第四十九話 悪の論理
前回のあらすじ
いきなり声が響いた。
小学生の放送委員会の二人だ
そして、その仲間に詩沙と・・・・・・竹夏が
「竹夏、どうして。いや質問相手を変える、無迅先輩、いや無迅。お前、小学生を売ったのか!」
「心外だな。俺達超能力者はブレインに従うのがセオリーだ。もともと、皆大路は放送委員会の『助っ人』に入っていた。意見に従っただけだよ?」
「分かっているのか。もうこれは学園都市の許される範囲をゆうに超えている‼ 風紀委員会も生徒会も黙っちゃいない‼」
「君、そんな相手達にビクビクしているのかい? 俺は‼ この学園都市で‼ レベルフォースなんだよ! それがなんで介沁のようなやつらにビクビクしないといけない? 許されない相手しか殺していないのに、人殺しは悪だとさんざん言われてきた。でもね、人殺しこそがこの学園都市の真の正しい行動だったんだよ!」
「無迅先輩、人殺しなんて、してはいけません! それをやってしまったら」
「うるさいですわね、もともと私達のプライドを折ってくれたあなた達のせいですのよ! この責任は死んで償ってもらいます。あなた達を殺して、私達の評価があがる。いいことづくめですわ!」
なんか、少しおかしい。皆大路の言動が少しぎこちなくないか。
「竹夏、お前はそれでいいのか。『戦争潰し』と言われたお前らしくない!」
「……」
下唇を噛んで、目をつぶってしまった。彼女自身、どうすればいいか分からないのだ。
皆大路に逆らったら、超能力がなくなってしまう、それは最初に逆戻り。だけど。
「その覚悟でレベルフォースを持つ。は、お前には必要ない力なんじゃないか?」
「ちょっと、ちょっつ~! 私達の竹夏レンパイをいじめないでくださ~い。姉さんやっちゃおう?」
「そうね。そうしようか!」
ズブウウウウウウウウウウウウウウウウウ!
「な、なんだこいつら!」
「獣人? 人間なの?」
キャラアアアアアアアアアア‼
影から出てきた獣耳がある少女たちが叫び声を上げる。そいつらが誰からともなく襲い始めた。
「いいけええ‼ 『――の遺産』、ホムンクルス達よ‼‼‼‼‼‼‼」
「た、助けてくれ‼」
「い、痛い、痛い!」
「抵抗していない生徒もいるけど、本当に死ぬから気をつけてね? は~い、その証明をしまっぅす!」
空が赤黒く変わっていく、雲のように空に浮かんでいるのは、ねじりにねじられた不気味な渦巻き模様。
その空から落ちてくるのは、体がねじ曲がっている複数の大人たちだった。
近づいていくのは、ビクビクしながらも体育委員会で医療をかじっている生徒だ。彼女が脈を確認する。
「死んでる。どうして」
「あれ、今朝行方不明になったってニュースになっていた、自衛隊の隊員達よ‼」
「嘘だろ、ここにいる大人は国に守られているのに、学園都市で行方不明になったならすぐに見つかるはず」
動揺が生徒達に拡散する。あり得ないことの連続で、正常に考える力がなくなっている。
すんなりと双子の言葉を信じるだけでも、冷静沈着になっているといえた。
「叶帆!」
「わかりました、マスター‼」
時間稼ぎは殆どできなかったか。
くそ、甘かった。この選考会しか頭になかったせいで超能力操作を多用しすぎた。目が霞んでしまいそうなくらい酷く頭痛がする。
「『武器樹形図』‼ 大太刀‼」
ブウォン‼
俺はかなり長い大太刀を振り回すことで獣人だけを闘技場から吹き飛ばした。
超能力者じゃ難しいだろう。上手く生徒に当たる時だけ刀を武器から原子に戻した。
キャラアアアアアアアアアア‼
でも、そう簡単には気絶してくれないらしい。
そもそも、アイツ等は人間じゃないだろう。別に殺しても――。
『慎、一つ約束。もうこれから、人をできるだけ傷つけないでほしいな。ううん、それだけじゃない、私に変わってこれからはなにがあっても、沢山の人を守って、ね?』
正直、姉さんの言葉をどこまでやりきればいいか分からなかった。
ここは学園都市、戦闘も平気で起こる場所だから。
答えは至極シンプルだ。
目の前の間違っているやつらを止める‼




