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魔法少女警察24時  作者: 村上玄太郎
第三章 汎用列車型決戦兵器「疾風怒濤」殺人事件

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東都湖公太郎

 好子はうろたえた。

「だって、おかしいじゃないですか。あの三人は自分を大学生だと言ってましたよ」

 確かに、三人の女たちは大学生だと名乗ったのだ。となれば、彼女たちはウソをついていたということになる。


「少なくとも、あの金田というメガネ女は、ウソを言っていたわけ。どこが大学生よ。れっきとしたケニ屋の研究者じゃない。しかも、この疾風怒濤《しっぷうどとう》の開発者。あの女、ずっと黙ってたけど、腹の中では何を考えているんだかわかりゃしない」

 サニーは吐き捨てるように言った。

 その態度に腹をたてた好子だったが、サニーの言っていることが正しいのは頭で理解できた。しおれたように力なく、こう聞いた。

「先輩、これから、どうするんです?あいつらのいる食堂車へ戻るんですか?」

「いいえ。ジーパン。あいつらに質問したいのはやまやまある。けれど、あの中の一人がケニ屋の関係者だとわかった以上、あいつらは敵よ。攻撃してくる可能性すらあるわけ。いったん、部屋へ戻って、作戦を考えましょう」


 好子たちが部屋に戻ろうとすると、車掌の玲於奈《れおな》が部屋の前で待っていた。

「――お待ちしておりました。ジーパンさん、サニーさん。少しお尋ねしたいことがあるのですが、今、よろしいですか?」

 玲於奈の態度は丁寧だった。とはいえ、視線が定まらず、不安そうな目つきをしている。

 何かを察したサニーが、事件でもあったのかと逆に質問した。それに対する玲於奈の答えは次のようなものだった。

「お客様にお尋ねするのは失礼かと存じますが――この車内で、セーラー服を着た中学生ぐらいの女の子を見かけませんでしたか?この者は、正式な乗客ではありません」

「といいますと?」

 玲於奈の話によれば、一人の少女が車掌の目を盗んで、無許可で車内に侵入したそうだ。

「――彼女は招待状を持っておらず、客ではないのです。もし、見かけたら、私どもスタッフにお知らせください」

 サニーと好子は「わかりました」と答えた。

 侵入者がいるらしい。とはいえ、それが自分とどう関係があるのか、サニーにはわからなかった。

 この侵入者が、のちのち惨劇のきっかけとなるとは、サニーもまだ知らなかったのである。


 玲於奈が頭を下げた。「それから、もう一つ、お願いがあるのですが、頼んでもよろしいでしょうか?うちのスタッフが一人消えてしまったのです」

「人が消えた?」とサニーは驚いて聞き返した。

「そうです。私と同じような制服を着た、若い男性です。東都湖《とうとこ》 公太郎《こうたろう》と表示されたネームプレートを胸につけています。どのようなわけか、探しても姿が見えません」

「行方が分からなくなったのはいつですか?」

「二時間前です。宮島口駅を出発したときには、彼の姿を確認しましたから。もし見かけたら、運転室に来るように言ってください。まったく、どこでサボっているのやら……」

 玲於奈は愚痴《ぐち》をぶつぶつと言いながら、探しに行ってしまった。


 走っている列車から乗員が消えるとは、ただごとではない。ただし、玲於奈の言うとおり、公太郎はどこかに隠れて、仕事を休んでいるだけなのかもしれなかった。

 事件性があるかどうかも分からない。

 とりあえず、サニーたちは部屋へ戻った。

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