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魔法少女警察24時  作者: 村上玄太郎
第三章 汎用列車型決戦兵器「疾風怒濤」殺人事件

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ガラスの石仮面

 列車の個室で、二人は、床に置かれていたガラスのトゥシューズを眺めた。

 トゥシューズを見つめていたサニーは、難しい顔で腕組みをした。

「これ、ガラス製よね?」

「はい、もちろん」と好子はうなずいた。

「……だったら、ボールを足で蹴ると、ガラスが割れない?割れたら、足をケガするんじゃないの」

「――あ」

 盲点《もうてん》だった。確かに、キック力を増強すると、ガラスが割れてしまって、足を傷つける恐れがあるのだ。なんという欠陥道具なのだろう。


 好子はスーツケースから、透明な仮面を取り出した。

「役に立たないトゥシューズは置いといて、もっと、いいものがあるんです。ほら、このガラスの石仮面はすごいんですよ。アームド先輩の話では、これは古代マヤ文明が栄えた地域で発見されたらしいんです。仮面をかぶると、強化魔法を無料で使えるそうなんです。タダでパワーアップできますよ」

 古代マヤ遺跡から発掘されたガラスの石仮面は、口と目の部分がくり抜かれたガラス製のお面である。まるで、アイスホッケーのお面のようだった。

 石仮面と一緒に、麗美が書いた説明書が付いていた。サニーはそれに目を通す。


 好子が石仮面を顔にかぶろうとする。すると、説明書を読んでいたサニーが止めた。

「待って!ジーパン」

「どうしたんですか?」

「説明書に使用上の注意が書いてある。――石仮面をかぶった者は、LEDのブルーライトを浴びないでください。体が灰になる恐れがありますって」

 危ないと叫んで、好子はガラスの石仮面を放り投げた。「あやうく、灰になるところでした」

 石仮面が床にコロコロと転がった。

 今や、シャンデリアもスマホの液晶も、LEDの光である

 古代マヤ人も、LEDがここまで普及するとは、さすがに予想だにしていなかったのであろう。


「だったら、これはどうです。ガラスの闘争《ゲバルト》棒に、ガラスの火炎ビンです。強い武器ですよ」と好子はスーツケースからガラス製の棒と、油の入ったビンを取り出した。

 それを手に持つと、好子は微妙に嫌な顔をした。

「……なんだか、これから魔王を倒しにいく装備みたいですね」

「というよりも、むしろ倒される側《がわ》ね」とサニーは眺めながら言った。

「そうですね、先輩」

 好子は闘争棒と火炎ビンをスーツケースのそばに置いた。

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