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第二話 委員会

前回のあらすじ

俺、矢炭慎は水をかけられていた。

目の前には竹夏、はぁ。ため息も出てくる。

代用可能な俺はまた、虎の尾を踏んだらしい。

一か月前――。



「きりーつ‼ れい‼ よろしくお願いしま~す!」



『お願いしま~す!』


 チャイム音に合わせて、それぞれ異なった制服を着ている男女が頭を下げる。


 いや、それっておかしくね? と、言った一年前の俺は周りから笑われた。


 学園都市のパンフレットに書いてある、それを見ていないからだ。


 その授業が終わった後、カモだと思われた俺はブラック委員会から加入を勧められたよ。


 体育委員会の副委員長に助けてもらわなかったら、今頃は最後のバスで帰れない生活をしていただろう。



「はい、では授業を始めるぞ~、数Ⅲの教科書を開け~」



「せんせ~、教科書合ってませ~ん。帰っていいですか~?」



「こら、初っ端からか! いいぞ。後でしっかり授業は受けろよ‼」



「へ~い。すいませ~ん」



『教室』から俺は静かに立ち去る。俺は慎、体育委員会所属、体育大院代(だいいんだい)学園というところに通っている普通の生徒だ。


 呼びにくい。もっと短くしてほしいと言いたい。でも、こうしないといけない理由があるから仕方がない。


 そして俺と同じように他の教室からある女子生徒も出てきていて、



「上手くいきましたね、マスター」



「ああ、あの生徒会総本山に無傷で入れる。俺達は運がいい」



「生徒会への偽の許可証がきいたからですよ! 良かったです! この施設の『教室』は生徒会の支配地域ですからね」



「うらやましいよな。まったく、うちも支配地域が欲しいよ。奪おうかな?」



「持ちたい、って? うちの『クラスマッチ委員会』はクラスマッチで使われる場所を体育委員会に申請したら所(・)有(・)で(・)き(・)ま(・)す(・)よ(・)?」



「……お前、本気か?」



 ここは自衛隊基地の近く、都会と同じ広さを持った土地に小、中、高、大の学校が集まった疑似学園都市。わかりやすくいえば、学園都市があったらそことまわりにこれはあるでしょ? というものがある場所だ。 


 ただし、学校というものがあるかどうかは分からない。今使っていた『教室』も会社の中の会議室でいわば食育授業で使う外の教室のようなものだ。


 ならいったい何に所属していることになるかって? 答えるとするなら『委員会』だ。それに所属していて制服や教科書などはそれぞれの委員会が採用している物を使っているのである。



「メンドクサイ。せっかく『委員会』を作ったのに。下請けをしなければいけないなんて」



「愚痴を言っている場合じゃないですよ。これに失敗したらと思うと私は怖いです! 特に体育副委員長さんが!」



「うるさい‼ いいか? めんどくさくなる方に考えるな‼」


 話しているやつは俺とコンビを組んでいる布印叶帆。三つ編みで髪をまとめ、鼻眼鏡をかけている見た目だけ学級委員長といった俺より小さい女子だ。


 制服は俺の委員会が採用した、必要最低限の支出で作らせたありきたりなセーラー服を使っている。


 もちろん満足はしていない。いつか俺の『委員会』が大きくなったら、ファンクラブが出来るくらい可愛い、きわどい制服にするつもりだ。もちろん、金のため。



「そんなに、じろっと見ないでいただけませんかマスター? 恥ずかしいです」



 頬を染めて体を隠す叶帆。見えてきそう、俺はイメージでどういった制服を作ろうか考えている。男性としては胸の部分をもっと強調させたほうがいいだろうか?



「気のせいだ。それより生徒会室に急ぐぞ‼ もう授業は始まっている!」



「そんな話題を変えて、いったい何を想像したのですか⁉ マスター‼」



「早く、急ぐぞ!」



 邪念だった。……そうだ、さっき言ったことを思い出してほしい、学校があるかどうかわからないって言ったよな。


 小、中、高、ごとに分かれている委員会にとって学校というものは重要だ。学校あっての委員会。それにより委員会はそれぞれ推奨校というものがある。


 何故か、それは、勝手に自分が名付けた学校の存在を委員会は使用しているんだ。


 委員会は『存在すると言われる本物の学校を見つけた委員会が一番上』という迷信が複雑に絡んでいて仲が悪い。


 だからお互いの委員会の勢力を削ごうと躍起になっている。さらに現実的に拡大解釈している委員会もいて、『教室』とか『購買部』とかを全て揃えれば学校を名乗れると思っている生徒も多い。


 よって、今回俺達が嘘をついたのも、今いる最上階が今の生徒会の本拠地だからだ。


 目的は生徒会に泣きついた体育委員会所属の生徒を捕えること。


 きっと体育委員会は生徒会の存在理由である粛清を行うのを阻止したいらしい。たく、こっちにも被害が飛んできそうだ。


 でも、断ることはできなかった。なぜなら、


 お金が、ないからだ。


 委員会活動にとってなくてはならないものは、どこの話でも変わらない。



「なんだ⁉」


 オイオイどこまでもついている。写真と同一人物発見‼



「のこのこ歩いて余裕こいていますね~‼ さあ戻ろうか‼ 楽しい楽しいテント張りに‼」



「い、嫌だ! 俺はもう終わらない体育祭に絶望したんだあああああぁぁぁ‼」



「マスター⁉ 走らせてどうするんですかぁ‼ 生徒会室に入られたら『生徒会執行部』と生徒会に任命された『各委員長』を相手にしないといけないんですよ‼ ここで捕まえて下さい!」



「無理だ。なにせ俺、ブレイン(無能力者)だからな」




話数追加投稿です!

本当は夜中の0時くらいに出したかった……。

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