第三十話 不良の委員会、それは 後半
前回のあらすじ
突如始まりました、蹴り野球
でも、だらだらの方が楽しいな、うん。
「何言っているんですか先生、小学生ですよ‼ こんなやつらに傷でもつけられたら!」
ああ、どうやら、まだ再月はこのクラスにいたらしい。いやはや、今気づいた。
なんというか、正論差別発言さすがです。
どうでもいいが、彼女と皆大路に対して表立った批判はなかった。が、二人の評価は二段階ぐらい下がったようだ。
匿名掲示板に立ったスレッド『疑似学園都市最強の生徒について』でかなり手酷く批評されて、順位を落としていたから。
ホント酔狂なことである。目的は変わっていなければ、まだ俺達を調べているのだろう。
調べるほど価値があるとは思っていないだろうに。
「大丈夫だ。お前と、話題の慎がいる中こいつらも大きく出られないだろう。もっとも、お前達が何かするまでもなく、俺がちゃんと授業を受けさせるけどな!」
「心外だなぁ、【戦争潰し】さんよ。俺達は心を入れ替えるつもりでいるんでちゅよ~」
カチンと凍りそうな、底冷えする空気が再月を中心に広がっていく。不良は恐ろしくなったのか少しギョッとしていた。
「止めろ。今回お前と争うつもりはない」
不良に囲まれているミット帽をかぶった男が静止する。再月はいぶかしげな眼をしながらも矛をおさめることにしたようだ。
「ふん、どうかしらね」
「ハハ、そうそう、まずはお互いの溝から埋めていこう!」
では、試合を始める! そういうとピー! と笛を吹く熱血教師。
「あ~お姉ちゃん見たことある~! 強い人だ~!」
組分けは高校生同士、小学生同士で近くにいる人とジャンケンをすることになる。
それが終わった後、一緒のチームになった再月に近づいていく黒髪女の子がいた。髪を留めて肩にのせていて、人懐っこい笑みを浮かべている。
「褒めてくれてありがとう。蹴り野球でもあたしに任せて。八つ裂きにしてあげる。特に慎よ‼」
はぁ。どうやら八つ裂きにされるらしい。勘弁しろよ。仲間だぞ?
「でも、前から気になっていたのだけどお姉ちゃん。私の知っている小学生よりちいさ」
バカ野郎! それは言ってはならない禁句だ!
「止めた方がいい。この人みためより恐ろしい女性だよ?」
さっと、彼女の口を小さな手で覆うのは赤い眼鏡でおどおどしているおかっぱ女の子だ。
「ぐ、むむむうう‼」
「な、なによ? 何か言いかけていたけど、どうしたの?」
「な、何でもない! お前がもっと若かったら俺達の委員会に欲しかったと思っただけだ!」
男のように勇ましい性格のように見える、そんな短めの髪の少女が取り繕うように誤魔化す。
この三人組がこの小学生体育委員会のリーダー的存在らしい。彼女達の会話はすぐに話題の中心に変わった。
「ふふふっむぅ! そんな褒めなくても何にも出ないわよ?」
わんやわんやとチームの垣根を越えて、小学生と高校生が会話を楽しんでいる。
そのときに勇気ある小学生が不良に恐る恐る近づこうとしたが、さすがに服装を着崩している連中相手は簡単にはいかないらしい。
遠目から見ても、それぐらいがせいぜいだろうな。
く、ふふふ。しかしこう見ると、再月と小学生が同じ年に見えてきて面白い。ここで冗談をいいたい気持ちにかられる。
「マスター、冗談なんて馬鹿な真似はしないでくださいね」
なんと、俺が再月を馬鹿にすることが分かったらしい。さすがだ。
「どうやら、俺のことが最近分かってきたらしいな」
「マスターとどれだけ一緒にいると思っているのです? これくらい当然です!」
「ちょっと、慎! アンタがボール受けなさいよ! バックホームの時憎しみを込められる方がやり易いわ!」
「じゃあ、俺達が外野をやらせてもらう、いくぞお前らぁ!」
『うぃ~っス』
二つの集団に分かれた不良グループはどちらも外野をやるつもりらしい。
くそ、取られた。一番楽なポジションだったのに!
不良がいることによる問題もなく。嘘みたいに、穏やかにその日は過ぎていった。
昨日は二つしか投稿できず、今日は遅くて、本当に申し訳ございません。
頑張って今日も複数投稿していきます。よろしくお願いします。




