第三話 生徒会長
前回のあらすじ
俺は慎、キラリン(笑
体育委員会のツケの清算に来たよキラン!
だ~うっぜ。
「私もマスターが使ってくれないと無理ですよ~‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」
「はは‼ さてはお前ら、噂に聞く【評価E】だろ。いつも低ランクの依頼しか受けないから体をお金に変えるしかないんだ。ありがとう神様‼ この幸運に感謝を!」
「よくしゃべる。走りながらだと噛むぞ」
「負け惜しみも大概にしろよ‼ そら、目の前のドアが生徒会室だ!」
見えた突き当りには少し厳かな雰囲気を醸し出しているドアがある。あれに入られたら、万事休すらしい。
「叶帆、いけるか?」
肩に担いでいたギターケースで合図をするように背負いなおす。俺のやりたいことが伝わったらしい。叶帆はそれに喜んで答えた。
「はい、マスター‼」
答えは聞いた。俺はガチっと小柄な女の子の服を掴む。
「へ?」
「くらえ、人間大砲‼」
「ま、マスああああああああああああああああああああああああああああああぁ‼‼‼‼」
「へぁ! お前、いったい仲間を何だと思っているんだよ‼」
「俺の道具だ‼」
「最低だぁ‼」
ふぎゃん、と投げられた叶帆はボウリングの玉みたいに脱走委員がぶつかって一緒に倒れた、すると。
「白……」
「きゃあああああ‼ 見ないで、見ないでください!!!!」
「ま、待て。俺は関係な、ぐ、ぎゃ、ごおお‼」
哀れだ、脱走委員。ぶつかった際にスカートがすべて捲れて彼の体と叶帆の下着が接触してしまう。とても腹が立ったのだろうか、今まで見たことのないような金切り声を上げながら何度も足蹴りされていた。
「お前の死は無駄にしない。叶帆」
「遠い目をしないでくださいよぉ‼ うう、もうお嫁にいけない。マスターにも見られましたし」
「そんな、一回下着が見られたぐらいで大げさだぞ。きっとお前でも、貰ってくれる人はいるさ」
「え、マスター、それって⁉」
「ほら、おいでなすった」
コツン、コツンと廊下を歩く音に合わせてキリキリ、キリと何か押している音が聞こえる。俺は突き当りのドアの方を見た。もう開け放たれている。
「どういうことだ、あまりにも外の様子が騒がしいから来てみれば、うちのお客さんをボコボコにしてくれたようだ。なあ、【評価E】?」
小さいハーフツインテ少女が押している車椅子に座っている、世間ではピシッとしていてカッコいいと言われる生徒会制服で身を包んでいるのは生徒会長様。彼女がその薄いピンク色の口を開く。
はは、やっぱ断ればよかったかな。存在力が段違い。ここにいるやつらで一番気の抜けない人が俺達に怒りをむける。
「ということで、貰ってくれるみたいだぞ?」
「マスタぁ! 意味不明なこと言っている場合ではないですぅ!」
「あはは、この会話は君達にとっていつも通りなのかな。まったく舐められたものだよ。裏にいるのは体育委員会かな? 後で体育委員長にお灸の指示を出さなければ」
「待てよ」
「ん? どうした? 願ったりかなったりだろう。ここで痛い目を見るだけで君達の委員会を潰されることはないんだ。それとも、盾になりたのかな? 容赦はしないけど」
小首をかしげる。短めのポニテが気持ちよく跳ねて笑っている顔がちょっと、可愛いかも。
でも、言っていることは恐ろしい。体育委員会とはまだ、運命共同体。だからきっとこれを認めてしまうと俺の委員会にも少なからずペナルティは来るだろう。それを知っているくせに。
「俺達と勝負しないか? 超能力者同士で。勝ったら今回のことを見逃してくれ」
「え~、私がこの『生徒会』で最強と言われているのは知っているんだろう? 勝負にならないんだって」
「アイツに迷惑をかけるくらいなら、俺は戦う」
「うん⁉ 何だ今の‼ 胸にズッキューンと来たよ~!」
「会長、ここはあたしが」
「再月、君は違う委員会の人間だろう? 生徒会室には別に遊んでいる人がいるから彼らに出て貰って」
「いえ、少々私用があるので、私が戦いたいです」
いや、俺はお前以外がいい。関わりたくないです。『保健委員会』最強と言われている【熱運動】様とは。
「ん~ん、だったら君達が生徒会室に入れたら勝ちってことでいいよ。それで今回のことは不問にする。でも、負けたら君達の委員会も潰すね」
「ああ、構わない」
「作って一日持たずに解散する。折角、私とマスターだけの」
「もう振り返るな、準備しろ! 【生成】‼」
「少しだけでも浸らせてくださいぃ‼」
くッくく、と車椅子を一人で動かして生徒会室に帰っていく会長、その行動は少し、おかしい。
なぜなら、本来は後ろで指示を出す司令塔だからだ。
【熱運動】の【無能力者】、の司令塔じゃなくても彼女の指示があれば負けている可能性が高いはずなのに。
「嘗められて結構! あっちは一定の力しか出せない、こっちは最大値のセカンドまで上げるぞ‼」
狙いは平たい胸を持っている、灰色の学生服を身に羽織ったツインテさんだ。
「いいえ違うわよ? 信頼されているって事なのだけど。ふぅ、生徒会長も帰ったしもういいわね。初めまして、秘密能力者さん。二年の四月、あなたは超能力者リストに登録されたはずなのに、正体がわからないと書かれていた時から気になっていたのよ」
「私は普通の女の子です。食べないでください、いじめないでください」
「食べはしないわよ。ちょっといじめるかもしれないけど」
「マスター、泣いていいですか?」
「ふ、ぷぷ、弱そう、何から何まで。それじゃ、ここで生きていけないわよ?」
ドンッッッッ‼ という音が鳴り空気が震える。肩慣らしとばかりに超能力で爆炎。
勘弁してくれよ。マジで。




