第四話 先導者(ブレイン)と超能力者
前回のあらすじ
脱走委員を捕まえる。
それに障害があった、生徒会だ。
ダメもとで勝負してみっか。
この高校は学校生活を仕事として定義している。
働いたらお金がもらえるのと同じように、勉強してもお金がもらえるのだ。
でも、大事なのは自分の進路前にある一定のお金を収めないといけない事。それで大学やいい仕事を割り振ってもらえることになっている。
もっとも、俺はある程度の会社に勤められれば幸せである。だから本当は荒波立てず最後まで平和に生きたいのだが、しかしやらなければいけないことがあるのも事実だ。
だから『クラスマッチ委員会』も作ったし、ブレインにもなった。
「さあ、楽しみましょう‼ そっちのアンタはせめて服くらいは燃やされないでね? 裸なんか見たくないから」
俺は、先生から特別な指導を受けて超能力者の制御をする司令塔、先導者というやつだ。
それは人間が持っている九次元のうち、一次元を一人の人間に集めて『能力』を現実世界に表現することが出来る人間を差す。
それで『超能力者』の能力強弱を決められるんだ。
これは疑似学園都市と同じ時期に出来た理論で、その実用性から超能力者は戦争にも使われている。
「ちょっとまってくれないか」
「なによ、もう命乞い?」
「そう思ってくれていい、金で解決しないか? こんな戦い、意味はないだろ? 口裏は合わせてさ?」
相手は生徒会に所属しているわけじゃない。生徒会も実際の所被害を受けたわけじゃないし、ここはすべてを解決できる魔法の道具、お金で丸め込もうと思った。
しかし、
「弱腰ねぇ。別にあたしもあなたに勝ちたいと思っているわけじゃないわ。ああ、これは相手にならないという意味だから」
言わなくても分かっている、四天王争奪選、四争選で二つ名を持っているお前に勝つつもりはない。無能力者の俺では絶対に、勝てない。
「この戦いの目的は二つある。ひとつはアンタの相棒、隣の彼女が持っている力を確認すること。二つ目は友達の期待に応えること。だから、何一つお金では解決できないの、わかった?」
「そうかよ」
こうなるから嫌だった。
こうなるから、小さな依頼を食い尽くすようにこなしていた。彼女の存在を隠したかった。
味方になる人が裏切る可能性を無視できない。すぐ交換される不良品の歯車のようだと知っているから。
「叶帆、宿れ」
「いいんですか、マスター?」
「いい、やるぞ!」
久しぶりに、勝負を自分から仕掛けた。
肩掛けを上手く動かし、担いでいたギターを入れるケースを目の前に置き身を隠す。少しでも俺達の行動を見られないようにするためだ。
勝負は一瞬だ。まずはあれを手に付ける。
ギギィっと、ケースの中身が開いた。
「古びた手袋? 武器を入れていると思っていたけど、ギターケースは盾にするために持ってきていたの? でも、甘いわよ‼」
熱エネルギーを一瞬で高められ燃え上がったケース。それを感知して火災警報器が甲高い音を出している。周りの壁も少し黒い煤が付いて小さい火の手が上がっていた。もう誰もこの付近に近づこうと思わないだろう。
「消えなさい!」
空気に触れている手を大きく横に振った。
それにより今度は一瞬でまわりが消火される。いいや、これは消火じゃない。熱エネルギーの動きを止めたのだろう。
化学物質を出すまでもなく、一瞬で塵になったギターケース。後ろにいたのは、倒れた叶帆。
「チェックメイト」
「ひゃぁ!」
カチ、っと『保健委員会』最強少女の頭に銃を向けていた。ビックリする姿はお化けでも見たかのようだ。
でもそう思うのも無理はない。俺が見えなかった、それを理解しているからだ。
「いつの間に。後ろ、を。武器を持っているかどうかも最初で確認したはずなのに」
「さて、なんでだろうな? 人質ゲット、まずは一緒に来てもらうぞ」
「銃ぐらいじゃあたしを止められない‼ すぐに」




