもしれない。
それを聞いて遠くにいた女子の二人が笑っている。そいつらを見ていると、
「ああ、彼女達はクラスの書記、シスターになろうとしている香早千鶴ちゃんと病院のナースになろうとしている妹の光絵ちゃん。全然そっくりじゃないだろ。あれでも双子なんだぜ」
二人のそれぞれの姿恰好は特徴が表れている。シスターになろうとしている女子はこれぞツインテールという髪型をしていて、もう1人の方は片方の目を隠しきれるまで伸ばして髪型はショートヘアというのであろうか、そんな髪型をしている。
似ていないのが悪いことのように言ってきた。だから似ているといった方がいいのかと思い、
「いや、何となく似ていると思うよ」
そう、言ったのだが、
「バカ‼ そういっちゃ――」
『ですよね。お~君さん‼』
会話に入ってこないと思っていたシスターとナースがずいっと顔を近づけてなんか入ってきた!
「実を言うとこの変態。私のいい所をマネしているんですよ!」
「いえ、姉さんがまねをしているんです。私は何とか個性を出そうと必死で……」
そういって言い争いが始まってしまった。どうやらお互いに譲れない何かがあるらしく、そのボルテージは俺をほったらかしにしてどんどん激しくなっていく。
周りはまたか、という風に首を横に振っていた。
「あの二人に『似ている』発言はご法度だぜ。お~君」
勢いのまま、お互いの似ている部分を激しく罵倒する。これは確かに、めんどうだな。
「わかった。たっか~」
俺が2人のあしらい方を学んだその時、繭が口から火を噴いたように叫んだ。
「私にもしゃべらせろ~‼」
~*~
「うん、だいたいの取引はわかったかな。お~君」
「はい、まず、1か月間はお試しとして税金はなし。次に双子には似ているって言わないこと。最後にクラス委員長にしゃべらすのは講演会だけに限定すること」
「うん。そうそう、って違~う!」
と繭は大きな声を上げて否定的な言葉を投げかけた。
「大丈夫ですよ。委員長。彼はこのクラスのために尽くしてくださいますって」
そういったのは尭志であった。この男、意外と俺のことが分かっているのかと心の中で彼の評価を上げてやる。
「まあ、たっか~がそういうならそうなんだろうけど。よし。まずは目先の目標に向けて頑張っていこうか! まず最初の目標は‼ 学期最後のクラスマッチだ!」
「は、なにそれ?」
~*~
「やあ、どうなった。結果は」
「それが――」
「うんうん面白いなぁ。彼はやっぱり一筋縄じゃない人生らしい。私が介入しても結果は変わらないからどうにかして点と点が結びつくんだろう」
この話をしていたと聞くのは当分後になる、俺が二年Ⅾ組で右往左往していた時だった。
会話しているのは俺が通っている体育大院代学園、その正式な高校と言われている大院代学園の生徒会長紫苑である。彼女は前もって結果を知っていたようだ。
それは会計である愛夕の『運謎』でたくさんの未来を限られた人物に話し、代わりに対価を貰う能力を使った結果である。
そうしてだいたいの結果を紫苑は愛夕に聞いたところで全てある結末を求めるようになった。
「まあ、彼にファンができるのはあの死神事件にかかわった瞬間にわかっていたことだしね。それに以前から怪しかったφの鼻も明かせたし、まさに一石二鳥だね」
紫苑は少し悲しい顔をして思い通りになったことを独りごとのように呟く。
実は、最近の医療は足が不自由でも直す方法が存在する、でも彼女はあえて車いすを選んだ。周りの目を利用するのもその理由の一つらしい。
「あまり調子に乗らない方がいいですよ生徒会長、まだ3つほど確定していない未来が存在しますから」
「わかってる。わかってる。やっぱ結果より過程を見る方が私は楽しいな~」
今日も連続投稿していきたいと思います




