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第五十八話  三章プロローグ

前回のあらすじ

厄介事があっちからきまくり

二年B組からも追い出され

俺はなんとなく、だたなんとなく、そこに


「ねぇねぇお父さん、どうして戦争をしちゃいけないの?」



 自分の倍はありそうなテレビを見ていて、ある少女はふっと思ったことを口にする。


 これは過去の記憶、成長した彼女の許可を得てもう何でもなくなったときに俺、矢炭慎はその場面を見せてもらった。



「どうしてって、戦争が起きればどうなると思う?」



「う~ん。わらかない! けが人が出ちゃう!」



「そうだね、けが人が出てしまう。でも、それは竹夏にも関係あることになるんだよ?」


 ? と小首をかしげている可愛らしい少女のまわりに、疑問マークが見えるのは決してまやかしじゃないだろう。



「ど~して? 胸が痛い痛いになるから?」



「うんうん、もちろんそれもあるだろうね。でも、もっと小学校の授業を学んでいくとわかるのだけど、今テレビに映っている国から、竹夏の大好きなホットケーキの材料が届かなくなるんだ」



「ええ、困る! おやつが食べられなくなっちゃうなら、お母さんのようにチョップしてごめんなさいさせる! おやつを守るんだよ!」



 慌てたようにおやつを隠そうとしている少女。それを父親らしい男は笑って優しげに頭を撫でる。



「そうか、そうか、竹夏はごめんなさいさせるか。でもね――」



 ここから先はまだこの時は思い出せていない。つまり、少女は成長していくにつれて忘れていってしまった。


 もう夏休みが目前に迫ってとても希望に満ち溢れている、そんなときに見るはずだった夢。


 でも夢から目覚めた今の彼女には靄がかかっている、過去の幸せな時間に、永遠に閉じこもっていたいと思うほど、現実は苦く、夢は所詮夢の中での正義だと思い知った。


 いや違う。父親が言いたかったことは、今の私の生き方に繋がっている。絶対に違いない。


 そうだ。彼女は目覚めて納得させるように言葉を紡ぐ。




「世界を争いから解放するの、どんな小さいことでも罰を与えて消していけばいずれは」






 きっと、父親の言っていった言葉の意味が分かる気がするから。


 ~*~



「くそ、だから目立つのは嫌だったんだ!」



 俺はそういって天を仰いだ。


 俺こと矢炭 慎(やずみ しん)は、あんというか野球でいう戦力外通告を受けてしまっていた。


 この体育委員会所属体育大院代学園、もとい疑似学園都市は契約内容によってクラスメイトを疑似学園内マネーで雇いクラスというものを作り出しているところもある。


 まあ、分かりやすく例えるとクラスが11人いたとして。それぞれ年俸というもので雇うと考えてくれ。その11人がいるクラスが成績優秀であればあるほど、生徒会から体育委員会が『総会』で戦った結果、『委員会費』というものを支給する。


 でそれが、委員長の収入源、またクラスメイトの収入源なのだが、


 そう俺は2年B組に所属していた。クラス実績等はまあ中堅程度だったが俺は悪目立ちしたくないこともありこれでいいとさえ思っていたんだ。


 しかし昨日の四争選選考会の後、問題を解決したことには目もくれずに、問題を呼び寄せる存在と言われ、さらに選考会の成績は一番点数が低くなおかつ2人とも1人では何もできないと陰で囁かれたことで、クラス委員長から除名を言い渡されたのだ。


 そして、自分を買ってくれる所がない、いわゆる自習室に入るはずだったのだが……なぜかこんな俺を買ってくれるクラスが名乗りを上げたらしい。



 ちなみに叶帆は利用価値があると判断され戦力外通告を受けなかった。誰でも叶帆に認められれば超能力の力を手に入れられる、からだろう。



「まあ、クラスに在籍できるだけありがたいけどさぁ。名乗りを上げたのがあの弱小クラスの2年D組だとはな」



 2年Dクラス。超能力者がいないクラスで有名でそのクラス実績は全クラス最低を誇る。いや、誇っちゃだめだろうけど。



「そんなことをいって、せっかく在籍させていただけたのですから頑張ってみましょうよ」


 と叶帆が励ましてくる。そうだな、自分のペースで依頼をこなすのだからどのクラスに在籍してもあまり変わらないか。


 ちなみにクラスが別だからといって今までと依頼内容の報酬が変わるわけではない。逆にクラス学級委員との交渉次第で治める税みたいなのが高くなったり安くなったりする。もしかしたら逆にもらえたり、な。


 つまり、俺は交渉は得意。絶対に良い条件を飲ませてやる自信があった。



「では私はこれで……変な人に捕まらないでくださいよ」



「なんだよ変な人って」



 俺は2年D組まであと少しというところで叶帆と別れた。そのまましばらく会社の廊下を歩くと、



「2年D組、2年D組っと、ここか」



 2年D組の少し折れ曲がっている表札、まさに弱小クラスにふさわしいと思ってしまった。しかし、人間最初が大事だ。そんな上から目線の態度をとったらクラスの在籍すら許してくれなくなるだろう。クラスに在籍していなければいい依頼を勝ち取れないのだ。



「すみません。このクラスに編入することなった矢炭慎で――」




「おお~やっと来たかこのでくのぼー‼」



今日は連続投稿したいと思います、よろしくお願いいたします!

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