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魔法少女警察24時  作者: 村上玄太郎
第三章 汎用列車型決戦兵器「疾風怒濤」殺人事件

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ビューティはダーティ、ダーティはビューティ

 初代が反対しなかったため、ソフィーは好子たちを手招《てまね》きした。

 ワナかどうか迷ったサニーは立ち上がらず、「結構です」と断ろうとした。

 ところが、好子は何の疑いもせず、ソフィーたちの席へ磁石のように吸い寄せられていった。

「あのバカ!」とサニーは彼女の後を追いかけた。


 三人の前に立った好子は、ソフィーへ尋ねた。

「あのう、三人の方々は、何をしに、この汎用《はんよう》列車型決戦兵器に乗ったんですか?」

「観光旅行よ」とソフィーがこともなげに答えた。

「私はジーパン・ビューティと申します。――今、私の胸ぐらをつかんで怒っているのが相棒のダーティ・サニーです。私たちは仕事で、この汎用列車型決戦兵器に乗ったんです」

「仕事?」とソフィーが首をかしげた。

 好子はサニーを引き離した。

「そうなんです。なんでもトラブルを解決する便利屋をやっていまして」と好子は口から出まかせを言った。「今、三人がたがちょうど話していたカモメのセーラーサンについて、お聞きしたいことがあったんです。彼女がトラブルに巻き込まれてましてね、それを解決するために、ここへ来たんです」


 三人が顔を見合わせた。困惑《こんわく》しているようだ。

「ねえ、怪しくない?一七瀬《いちななせ》、あなたはどう思う?」と初代が疑問の声を上げた。

 カメラを持っていたメガネの女が、「そうねえ。そもそも、汚い(ダーティ)・サニーじゃないわね。この子こそきれいな(ビューティ)・サニーと呼ばれるべきだわ」と、きわめて見当違いなことを主張した。

 確かに、サニーは見た目こそ美しい。だが、その中身は悪魔も逃げ出すほどのダーティなのである。毎日、罵倒《ばとう》される好子の身になればわかるはずだ。

 好子が思いついた偽名について、一七瀬と初代とソフィーの三人は議論を交わしたあと、それぞれ、自己紹介をした。


 赤髪のソフィーは、ソフィー・ホームズと名乗った。先祖はイギリス出身だが、彼女は日本で生まれた。さきほどから好子たちを怪しんでいたセミロングは、名前を明智《あけち》 初代《はつよ》という。一七瀬という珍しい名前のメガネ女は、金田《かねだ》 一七瀬《いちななせ》というのが本名だった。

 三人とも、大学生で、卒業旅行をしているのだと言った。

「で、カモメのセーラーサンとは、どのような関係なのですか?」と好子は話を本題に戻した。

 微笑《ほほえ》んだソフィーが、好子の問いにこう答えた。

「袖《そで》振り合うも他生《たしょう》の縁ね。彼女とは直接、面識があるというわけではないわ。でも、私たちが、この電車に乗れたのも、彼女が引き起こした事件のおかげなの」


 セーラーサンが引き起こした事件とは、4か月前の路面電車が飛んだ事件の事だろう。

 好子は勝手にそう解釈して、質問を続けた。

「――で、その事件が、どういうふうに、あなたがたと関係があるんです?」

「どこから話せばいいかしら……」

 ソフィーがそう言いよどんでしまうと、初代が横やりを入れた。「この子たち、今乗っている電車が、ロボットに変形して魔法少女と戦う兵器だって知らないのよ」

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