第四十七話 反省
前回のあらすじ
俺に思いのたけをぶつけてくれる叶帆
復活、やり返してやったぜ
でも、四天王争奪戦選考会は終わってしまった
俺はインタビューを受けている一番ポイントの多かった体育委員会の生徒を見ていた。
近くには、こぢんまりと裾を掴んでいる叶帆がいる。
俺の委員会唯一の生徒は、心配そうだった。
これから俺達は互いの道を歩む。裏切られたと思った以前の俺はそう考えていた。
副学級委員長とか金関係とかそんなことは最初からどうでもよかった。
付き合いが長い、と言えばウソになる。なぜなら、まだコイツと一緒にいる夏休みすら経験していない。
でも、その言葉の意味は嘘偽りもない本当のことだ。
「これで、お前とはコンビ解消だな。いや、コンビではあるがお前が必要としてくれる人のためにこれから生活していくんだろ?」
叶帆が裾を握る手にギュッと力が込められた。
「止めろ、伸びる。別にケンカしているわけじゃない。どうしても超約を切りたいなら別だがお前はこれから有名どころの超能力者になるかもしれない。そこに、俺という存在がいないだけだ」
「マスター、せ、先輩は‼ それでもいいのですか‼」
「構わない。元々一人でやっていくつもりだったんだ」
「嘘、言わないでください! 一人でやっていくって、無能力者のブレイン一人だけでこれからどう過ごしていくつもりなんですか!」
「それは、金で雇おうと思っている。それで金がなくなったら、かばん持ちでもアルバイトでも、何でもするつもりだ」
超約すればいい。しかし、何故かしたいとは思わなかった。
簡単に、超約すると後悔してしまうと思った。
「危険な所に行かないという事ですか? その超能力者が守ってくれる保証はどこにもないんですよ」
少しずつ、叶帆の目には涙がにじんできている。声で分かった。
けっして気を使わせないようにコンクリートの闘技場の床を眺めているけど。
「覚悟の上だ。それに、対抗手段がないわけじゃない」
「……秘密。私が受験の時どうやって先輩に助けられたのか、私の超能力の本質は何なのか。結局私自身のことでさえも、そのままなのですか。私‼ ハイハイ頷くだけのロボットじゃないんです‼」
「言っただろ、お前は俺の道具」
「はっきり言いますから‼ ちゃんと聞いてください!」
抱き着いていた。そのセーラー服は少し汗ばんでいて、必ずしもこの学園都市に適している服だとは思えない。
けれど好きでもない、デザインも中学生に間違われる、そんな服を着てくれた彼女の気持ち。
「マスターは一人で生きていけます。強いですし、それに惹かれる人もたくさんいます。でも、先輩の道具になれることが出来るのは私だけです。私だけの持ち主なんです。だから――、
私だけは手に合わないなんて、言わないでください。あまたの道を一緒に歩くため、あなたのためになるために私はここにいます」
俺は悪くない。この決断は正しい。叶帆から幸せを取り上げるのは俺のしたいことじゃない。
でも、彼女の幸せは俺のそばにあった。
道具を大事にするとき、その道具に意思が宿るという。
もう意思がある道具にとって、大事にしたときに宿るのはどんなモノなのだろうか。
『もうメロメロを通り越して目が曇りまくっているぞ~』
体育委員会の先輩達が言ってくれた、
どうやら、そう思われてもおかしくないほどに俺達の中は良好だったようだ。
信用する必要はないと経験から学んだのに、実際の所、実行できているやつは一人もいないのかもしれないな。
「これからも付いてきたかったら、付いてこい。 ごめん」
スラリと出てきた言葉と、歓声が上がったのは同時だった。
『せんぱ~い‼ 矢炭先輩‼』
大きく声を張り上げている、実凛達だった。どうやら本当に応援に来たらしい。
「ちょっとこっちこっち、慰めてあげる! あと録画しといたぜぇええいい‼」
ペン型携帯でこちらの関係をばっちり取られていた。
「実凛ちゃん。いつの間に‼」
「大河ちゃん、これは仕方ないことなんですよ? スキはついてこそ武士道です」
「希ちゃんまで、ええ? しっかりと場所は選ばないといけないのか」
「はわぁああああああああ‼ 実凛ちゃん消して消してくださいういい!」
大きな声を出して、叶帆が赤くなりながら小学生のところに駆けていく。
溜息を吐いて、俺はゆっくりと叶帆の後についていった。
本当にマセているガキ共だよ。少し、竹夏のつめのあかでも煎じて飲ましてやろうか。
ガラにもなく少し笑ってしまっていた。
笑っていられる状況じゃなくなってしまったのに。
お疲れ様です。イイタチイリュウです。
昨日は投稿できず本当に申し訳ございませんでした。本当に申し訳ございません。
現状、一週間の流れとしては、火曜日と、水曜、木曜日は遅くなるか、投稿できないですが、基本毎日投稿していきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。
今日は何話か投稿していきます!




