ふたりは相棒
翌日、学校の授業が終わると、好子は警察へ向かった。
昨日はニックネームに関する問題と、隊員の心得を聞かされたが、今日からは、魔法機動隊の本格的な任務に参加させてもらえるのだ。
どんな仕事になるんだろう!
不安もあるけど、わくわくもする
浮かれていた好子がノックをしてから、待機室へ入る。すると、すでにサニーが来ていたので、楽しい気分がふっ飛んでしまった。
「ジーパンさん、昨日と違って、今日は早く来たのね」
顔を合わせた早々《そうそう》、サニーが嫌味を言う。ケンカをしないように、好子は先手を打った。
「こんにちは、サニー先輩。今日もおきれいですね。ところで、17歳さんはどこにいらっしゃるんですか?」
「出張よ。夕方までには帰るらしいの」
サニーの言うとおり、部屋の中を見渡しても、黒子の姿はどこにもなかった。
仕事の内容を黒子から聞こうと思っていたが、当ての外れた好子は、仕方なく、サニーを頼らざるを得なかった。「先輩、今日は何をするんですか?」
しばらく、沈黙が続いた。
「あの、先輩。私、何かまずいことを言いましたか?」と恐る恐る、好子がたずねる。
「――あんた、あたしと組む気ある?」
やぶから棒に、サニーがおかしなことを言い出した。好子はまるで意味が理解できなかった。
「隊長の17歳さんから、指示があったわけ。これから、あんたとあたしがコンビを組んで、二人一組で、防犯パトロールや、事件の捜査に当たりなさいって」とサニーが説明する。
「先輩。ふざけているんですか」
「冗談じゃないのよ。……いい?上司の指示なわけ。あの人が組めと言ったら、あたしたちは従うしかないのよ」
サニーも不服そうだった。「あの人も何を考えているんだか……」
確かに、上司の黒子が指示を出せば、文句を言えるわけがない。だが、コンビを組むには、二人は相性が悪かった。なにしろ、着任してから、ケンカしたばかりなのである。
水と油を混ぜるようなものだった。
仲良くするふりならできるだろう。
好子は表面上、愛想よく振る舞うことができたからだ。さっきのように、小学生ながら、お世辞を言うこともできた。
それを四六時中、休みなしでやれとなると、さすがに無理があった。
「なんとか、別の人と組ませてもらえませんか?」と無理を承知で、好子が頼んだ。
だが、サニーは「それはダメよ」と頑固として拒む。意外と、頭が固いらしい。
「人手が足りないの」
サニーの話によると、この小隊は5人の隊員が集まってできているらしい。小さなグループである。サニー以外の隊員たちは、他の仕事で手一杯なのだそうだ。
新人の指導役ができるのは、サニーをおいて、他にいなかった。




