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魔法少女警察24時  作者: 村上玄太郎
第三章 汎用列車型決戦兵器「疾風怒濤」殺人事件

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ガラスのトゥシューズ

 サニーと好子は自分たちの部屋へ戻った。

 侵入者と行方不明者の件については、危険な列車の中を探し回るわけにもいかず、放置せざるを得なかったのだ。

 部屋で作戦会議を開いた二人は、敵が襲ってきた場合の対応を検討した。

 それが終わって、サニーはスマホを取り出して、広島の黒子へ連絡を取ろうとした。ところが、電波が圏外になり、つながらなかった。

「あれ?どうしたのかな」

 サニーは首をひねった。さっきまでスマホの電波は捕まえていたはずなのだ。


 サニーが部屋の内線電話をかけると、玲於奈《れおな》の声が受話器から聞こえてきた。「……申しわけありません。今、車内では、携帯電話が使えない状態となっています。専門家の話によりますと、室内で、電波かく乱を引き起こすミノフスキー粒子《りゅうし》の濃度が上がっているそうでして、電波障害になっているそうです。内線電話は有線式なのですが、無線の外線電話が使えない状況なのです。かさねがさね、おわび申し上げます」

 つまり、外部との連絡が絶たれたのだった。


 サニーは、玲於奈の話を好子に伝えると、こう告げた。

「八方ふさがりね。隊長が心配するといけないから、次の停車駅でいったん下車しよう」

「えー」と好子は口をとがらせる。

「文句を言わない」


 すでに列車の外は夜になっていた。

 ふと、サニーは思い出した。「次の停車駅って尾道駅よね」

 スマホが使えない今、ネットで列車の時刻表を確認することができない。だが、はっきりとサニーの頭は停車時刻を覚えていた。

「次の駅には、明日の午前8時2分に到着する。――うん?待って。明日まで、このまま走り続けるの?」

「そうみたいですね。ということは、車内でお泊《とま》りですね」と、うれしそうな声で好子は言った。


 スマホの電波が圏外となっているため、指示を受けることはできなかった。ということは、自分たちで判断して行動しなければならない。

 サニーはこの部屋で寝ることに決めた。「しかたないか。フォローなしで戦わなきゃね」

 リスクは承知のうえで、汎用列車型決戦兵器に乗ったのだ。寝ている最中に、BB団が襲ってくることも考えられた。それを迎え撃つための準備をする必要があった。


 好子は自分の大きなスーツケースから、いろいろな魔法道具を取り出した。

「BB団の奴らを倒すために、アームド先輩から、いろんな魔法道具を借りてきたんです」

 そう言って、好子が手に取ったのは、透明なガラスだけでできたトゥシューズだった。武装淑女《アームド・レディ》の二つ名を持つ麗美の持ち物だから、バレリーナがはくような、ただのトゥシューズではなかった。

「へへ、これなんだと思います?先輩」

「さあ?なに、そのガラスのトゥシューズは?」

 サニーに聞かれた好子は、胸を張って答えた。「アームド先輩の話によれば、キック力を増強してくれるトゥシューズなんだそうです。ボールを蹴ると、普段の何倍もの力がボールにかかるらしいですよ」

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