第三十二話 一撃流派の『戦争起こし』(ダイレクトウォー)
前回のあらすじ
高ランクの依頼を貰った俺達
小学生地区に行って話をつける気だった。
が、『戦争起こし(ダイレクトウォー)』に絡まれた
「おや、君たちどこに行くんだ? まさかとは思うが小学生と関わるつもりじゃないよね?」
「残念ながら、そのつもりだ」
「君、分かっているかい? 小学生の対応はデリケートだ。ケガでもさせてしまったら即刻この学園都市にはいられないよ?」
「話を聞きに行くだけだ。簡単な仕事らしいぞ。心配かけて悪いな、【戦争起こし】さん」
「その名前で呼ばないでくれないか。俺が殺しているのは裁判所で死刑判決が出た奴だけだけど?」
この会話、初対面なんだが? さっきから噛みついてきてうるさいことこの上ないな。
皆大路の仲間であるフォース能力者、彼が男子最強格の一人と言われる【戦争起こし】と言われている。
それにはどうでもいい理由があった。
数多き二つ名がついている再月。彼女が【戦争潰し】と対比されているからその名が付いたのだ。
噂によると、再月は『死んでもいいから戦争を失くしたい』とこの疑似学園都市に入る時に言ったらしい。
そして、その言葉通り強くなった再月は国同士の戦争で死者を一人も出さないことを、もうかれこれいくつも成功させている。
戦争は金がかかる、いくらやっても状況が変わらないと判断した国同士はおのずと休戦協定を結ぶことになるらしい。
そうして、その終戦した国同士は一つの目的持ってしまう。
目障りな『疑似学園都市の排除』だ。学園都市を攻撃するため協力してしまうのだ。
それを学園都市と繋がりを持つ大きな国が事前に察知して、彼を差し向け先手必勝で戦争続行できなくするらしい。
ああ、それよりも詳しく説明してほしいことがあるって?
あれだ、介沁の従弟だ。【一番槍】の一人でもある。
「分かった、もういいか。関わりたくないんだが?」
「君失礼だな、まがりなりにも先輩なんだけど? 殺すよ?」
グラグラする威圧する目線、俺はそれを受け止める。こんなことは日常茶飯事で受けていたからちょっと懐かしく感じてしまう。
「ちょっとやめて、公共の場よ? 慎、この人のせいで気を悪くしたらごめん」
あっと? どうした。やけにしおらしいじゃないか。
「気にしてない。いつものことだ」
「助かるわ」
「俺の可愛い可愛いフィアンセよ、これは君の代わりに言っているのだよ? 最近元気がないのは彼のせいだ、そうなのだろう?」
「いつ貴方のフィアンセになったのよ! 勝手なことを言わないでよ!」
チラッと俺を見てさっと目線を逸らす。恥ずかしかったらしい。そのせいで頬が赤くなっているのだろう。
「その、あなたのこと、少し調べたわ。フォース免許持っているらしいわね。だからフォースの扱い方を知っていた、どういうことなの?」
「お前がときどき慎って呼ぶのを止めたら教えてやるよ」
え? という顔をしてブワッと顔表面の下から上まで真っ赤に赤く色づいていく。
「あ、あたいい、きふかづに。気づかずに。名前で!」
どうやら、素で呼んでいたらしい。別に気にしていなかったが。
そして、このバスは阿鼻叫喚した。
「今日のラジオ番組は特番を組むぞ! タイトルは『再月竹夏、本命は誰だ!』にする!」
「もしもし、新聞会社ですか? いいネタを仕入れました。いくらで買ってくれます?」
『ふぬぅ、愛しの竹夏ちゃんを見かけたからちょっと用事次いでに追いかけていたら。家で安心して寝られると思うなよぉおおおお‼ フウォオオオオオオオ‼』
「『保健委員会』のわたくしの大切なお方を傷物に! 呪う、寿命を削って! ウフフフフフ?」
どうやら、このバスの乗客はおかしいらしい。さっきからうるさくしているのに注意されていないのは再月達の人徳だと思っていたが、聞き耳を立てていたようだ。
「面白い、君はどうやら俺を本気にしたいようだ」
「あ~ごめん。もう好きに呼んでいいから。俺達は小学生の依頼で忙しい。ごたごたに関わる気はない」
「再月、予定変更だ。こいつらの依頼を横取りしよう」
「よ、横取りって! 私は生徒会長の依頼を」
「そんなものは他に任せればいい。生徒会長もいつでもいいと言っていただろう?」
「でも、ううううう。でもこのまま別れたら。もしかして取り返しのつかないことが、お姫様抱っことか、キスとか。嫌。というか、ダメ! まだ私達学生なんだから!」
児島先生、あんたが頭を下げてから面倒事があっちからやってくるようになったよ。
この責任、取ってくれ。今すぐ。




