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Historia de Familia ~家族の物語~  作者: Levia
第2章  過去遺物(ギフト)

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「強奪者(レイダー)」

第5話  「強奪者(レイダー)」



ラウルたちは慎重に隠し扉の先を進む。

扉の先は、洞窟のような様子はなく、まるで建物の中の通路の様だった。


レオナ「ここまで保存状態の良い遺跡は初めてかもしれない・・・。奥になにがあるのかしら?」

トーマス「わからないが、今までの発掘では見ることのできなかった何かがあるんだろうな」


レオナとトーマスはこの通路の先にあるものへ思いを馳せる。


ゴロウズ「あまり装飾みたいなものは見られないな。神様を崇めるようなレリーフもない」

リューネ「どちらかというと遺跡というより、大きな遺物の中を進んでいるみたい・・・。

     見て、奥の方に光が見えるわ。」


ゴロウズとリューネも通路そのものを分析しながら進んでいたが、奥に見える淡い光に気付いてからは、

自然と全員の意識がその先へ引き寄せられていく。


その時ラウルは―――


ラウル「これが遺跡ってやつなのか?初めて見るはずなんだけど……なんていうか、前にも来たことがある気がするな」


まるで昔から知っている場所を歩いているような、そんな奇妙な感覚だけが胸の奥に残り続けていた。


**********************************************************************


通路は想像以上に広い空間に繋がっていた。

通路を抜けた瞬間、メンバーの口から自然と感嘆の声が漏れる。


ラウル「一体、この空間は何のためにあるんだ?」

リューネ「ここで考えてもわからないよ、ラウル。だから私たち調査チームがいるんだもの」


リューネは他のメンバーを引き連れ、慎重に広間を進んでいく。

彼女たちの慎重な調査の末、広間の中からはいくつもの発掘品と過去遺物が見つかった。


スコット「これは・・・これほどの量の発掘物を見るのは初めてです!」

ゴロウズ「この後研磨したり、いろいろ工程は踏まなきゃいけないけど、使えるもんが出てくれば嬉しいなぁ」


スコットとゴロウズは大量の発掘品に目を輝かせている。

その他のメンバーは広間の一角に設置されていた過去遺物群の調査を進めていた。


トーマス「同じ形をしたものばかりだな。大人1人くらいは余裕ではいれそうな空洞があるが・・・。何に使うんだ?」

レオナ「空洞の中にはひも状のものがたくさんぶら下がってるわね。リューネ!遺物周りには何か見つかった?」

リューネ「なんか刻まれているものはあるんだけど、掠れてるものばかりで・・・。もう少し時間ちょーだい。」


調査については素人なラウルは、少し離れた場所からチームが調査する様子をボーっと眺めていた。


ラウル「みんなすごいな・・・。発掘はさておき、遺物に関しては邪魔しないようにしよ。・・・・・・うん?」


のんびりと見学することを決め込んでいたラウルの耳がかすかな振動音を捉えた。


ラウル「なんだろ?向こうの方かな?」


ラウルはひとり遺物群の中を歩いていくと、1つだけ、ほんの微かに振動している遺物を発見した。


ラウル「ん・・・?もしかして動いてる・・・? おーい!!リューネーーー!!」

リューネ「なーに、ラウル?」

ラウル「多分だけど、これ動いてると思うんだけど?」

リューネ・トーマス・レオナ・ゴロウズ「「「「なんだって!!?!?」」」」


調査をしていた3人だけでなく、ゴロウズまでラウルのところに駆け寄って来る。


トーマス「全然気付かなかった・・・。ラウルくん、どうやってこれを?」

ラウル「なんか微かに音が聴こえた気がしてさ。聴こえた方に来たら見つけたんです」

ゴロウズ「お手柄だぞ、ラウル!今回大活躍じゃないか!帰ったら肉パーティーだな!!」

ラウル「全部たまたまだってば。それより、何かわかりそうなんですか?」

レオナ「上手く起動できれば、今よりもいろいろわかる筈・・・!よし!作動したわ!」

スコット「おお!壁面が!」


レオナの声と同時に、遺物の壁面の一部が青く光る。

少し離れた場所から様子を見ていたスコットも、その光景に思わず声を上げた。


リューネ「レオナありがと!さて、調査開始するよ!」


リューネは遺物に付いているボタンのようなものをカタカタと叩き、食い入るように画面を見ている。

全員がリューネの様子を見守る中、スコットの耳が背後から近づく大きな風切り音を捉える。

振り返った瞬間、一振りの斧が真っすぐこちらへ飛来していた。


スコット「・・・・!!危ないっ!?」


ガキンッ!!!


スコットは持っていた盾を使い、斧を大きく弾き飛ばす。

斧は上方に向かって大きな弧を描くようにして、通路があった方向に飛んでいく。

その方向には、いつから居たのだろうか。

雄牛の頭のような角付の仮面と、漆黒の装いを身にまとった人物がひとり、こちらを眺めているのであった。


**********************************************************************


スコット「何奴!?何をしにここまで!?」


スコットはその人物に向けて声をかけるが、何の言葉も返ってこない。


ラウル「トーマスさん!退避用の遺物使ってください!」


ラウルも戦闘準備を整えながら、スコットと共に一歩前に出る。


トーマス「わかった!えーっと、これか!(ポチッ)あれ?なんで!?(ポチッポチッ)作動しない!!」

レオナ「ちょっと貸してトーマス!(ポチッ)ダメ!反応しない!」


トーマスたちは混乱しているが、そんな中リューネが檄を飛ばす。


リューネ「トーマスとレオナはなるべく戦闘の邪魔にならないように後ろに下がって!私とゴロウズは2人のフォロー!

     ラウル、スコットさん!前衛はお願い!!」


スコット「任されました!」

ラウル「りょーかい!!」


スコットとラウルは黒衣の人物を迎え撃つため、距離を詰めていく。

相手は漆黒の斧を拾うと、腰からもう一振り同じ斧を取り出し、悠然と迎撃の構えを取るのであった。


スコット「だっしゃああああああ!!」


スコットは気合の声とともに盾衝<<シールドバッシュ>>を繰り出す。

まともに入れば相手を吹き飛ばすその一撃を、黒衣の人物はクルっと円を描くような動きで回避し、

そのままスコットの側面から斧の一撃を見舞う。


ラウル「そう簡単にはやらせないよっ!!」


ラウルは黒衣の人物とスコットの間に身体を滑り込ませるように捻じ込み、剣を使って斧の軌道を反らす。

斧は床へ深々とめり込んだ。

まともに受けていたら無事では済まなかっただろう。


スコット「ラウル殿!かたじけない!」

ラウル「く~~~っ!なんつー重さだ!」


相手は斧を易々と引き抜くと、再び迎撃の構えを取る。


今度は簡単に踏み込まず、距離を取りながら様子を見るラウルたち。


スコット「ラウル殿、おそらく奴は強奪者(レイダー)と呼ばれる遺物を専門に狙う盗賊です!

     迎撃が難しい場合は発掘チームの無事を優先します!」

ラウル「りょーかい!まずはもうちょっと粘ってみますかねっ!」


今度はラウルが黒衣の人物に突っ込んでいく。

ラウルは十分な間合いを取った状態からサイドステップを繰り返し、的を絞らせないようにしながら近づいていく。

しかし相手はラウルの方向に大きく斧を横薙ぎ、距離を取らせたうえで、スコットに突っ込んでいく。


スコットは盾と短槍を巧みに使いながら、黒衣の人物からの攻撃を捌いていくが、ラウルは強烈な違和感を覚えた。


ラウル「(あいつ本当に強奪者(レイダー)か?物を奪うだけならもっと別のやり方があるだろう?それに、どうしてあれほどスコットさんを狙うんだ?)」


ラウルの疑問に答えが出ないまま、戦闘はさらに激化していくのだった。



次回、「生き延びるために」


今年は台風多いですね・・・。

これ以上被害が大きくなりませんように。


読みづらい場所などありましたらご指摘ください。

もし知りたい設定などありましたら、質問いただけると嬉しいです。

幕間などで説明できたらと思います。

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