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Historia de Familia ~家族の物語~  作者: Levia
第2章  過去遺物(ギフト)

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「倍返し、始めました」

第23話  「倍返し、始めました」



クリストフの手元にある遺物がけたたましい音を立てる。

この音が鳴ったということはラウルが証拠を確保し、なおかつ処分される恐れが無くなったということ。


ドノヴァン「いよいよ動くのですか?」

クリストフ「そうですね、やっと動ける状況まで来ました。

      若者たちにばかり無理をさせましたね・・・。」

ドノヴァン「なぁに、一部は楽しんでいると思いますがな。

      あまり思いつめることはないですぞ?」


クリストフとドノヴァンは言葉を交わしながら戦いの準備を進めて行く。

身支度を終え、天幕の外へ出るとそこには予め準備を終えていたギルド・義賊の混合軍が二人を迎える。


クリストフ「さて、皆さんの力を借りますよ。ゼニスキーの館へ向かいます!」


********************************


ゼニスキーの屋敷:大広間


そこではクルーゼたち陽動チームがゼニスキーの前で舞を演じていた。

カエデの身体が躍動し、アイシャは豊かな表現力で華麗な舞を繰り広げる。

リューネもだいぶ慣れてきたのか、表情の硬さも取れ、美しい舞を披露できている。しかし―――


貴族A「やはり羽姫様は可憐ですな・・・」

貴族B「うむ・・・今度は我が屋敷にもご招待せねば・・・」

使用人「か、かわいい・・・」


広間内の注目を集めるのは羽姫ことウィルなのであった。

ウィル本人は緊張の為ガッチガチな舞しか披露できていないはずなのだが、彼の恥ずかしそうでいて一生懸命な様子に周囲の人間は男女問わず魅了されていく。



カエデ「な、納得いかん・・・!」


舞がひと段落した舞台袖にて、カエデが愚痴をこぼす。


アイシャ「さすがの私も女としての自信を失くしちゃうかも」

チッタ 「ウィルの可愛さは反則。だから気にしない方が良い」

リューネ「そういうもの?でも私から見てもウィルは可愛いと思うな。」

カエデ 「それはそう・・・そうなんやけどなぁ・・・」

クルーゼ「心配するな、カエデの姉御!みんな十分に魅力的だったぜ!!」


消沈する女性陣にクルーゼは活き活きとした表情でフォローを入れる。

しかし間髪入れずにアイシャがクルーゼの頭をスパーンとはたく。


クルーゼ「あいたーーっ!何するんすか、アイシャさん!」

アイシャ「クルーゼくん~?女性はね?殿方の目線にはと~っても敏感なのよ?」

クルーゼ「へ?え、えぇ、そうなんですね?でもなんで俺叩かれたんです?」

アイシャ「それはね、クルーゼくん・・・」

カエデ 「あんたが私たちの胸ばっかりみてるからや・・・。」

リューネ「えっち・・・」


チッタ以外の女性陣から詰められるクルーゼ。

(チッタはウィルのサポートで、ステージ上で楽器をかき鳴らしている)


クルーゼ「や、やだなぁ、そんなに見てませんってば~。

     あ、あれ?外がなんか騒がしい・・・ぞ?」

カエデ 「話を逸らすな!バカタ・・・レ?」


クルーゼがわざとらしく外の風景を眺めると表情が固まる。

カエデも話を逸らされたと憤慨しつつも、屋敷の外に目線を移すと屋敷の入口周辺に見知った顔がいるのが見えた。


カエデ 「あれは・・・クリフさんにドノヴァンさん?」

クルーゼ「青旗ってことは証拠確保ってことか!」


広間にいる人間も、ポツリポツリと屋敷の外の状況に気付き始めている。


ゼニスキー「なんじゃ、何の騒ぎじゃ!」

使用人  「ハッ!何者かが屋敷に押し入ろうとしている模様です!」

ゼニスキー「それくらいは見れば分かるわ!この無能め!

      相手が誰なのかと聞いておる!!」


ゼニスキーは怒りに震えながら、バルコニーへと移動する。


ゼニスキー「ええぃ!どこのどいつだ!折角の羽姫の舞が台無しであろう!?」

クリストフ「こちらは冒険者ギルド バルスト支部長のクリストフだ!

      過去遺物の違法収集ならびに横領、横流し、一部の商人との癒着、

      その他諸々の疑いにより、ゼニスキーを捕縛する!!」

ゼニスキー「なああああにぃぃぃぃぃ!?

      そんなバカな話があるか!証拠、証拠はあるのか!?」


クリストフ「―――全体突撃!!!」



クリストフはゼニスキーの言葉を無視して、仲間とともに屋敷に向かって駆け出す。

あまりにも速い展開にゼニスキー側の対応が僅かに遅れる。


兵士A「ぐあっ」

兵士B「な、なにを!!」


その時広間の方が俄かに騒がしくなっていることにゼニスキーも気付く。

ゼニスキーが広間に戻ると、吟遊楽団が武装し、兵士たちと争っている。


ゼニスキー「こ、これは!?どういうことだ!!何が起こっている!!」

クルーゼ 「これは男爵様。舞は楽しんでいただけたかな?

      ここからは第二幕とさせてもらうぜ!!」


クルーゼは弓に矢をつがえながら、ゼニスキーに軽口を叩く。

軽口とともに驚くべき速さで二度矢を放つと、ゼニスキーの両脇にいる護衛の肩に突き刺さる。


ゼニスキー「ひ、ひいいいいいいいいい!!」


ゼニスキーはその様子を見て、這う這うの体で広間から逃げ出す。

広間を出るところで騎士団長でもあるコーブーシに声をかける。


ゼニスキー「な、何をしておる!!早く事態を収拾しぇぬか!!!!」

コーブーシ「御意!!」


焦りのあまり口が回らないゼニスキーの命令に、コーブーシたち一部の兵が戦闘準備を整える。


コーブーシ「逆賊め!成敗してくれる!!」

クルーゼ 「おーおー、ここまできて正義の味方気取りかよ?

      クズ過ぎて逆に清々しいな?」

コーブーシ「ええい、やかましいわ!我ら正義の剣の錆にしてくれるわ!!!」


コーブーシの命令で兵士たちがクルーゼに殺到するが、次の瞬間には一斉に吹き飛ばされる。

何事かとコーブーシが目を見開くと、兵士が殺到した先には三人の女性の姿が。


カエデ「やーっと暴れられるで~!」

アイシャ「カエデ、生命までは取っちゃダメだからね?

     フリじゃないからね?わかった?ちゃんと返事しなさい!?」

リューネ「準備運動はこんなものかな~」


そこには各々の得物を振り回しているカエデ・アイシャ・リューネの姿があった。

コーブーシはギリリと歯を噛み締めながら、クルーゼたちに刃を向けるのだった。


********************************


屋敷の廊下をラウルたち三人は足早に進んでいく。

いつの間にかラウルの前に姉弟が並び立ち、ゼニスキーがいるであろう場所へ迷いなく進んでいく。


兵士C 「スコット!!一体何が起きてるんだ!?屋敷の中が大荒れだ!」

スコット「先輩!詳しい話は後ですが、何者かの襲撃の様です!

     今は使用人などを連れて屋敷の外へ退避を!!」

兵士C 「わ、分かった!!各部屋を回って探してみ―――!?」


スコットの先輩と思われる兵士とのやり取りの途中にも、ゼニスキーの息がかかっているのであろう兵士の襲撃が続く。


兵士D「スコット!死んでもら――ぐはっ!!!!」


しかし襲い掛かってきた次の瞬間、相手ははスコットの盾撃(シールドバッシュ)で吹き飛ばされていた。


ラウル「ねぇねぇ、ネーレさん。もしかしなくてもスコットさんブチ切れてる?」

ネーレ「スコットだけじゃないですよ?私だって激おこです!!!」


二人にとっての恩人が、屑野郎にいい様に扱われたのだ。

ラウルだってグラーフが誰かに利用されている、なんてことになったらブチ切れるだろう・・・グラーフに限ってはあまりそんな状況が想像は出来ないが。

そんな事をラウルが想像していると、姉弟の歩みが大きな扉の前で止まった。


ラウル 「ここがゼニスキーの部屋?」

スコット「おそらく・・・ですが。

     この部屋は勝手禁止だったので可能性は高いかと。」

ネーレ 「見られたくない帳簿とかもあるかもしれません!

     もし本人がいなくても何かありますよ!」


三人で頷き合うと、ラウルは扉に手をかける。

部屋の中では、ゼニスキーが大慌てで何かを鞄へ詰め込んでいた。

開いた扉の音に気付き、ゼニスキーが振り返る。

ラウルとゼニスキー、二人の視線がぶつかった。


ラウル  「・・・見ーっけ」

ゼニスキー「ひぃっ!?」



次回、「涙」


読みづらい場所などありましたらご指摘ください。


感想などいただけますと執筆モチベーションに直結しますので、とてもありがたいです。


引き続きよろしくお願い致します。

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