第四十八話 襲撃
前回のあらすじ
俺のそばに叶帆はいた。
俺達の中の再確認、きっとまだやり直――、
しかし、敵は待ってはくれなかった
「いや、おめでとおめでと~‼」
「やんわやんわ!」
手を叩いて嬉しそうにしている。その声の大きさに思わずその会場にいた全員が彼等たちに目を向けた。
このボリュームは超能力だろう、声を直接俺達に届けている。
「さてさてさてぇえええ‼ 今日は頑張っちゃうよ~。みなさん、はじまめ~。『双子ちゃんねる』で~っす‼」
「今日は~私達が新しく副委員長になったおいわい企画、『襲撃者に逆襲撃しちゃおう‼』の放送をはじまめする、よ!」
『ちょっと、ちょっとぉ! いきなりなんなんですかアンタ達ぃ! この四争選選考会イン体育委員会の進行と取材は全面的に私達高校』
「うるさいな~あ」
「外野とモブは黙っとけ!」
ガキンンンンンンンンンンンンンンンン‼
まるで、歯車のかみ合わせが悪くなったような音が、この闘技場全体を支配する。
下だ、観客席や闘技場の床にに影が浮かび上がっていた。この音は超能力の発動した音なのか?
まるで世界が悲鳴を上げているようだった。
「ちょっと、なんなの⁉」
「また、生徒会長のパフォーマンスか?」
いや違う。これは、
「慎さん慎さんっと、いたぁ‼ へえ、へええええ? どうやら関わり合いをもみくちゃにしてやったのに、もう修復したみたいな?」
「だから言ったでしょう。慎様は誰よりも人を大切にする方、あの程度で道具を奪われそうになったからといって揺らぐような慎様ではないです」
双子が座っていた観客席、その横にある下に続く階段からぬいぐるみを持ってコツコツと姿を現したのは、
「表道、詩沙‼」
放送委員会、やりやがった。どれだけ言い訳をしようとも今指名手配中の闇委員会と協力したなんて。
「お久しぶり、慎様。あなたを仲間に引き入れるにはあのような適当に選んだ人間ではだめだった。だから、今日から全力で行くね?」
クソ、かなり疲労がたまっているこんな時に!
時間だ、とにかく時間を稼がないと。
「久しぶりだ、静沙。放送委員会とどういったご関係あんですかね?」
「簡単。もともと、このお二方に出会ってから私達の委員会は動き始めることにしたの。彼女達は放送委員会に所属しているけど、実際は今年から私達『正義執行委員会』幹部ですよ?」
『正義執行委員会』、それは俺が高校一年生の時に作った闇委員会だ。
俺の知る運営幹部が残っているのなら、それはこの学園都市の最悪の殺人集団である。
この話、俺はほとんど忘れていた。でも、表道と出会った時に過去を全てあらい出した。
この委員会は邪魔になる、そのためこの闇委員会のことははっきりと思い出していたんだ。
「さて、さてさてぇさて! 今日は見せしめとしてここにいる全員を殺そうと思います! ダイジョ~ブダヨみんな。世間的には、放送委員会が極秘にブラック委員会の襲撃を察知したことにします。ああ、死なないと思っても残念ながら無理で~っス! 復活することも出来ず殺されまっす! それでテレビカメラの映像は私達の活躍で一杯にして加工するからシンパイすんな!」
そういうシナリオだった。徹底的に殺す気満々。それを利用して評価も上げるらしい。
「そもそも、学園都市というのは戦うためにあるのです。それを止めて学校を造ろうなんて、生易しいと思わない? ねえ、皆大路さん達?」
「ま、まさか‼」
大河が目を見開いて驚いているのは、ある人物が表道の後ろにいるのが見えたからだ。
「せ、先輩!」
「どうして、どうしてどうしてなの⁉」
赤い眼鏡のおかっぱ少女は口を覆っていた。そして、実凛の表情は絶望に彩られていて。
皆大路が金髪ドリルヘヤをこれ見よがしに風に流す。
そしてその後ろにいたのは、刀龍無迅先輩。
目を伏せている、再月竹夏も一緒にいた。




