表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/50

でも、いつかまたつまずいて、転びそうになるんだろうなと思いながら生きていく

                   ●

「7回忌か…」


「ぅん…」


 私のお母さんとお父さんが私のお墓の前に立っている。


 そんなにお花大丈夫だよ…気を使わせてしまって申し訳ない。


「早いね…」


「ぅん…」


 カラスの私は少し離れた電線に止まり両親を見ている。


 少し経つとお坊さんが来て線香を焚いて何かを長々と読み上げた。


「…」


 死んでいてもやっぱり何を言ってるかわからないんだなと思った。生きてる時は幽霊にはわかるんだろう…と考えたことを思い出した。


「…」


 私を亡くして、それを覆い隠しながら生きて、ふと思い出して苦しんで、ふと忘れた事を悲しんで、忘れた自分を傷付けて、頑張って前へ進んで、罪悪感を感じて少し戻って、少し留まって、そしたら食べる事も寝る事も起き上がる事も苦しくなって、やっぱり駄目だと前へ進んだ。


 少し進んでつまずいて、転びそうなのを堪えて生きて、ご飯を食べて、寝て起きてを繰り返していたら、つまずく回数も減って、転ばなくなった。


 でも、いつかまたつまずいて、転びそうになるんだろうなと思いながら生きていく。


 それが人間として、生きるという事なのだから。


「…」


 私はいつの間にか、また自分として生きたいなどと思わなくなっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ