第三十七話 出演
前回のあらすじ
敵の放送委員会に乗り込む俺達
でも、再月とは意見が合わない
しかも、テレビ局の取材まで来て――、
テレビ局のセットの中に俺は気ごちなく座っていた。
そこは甘い、甘いチョコレートのようにかわいいもので溢れていた。
ぬいぐるみの熊とかハート形のクッションとかが置いてあり、男がいてはいけない部屋のように感じてしまう、失礼かもしれないけど。
壁紙はもちろん、ピンクだ。ピンク一色。
そして目の前にはお揃いの白とピンクのフリフリを着ている双子の女の子達がいた。人形にお辞儀をさせてテレビカメラに挨拶をしているようだ。
「はいはい~、第二回ぃ『テレビ局の前にいる先輩を捕まえてみた』のこーなーですぅうう! 今日は高校生の前衛最強と言われている再月竹夏先輩と~!」
「つい最近の死神事件を解決したぁあ! 今最強ランキング急上昇の矢炭慎先輩です~‼」
パチパチと拍手が鳴り響く。もちろん観客がいるわけじゃない。音だけだ。
「どうも」
「は、はははじめまるて!」
再月、ぎっちぎちに緊張している。テレビのインタビューあんて腐るほどお願いされているだろうに。
「どうしたっんですか~再月先輩ぃ~。緊張しないでいいですよ。これを見ているひとは放送ギリギリの内容でも受け入れてくれるくらいしつけているんで~‼」
しつけているって、動物か何かかよ。
「そうですっぅう、ざば~ん。ほれほれほれ‼」
「きゃぁああ、止めて、そ、そこは! アンタたちどこでそんなの覚えて!」
「もちろん!」
「前世でっっぅでっす!」
「嘘をつかないで! ひひゃあああ!」
パッと目を逸らすことにした。さすが、この小さい女の子二人はませているらしい。いやはや耳を舐めたり息を吹きかけて、再月の反応を楽しんでいるようだ。
しかも抵抗する気力を奪うほど、艶めかしく、深く快感を与えるようにするテクニックを持っている。
確信する、絶対にこのちゃんねるは健全ではない。そういえば、女の子にこんな行動をさせている疑いがあるって学園都市は関係各所から苦情が殺到していると聞いたことがあるような。その現場に俺はいるのだろうか。
は? 待て待て。
俺は、いつまで続くんだと確認のため少しだけロリっ子三人組を見ることにした。
しかし、双子の行動が何かちょっと行動がおかしく思った。なにか下半身が極短い時間あてているような。
「お前らぁああああ‼ ちょっと服を脱げ服を! 今すぐにだ!」
「へ、変態慎! アンタ女の子に脱げって、正気なの気持ちわるい!」
再月は俺の大声を聞いて顔を真っ赤にして叫ぶ!
後で違った場合は謝る。しかし、事実だった場合は今すぐそのスキンシップを止めてもらう!
「おやおやぁ? どうやらゲストは私達のことを知らないらしいですです?」
「かなりしんと~していると思ったのに。けっこうカミングアウトはずかっしいのん」
「しょうがない、視聴者の皆さんも知らない人は知って帰ってくださいぁあい」
『私達、『男の娘』で~す』
「へ、へえええええええぁあああああああああああああああ‼」
やっぱりそうか。手つきで何か怪しいと思ったんだ。
そして、その事実を知った再月は赤い顔から湯気が出るくらいに更に赤くなる始末。手をバタバタとふりながら後ろに下がっていった。
「あ、アンタ達、私を撫でまわしたりして、弄んで、慎に見られて。ころ、ころころころろろ、殺‼」
「スキンシップはこのぐらいにしよう姉さん」
「そうだね、そうしよ!」
「絶対に許さない! このチャンネルを終わらせてやるぅ‼‼‼」
おお、深層化で目が燃えた。これは本気らしい。さらば双子ちゃんねる、こいつはもう止まらないかもしれないぞ。
関係ないふりをしよう。なに、証拠は視聴者がいてくれる。
あ、そうだった。双子は言うには視聴者は調教されているらしい。庇ってくれないかも。
「それはそう~と、先輩ってあの『歩く二つ名』と言われている竹夏さんなのですよね。『称号α』、『戦争潰し』『熱運動』『最強の前衛』などなど、たくさんもっていらっしゃいま~っす。かっこいいですぅ‼」
「そう言って誤魔化されないわ‼ 今すぐ謝っても許さな」
「そしてとなりにいらっしゃっる方が好きなんですよね~え、違うの? 違うなら私が始めて貰っちゃいますよ。さあああ、答えて答えて‼」
「姉さん、そこは恋のキューピットらしく!」
「すううううううううううううううううううううう!!!???」
あ、でまかせで言われただけだろうに、オーバーヒートしたよ。
「どうなんですか~? いえ、これは女性に聞くものではないですねぇ。矢炭さん。ど~なんですか~?」
「心配するな、そんなことは起こらないだろう。考えるだけ無駄だ」
「そうですよね~。その武器を生成する力、別に慎さんが使わなくてもいいですから、あなたが強いと思っているわけではないはずですしね~」
ピタ、と俺の鼓動が止まった。
それは公には知られてはいけない内容だった。
代用可能であることの証明、誰でもいい。優秀な人が使えばいつだって俺はお払い箱という決定的な理屈。
テレビカメラを見てしまう、ジジーとカメラは俺を捉えている。
その液晶の中の悪意が、これから先の未来の俺を蝕もうしているように感じた。
今日は何話か投稿できればいいと思っています。よろしくお願いします。




