第二十七話 生徒会書記
前回のあらすじ
『信じています、マスター』
俺を呼び止めるものは、いったい誰だろう?
って、生徒会長?????
知っている、いや、今の俺は知らないか。
くそ、想定外なことが多い。一旦これは捨てるか?
「早くいっておいでよ。一時間目の授業は出席扱いにできるらしいよ。良かったね」
「はあ、だるい」
あの人、別の委員会だからって仮面をかぶっているな。相手のペースに呑まれる前に程よくあしらおう。
彼女の方にイライラを隠さず向かう、ちょうど朝のショートルームをするため児島先生とすれ違った。
お前のせいだぞ? と軽く睨んだら、くすっと笑われる。イライラが増す。
教室から出て、ピシャっとドアを閉める。不満をあらわに、言ってやった。
「すみません。俺は忙しいので帰っていただけますか」
そう丁重に断ったら、相手は目を見開いて驚いている。しかし、すぐに柔和な笑顔になって、
「いいのですか? 実は生徒会のスカウトも兼ねているのですよ?」
「興味ありません。俺はもう『クラスマッチ委員会』の委員長をやっている」
「あら、でしたら委員長に任命させてあげましょうか? その場合、私達の生徒会に入ることにもなりますし。生徒会に委員長がいてやっと、最大組織の委員会として認められることを知っていらっしゃるのですよね?」
ぐうの音も出ない程の正論を叩きつけられる。言い返したいが、言い返してもさらに酷いことになりそうで言葉に出来ない。クソが。
すると、急に頭を下げられた。反省している? らしい。少しだが、胸がスッとする。
「突然余計なことを、すみませんでした。私は生徒会長の書記を務めます天引愛夕でございます。生徒会長の尻拭いをおもに担当しています」
いきなり低姿勢、急な変わりようにおもわず丁寧な対応をしてしまった。
「これはこれはご丁寧に」
でも、残念ながら。これは俺を話の土俵に持っていくための罠だった。
「生徒会室にお菓子を準備しています。いくらでも食べてよろしいですよ」
「ああ、そういえば今日朝から何も食べ……違う。そんなことどうでもいい。俺は――」
「なんですって。朝ご飯を食べていないですって。矢炭さん。あなた朝ご飯を食べられないほど貧乏だったのですか。すぐに奨学金の手配を」
「奨学金……って! もちろん無利子だよな?」
「いえ、返済不要です!」
「なんだ、と⁉」
「さらに今この契約書にサインしていただければ、有名大学や企業に入れますよ‼」
「サインさせてもらいます。いやさせてくれ! ってこれ、転校申請⁉」
「さあ、早く書いちゃってください! バラ色の人生が目の前ですよ‼」
「なんだろう。朝からとても疲れる」
どうやら、生徒会長は『体育委員会』の許可を取って近くのホテルにいるらしい。
そんな俺も、生徒会長のいる部屋に着くまでどうでもいい話に釣られてほいほい付いて行ってしまうのだから世話がない。他人に褒められることに面食らってあたふたしている。
気分は餌を辿っていく鳩のよう、事前に彼女のことを理解していたはずなのに。
そう、知った気でいたんだろうな。
「すみません。色々バカなことを言って。詳細は生徒会長自身で話したいとおっしゃるものですから」
そういって愛夕は頭を下げた。
「本当にな。なんか色々と爆弾発言を聞かされた」
がっくりとうなだれる。しかし、愛夕の方はきれいさっぱり前のことは忘れてホテルのドア、生徒会長のいる部屋をノックしていた。
「入ってよいぞ」
そういわれて、中に入ったのだが、生徒会長が……いなかった。
代わりに姿が見えたのは、体育副委員長の井鳥矛夢さんだった。
昨日は投稿できず、本当に申し訳ございません。
これから頑張ります。はい。




