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魔法少女警察24時  作者: 村上玄太郎
第三章 汎用列車型決戦兵器「疾風怒濤」殺人事件

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オオサカ超特急

 翌朝、好子が起きると、汎用《はんよう》列車型決戦兵器は、まだ線路を走り続けていた。

 窓から日の光が差し込んだ。

 好子はまぶしさで目がくらんだ。時計を見ると、8時を過ぎていた。


 はて、どういうことだろう。

 好子が首をかしげる。

 午前8時2分に尾道駅に到着していて、そのまま、列車は一時間以上停留するはずである。ところが、8時半になっても、列車は走り続けているままなのだ。

 異変に気が付いたのは好子だけではなかった。

 サニーもまた、「おかしい」と何度もつぶやいた。彼女はすでにパジャマから、ブレザーとスカートに着替えていた。


 サニーは内線電話で車掌の玲於奈《れおな》を呼び出しそうとしたが、だれも出なかった。

「誰も出ないなんて……変ね。明らかにおかしい。汎用列車型決戦兵器で異変が起きている」

 首をひねるサニーへ、好子はこう聞いてみた。

「先輩。まだ、尾道駅についていないだけじゃないですか?」

「いいえ、30分前に尾道駅を通過してしまって、それから、ずっと走り続けている。だから、運行の予定が遅れているわけじゃないわけ。廊下に出てみましょう。この異常事態の原因を探らないといけない」


 好子は普段着を着て、廊下に出てみた。

 後ろから、サニーが用心しつつ、個室から出てくる。

「誰か、いませんか?」と好子は大声で叫んでみた。だが、何の反応もなかった。

 食堂車のほうから、騒がしい声が聞こえてきたので、二人とも、そちらへ向かった。


 食堂車では、玲於奈と二人の乗客が言い争っていた。

 言い争っている内容を聞くと、どうやら、予定の駅へ列車が止まらなかったことへの苦情であるらしい。

 二人の乗客は、どちらとも昨日のニセ大学生ではなかった。

 一人は、子供のような若い女性だった。小学生の好子達より7、8歳ぐらい年上だろう。背はすらりと高いが、顔は化粧をしていない。のっぽの若い女は、顔を真っ赤にしながら、玲於奈へ詰め寄っていた。

「もう信じらんない!せっかくの高校最後の夏休みが台無しじゃん!」

 のっぽの女は高校生のようだ。


 苦情を受けた車掌の玲於奈は、ただひたすら、ぺこぺこと頭を下げて謝った。「申しわけありません。工藤《くどう》 新雀《しんじゃく》様。ただ今、汎用列車型決戦兵器は予定を変更して運行しております。当初は、尾道駅へ停留する予定でしたが、予定を変更いたしまして、大阪駅まで、どの駅にも止まらずにいきます」

 新雀という女子高生は、納得せずに腕組みをした。不機嫌なまま、食堂のイスへ座った。


 さて、もう一人は白髪交じりの老女である。

 足が不自由なのか、杖《つえ》をついて、腰をくの字に曲げていた。口もその腰に負けず劣らず、への字に曲がっている。こちらも新雀と同じように、不満を漏《も》らしていた。

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