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第三十三話 そうなるか?

前回のあらすじ

は? 

戦争潰しと戦争起こし

彼等とは本当に関わりたくない



「わぁ~お姉ちゃんまた会ったね~! 強い人だ~!」



「本当に来た? 冗談で言っただけなのに。もしかして本当に小学校を造ることが出来るかも!」



「期待しちゃいけない。まだいっ、やった!」



 イェーイとハイタッチをしている小学生三人組、彼女達はこの前体育教師が連れてきた子供達だった。



 ここは、この幼い子供達の体育委員会が実質支配している校長室だ。聞いたところによると小学校の『仕事室』など、ほとんどの支配地域はもう体育委員会が所有しているらしい。校長先生はニコニコしながら俺達の会話を聞いている。それほど大事な話だということか。



「こんにちは、俺は刀龍無迅(とうりゅうむじん)という。約束しよう、君達には指一本、触れさせたりはしない‼」



「おいクソ野郎、俺達が受けた依頼を。好きにさせてたまるか!」



 ピクっと校長先生の眉が動いた。サーっと会話の空気が重くなる。


 ヤバい、どうやら丁寧語で喋らないと、この圧力死ぬかもしれない。


 はっきりいってこいつらには関わりたくないのが本音だ。でも、依頼を横取りされるのは腹が立つ!


 それに、この大型依頼を担保に借金することもできるんだ。簡単には手放したくない。


 もっとも借金をしても料理は叶帆に作ってもらわないといけない。しかし、それが三か月になるか一週間になるかはこの依頼にかかっている。



「えと、確か僕が先生に聞いた話では、『死神事件』を解決した人が『協力制度』で僕達を守ってくれるって」



「そうだ、それは俺達だ! このイケメンと猪突猛進女は俺達を脅してここまでついてきたんだ!」



「お、脅して!」



 おかっぱ少女がビクッとした。


 ピクピクッと校長先生の眉が動く。


 無迅先輩はそれをさらりとなかったように流す、少しも恐れていないし、動揺もしないようだ。



「心外だな。優しく、『荷が重いかもしれないから俺達も話を聞こう』と言っただけだよ?」



「そうなの~? ありがとうございます~! 実は私達、体育委員会から少し独立みたいなことしようと思っているのです。それで、どうしても今週中に手に入れたい施設がありまして~」



「心配しないでいい。俺達のチームに任せれば明日にでもその施設を手に入れられるはずだよ」



「ほんとうに! ううん、テレビに出ているくらいだもの。それだけの、いえ、それ以上の力があるはずだよね」



 なびいたおかっぱ少女。おいおい、ふざけるなよ? お役目ごめんってやつか。俺達は咬ませ犬ですか?



「マスター、私達も売り込まないと! 私と同棲してくれる話は魅力的です、けど!」



 会話を聞いていた校長の顔が遂に曇った。しかもそれが聞こえた猪突猛進女は導火線に火が付いたように感情を込めて、熱意を剥き出しにする始末。



「私も全力を出させてもらうわ、たとえ天使だろうが悪魔だろうが、全て吹っ飛ばしてやる!」



「なら決定~。二人ともいいでしょ? 児島先生には申し訳ないけど、この学園都市で最強格のチームとぽっと出の二人組は比べるまでもないよね~!」



「まあ、そうだけど」



「私も今回はあなたを支持します、理論的に考えても、それが一番です」



 嘘をつくな、絶対感情論で決めただろう。くそ、小学生の相手は疲れる。このバカ男と一直線女よりはましだけど。



 万事休すか。これ、児島先生から借りを返してもらっていないことになるよな‼


 まさか、地獄の百件荷物運びとかしないといけないのか? まともに食事をとっていないから死ぬぞ?


 ああ、明日から一発逆転のバイトを探そう。



「少し良いかな?」



 ガタ、と今まで感情をさりげなく出していた校長先生が、立ち上がった。



「申し訳ございません、校長先生。横からではありますが、彼女達も乗り気のようですのでどうかそういうことで話を進めていただけませんか?」



 二ヤリっと俺を見て勝ち誇る無迅先輩。邪魔が出来て嬉しくてたまらないらしい。



「竹夏さん! あなたはこんなやり方で満足なんですか⁉」



「それは……」



 ちょっと心にとげが刺さったような顔をする。しかしすぐ迷いを振り払うように首を振った、何か考えたらしい。ほんのり赤い顔をしているところがちょっと疑問ではあるが。



「私達はもともと依頼を受けた彼等より優秀です。全力で協力させていただきます!」



「……私はいままで多くの人を見てきた。そのうちの一人、優秀な先生である彼女が選んだブレインと超能力者のチームだ。確かに君達と比べると見劣りするかもしれないが、それでも私は彼女を信頼している。ここは、戦ってどちらが優秀か決めるのはどうかね?」



 校長先生は優しげな顔で俺と叶帆そして再月を見てほほ笑んだ。



 あ、今、ふっと再月も笑った。そういえばよかった、と心の中では思っているのだろう。シンプルに考えたらそれが一番彼女の望んだことだった。



 そして、俺は心の中でこう思っている。





 児島ぁ! 後で覚えておけよ!



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