第十五話 予想通り 前半
前回のあらすじ
そして、決闘という。
俺は負けを宣言した。やっても意味はないから。
でも、敵さんは悔しそうだったよ。
「来たぜ、【評価E】だ」
「あれでしょ、いじめをしたくせに、みんなが止めようとしたら逃げて止めたズルい人」
「ここにいる価値ないんじゃないか? なあ?」
冷たい言葉、人を殺せる言葉が俺と叶帆に突き刺さる。
もう、この委員会に俺の居場所はないな。もともと、この学校は去るつもりだったし丁度いい。
「ま、マスター、私」
また、昔のように恐怖がぶり返したようだ、彼女は俺の行動に不満は言わなかったがやっぱり俺の超能力者ということで巻き込んでしまった。
廊下を歩いただけで絡まれ掴まれる襟元、遠慮なく向けられる侮蔑の目。人を信じることを諦めて正解だったよ。敵は他人だ。
その方が心に余裕が出来る。
悲しいな。やはり俺は友達に期待しすぎたんだよ。しかし、
「叶帆、お前は関係ないだろう? 今この場で俺に石でも投げれば怖い思いをしなくて済むんじゃないか?」
「そんな! 私は、マスターが何をしてもそばにいると決めています! たとえ動けなくなったり、犯罪者でも、神を殺した世界の敵でも! あなたは私のマスターです。命を賭してお守りしましゅ!」
大事な所を噛んだ。
「いつまで続くかな。その思い」
他人を信じない。それはこいつも一緒だ。
裏切られるくらいなら、最初から裏切られる前提で考える。答えはいつだって悲観的に考えたほうがいい。
しかしまあ、こいつとはお金でつながっている。さすがにすぐ裏切らないのは同じ立場だったとしてもまだしないな。
超能力も、俺と超約しているから超能力者なりえる。今から探して、上手くブレインに取り入るのはこいつには難しいかもしれない。
ふん、俺だったら簡単だがな。いじめを理由に取り入る算段は思春期には取り扱いしやすいよ。
「そんなことより! 今日はどうします? 授業を受けます? それとも依頼をこなします? これを機に支配地域を奪うのもいいですよね!」
テンション上げようとしている。少し、嬉しそう。その頬は赤くなり、俺を励まそうとしている?
はぁ、コイツに励まされるとか、世も末だな。死にたくなる。
そう、か。ここで俺に良い顔をして性格がいいアピールをしているんだな。
もしかしたら男として俺と付き合い、その評価を盤石にすることも考えて、いるかも。
「お前、俺と付き合いたいと思っているのか?」
「へ? ひゃ、ああアアあわたわたわ‼」
危ない、全然違う。そこまで考えているやつがこんなに慌てて赤くなるはずはないな。
被害妄想は地獄の始まり。俺は自分に負けることが多いから、ある程度で思考しないのが一番の世渡り上手になる方法なんだ。
さて、こいつは気づいていないだろうがどれをしても一緒だ。適当に過ごすことが出来れば何でもいい。
「冗談だ。そうだな、お前が決めていいぞ。頼りにしている」
「は、はい! 分かりました、精一杯考えます!」
ちょっと落ち込んでいる感じを出して彼女のやる気を引き出す。あれ、これいいかも、前の依頼に集中しない時に比べたら断然生産的だよ。
「そうですね、単位も取らないといけないですし、マスターは二年次全体の出席日数が足りなくなるかもしれません。時間は有効活用しないと! 朝は授業を受けましょう、その間に私が予定を整理します!」
バカだな。それ、一番の悪手なのに。
叶帆、実感していなかったのか?
いじめというものは、学校の中で行われるんだ。




