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第五十話 時空が支配する世界

前回のあらすじ

無迅に聞いても答えは分からなかった。

そして、この場所は戦場になる


「さて~イけイけ放送委員会の諸君よ! これは聖戦であ~る! 君達の年じゃ~楽しんだもんガチだよ~。特に体育委員会の小学生達を殺した者にはほーしゅーを上げるよ!」




「後れを取らないで、私達『正義執行委員会』はここにいる敵、慎様以外死んで償わせろ!」



 捌かないといけない相手の一団は『放送委員会』と『正義執行委員会』、それと皆大路という学園都市最強格のチームになるのか。



 いいや、ホムンクルスと言われた獣人の女の子達もいる。圧倒的な戦力差だった。



 しかし、放送委員会の小学生達はなぜこんな戦闘に全員参加しているのだろう。理由はいったい? どうにかして味方につけて観客席の混乱している生徒達のカバーにいってもらうことができないだろうか。



 俺は大太刀を双子に突き付け、威嚇するように向けた。



「おい、男子双子共」



「ッチッチッチッチ」



「私達は女の子、心も体も女の子だよ~」



「だまれ、それよりも新しい副委員長になったと言っていたが、まさか」



「ああ、昨日までの副委員長?」



「言うこと聞かずにていこ~するんでころそ~としたんだけど、放送委員会を動かす人質になってもらった方がいいと思って~拘束していま~っス!」



「すぐ泣いちゃうからかわい~も何もあったものじゃなかったけどね~」



 素直に、頭のねじが飛んでいるのが分かった。さっき風紀委員会達を敵に回すと言ったがそれだけじゃない。学園都市さえ敵に回すことにつながっていることを理解しているのだろうか。


 きっと、最近あっていない『師匠』も動くだろう。



「男子双子共!」



『だから~! 女の子です~‼』



 舌を出したアッカンベーをして、俺がいったことを認めず否定してくる黒髪ショートの双子達。



「お前達はたぶん、遊び半分でこんなことをやっているのかもしれない。でも残念ながらこの学園都市では上には上がいる。ここはお前達を手玉に取る生徒や大人が腐るほどいる場所なんだ」



「ん~それって~?」



「僕達をカショウ評価しちゃってる~!」



 女装の双子達は体を密着させて俺に投げキッスをしてくる。



「せんぱ~い。いいこと教えてあげましょうか~!」



「この世界を構築しているのはある三人の人間達です。でも~!」




「その三人でも、越えられない相手というのはいるんですよ~!」


 な、ふざけてるのか?



「あなたのこと、取り巻くかんきょー、今この学園都市で何が始まろうとしているのか!」



「すべて知ってると言ったら信じます~?」



 俺と彼女達が会話している間にも戦闘は続いている。小学生相手に本気を出せないのか、体育委員会の高校生達はどうしたらいいかわかっていないようだ。



 しかし、俺にはその喧噪がどこか遠くに感じてしまっていた。



 彼女達の目には答えが、その黒い瞳からこちらを見透かすように浮かんでいるようだった。



「構成能力者様‼ それは私から言っていいって言ってくれたよね?」



 構成能力者、だと。俺の会っていない構成能力者の、二人? でも、『師匠』はまだ敵にはならないって――。



 大きく潤んだ目、横から口を挟んだ表道が手をのばして、



 俺の求めていた道を餌のように目の前にぶら下げた。



「慎様、このお二方は『時空』の構成能力者様方。この力の本質を知りたかったんだよね? 私達の元に来てくれるのだったら、お教えするだけでなく、『時空』そのものの力を使わせてあげるよ?」



 ころん、っと鈴の音が聞こえた気がした。



 例え世界をやり直してでも手に入れたい理論が、やっと顔を出した。






 しかしそれは。全てを裏切ることになる悪魔との、契約になる。




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