第五十四話 『太陽氷陽(アブソリュート)』
前回のあらすじ
生徒会の参戦
今まで関わってこなかった生徒会連中や委員長たちも参加しているようだ
ここで勝てそう、なのだろうか?
「おいおい~や~ら~れ~た~。といったほうがいい?」
ロープは双子達の体に巻き付いた。けど、元からなかったかのように直ぐにかき消えていく。
「くっ、生徒会長にやらせてくれと頼んだ解決法でしたが、無理ですか」
「こっちに戻れ、風紀委員長!」
闘技場を走り抜けもう双子の目の前に近づいていた彼に再月が意趣返しとばかりに反撃をおこなってきた! それを、新たなページをめくった風紀委員長が別の紐づけた力を使用したことで作った壁で防ぐ。
「ぐぉおおお‼‼‼」
かなりの威力だった。受け止められずそのまま余波で壁に激突して埋まってしまう。
再月はそのままとんぼ返りして猫のように双子達に頭を撫でられ、首を掻かれる。彼女が絶対にしない表情をしているのがとても冷や汗を掻くぐらいプレッシャーを感じた。
もしかして。あのまま実凛達に手を出していたら、俺もあんなふうになっていたのかもしれない。
「お~よしよし。よくやったよくやった~。今日はご馳走だよ~。そうだ、いっそのこと人肉でも食べさせる?」
「いいね。さらに服化が熟成しそうだね! それはそうと、姉さん。なんかめんどくさくなってきた気がしない、ねえ?」
「そうだね~。これじゃ、生き残りも出そうだし。もう外部に漏れていると考えても可笑しくないよ」
「どんなことでも最テー限の結果が出ればいいでしょう? どうせまだまだこの世界にいないといけないんだし。皆大路さんも言うこと聞くし、『戦争起こし』と『戦争潰し』も手に入れたし。いつでも戦争は可能だよ?」
「しかたな~いかな。でも一撃入れよ? このまま舐められたらたまらなくなくなくない?」
「そっし! 決まり。竹夏ちゃん! 『太陽氷陽』やちゃえ~!」
昇天してしまうかのように嬉しそうな顔で頷いた再月は、体にいたるところにある羽をはばたかせて闘技場の中心に立つ。
そのまま両手を広げると、小さな、本当に小さな光源の塊を作る。そしてそれは急激に膨張した。
見た目太陽のような球体の中はマグマが煮えたぎり、外はバリバリと溶けるスピードと同じくらい凍る棘のようなものが突き刺さっている。
「ははは、しょうこいんめ~っつ!」
「お二方様! その攻撃では、慎様は死なないの!」
表道は不安をあらわにして大丈夫かの確認をする。
「さぁ? ちょっち弱すぎる気もするから慎さんはもういらないかな~」
「そんな、私は慎様がいない世界なんていりません。慎様だから『正義執行委員会』が絶対的に正しいんです!」
「なら!」
「そのまま添い遂げて死ね! 『正義執行委員会』‼ 合わせて獣人さん達はてっしゅう~とかいしゅ~!」
「逃がさねえ! 受け取れ墨氷!」
『俺の声よとどけぇえええ!』」
墨氷と言った彼に、保健委員長がオペレーターが使う道具を投げ渡した。
その、誰もが振り向く甘い声に『正義執行委員会』のほとんどが足を止める。
しかし、獣人たちには聞かないらしい。
「あちゃ~戦力が、まあホムンクルスは回収できたしいいかテレビ局でもう作れないし。やっちゃえ竹夏ちゃん!」
ブグウォゴオオオオンンンンン‼
鈍い音を立てて、赤と青の太陽が地上に落下する!
「慎様‼」
俺の目の前に、縫いぐるみを捨てて両手を広げて庇おうとする表道静沙。
「お前? なぜ?」
「私は慎様が立ち上げた理論だから、だからその思いを叶えるために行動してきた。殺したかったんじゃない。慎様の決して見せない笑顔を見たかった。一人占めしたかった。そのためなら何でもする。例え命に代えてでも」
過去を洗い出したとき、昔の俺は決して褒められた性格じゃなった。仲間は裏切るし、簡単に冤罪して人々を傷つけていた。
昔の俺の乾いた心は、世界は新鮮過ぎた。逆に世間はテンプレートに慣れていた。
でも俺の行動は、昔から全く変わっていないのだろうか。変わっていこうとしなくても、いいのだろうか。
表道を見ていると、昔の俺にも失くさない方がいいものが、見える気がした。
「慎! 矛夢! 介沁! こっちだ‼」
生徒会長達はいつの間にか、闘技場の人間を敵味方なく再月の攻撃から遠いところに集めていた。
「無駄だよ~!私達の力を存分にしみんこませたから! もっとろん、レベルフォースや『深層化』、さらに『服化』もしています~‼」
嘘だろ。俺に止められるか。
いや違う、止める!




