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Historia de Familia ~家族の物語~  作者: Levia
第2章  過去遺物(ギフト)

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「調査開始」

第4話  「調査開始」



ダンジョンの入り口に調査隊と冒険者たち、第9分隊の騎士たちが並ぶ。

いよいよ調査が始まるということで、場の空気には緊張感が漂っていた。


調査方法については以下のような説明があった。


・調査隊は一番隊から十番隊までに分かれる

・一番隊が本道を調査し、二番隊以降は発見された側道を順に担当する

・冒険者は調査隊に先行し、危険の排除を行う

・異変が発生した場合は速やかに共有し、必要に応じて撤退する

・騎士団はキャンプの警備を最優先とする


説明の後には質疑が飛び交う。


カエデ「遺物よりも人命優先でええか?」

調査隊「もちろん大丈夫です」


トーマス「どうやってお互いの異変を伝え合うんだ?」

調査隊「こちらで準備した過去遺物を使用します。

    どれか一つでもスイッチを入れると全てが赤く光る仕様です。

    ただどの遺物を押したのかは判別つかないので、基本は即退避になります。」


セオドリク「キャンプ側に何か異変が起こった際も、その遺物を使用するのですか?」

調査隊「はい。お願いします。

    探索側もそうですが、どの程度の状況で遺物を使用するかはガイドラインを作りづらいです。

    申し訳ありませんが、各々の判断を信じさせていただきます。」


ゴロウズ「お腹が空きました!」

調査隊「あちらで朝食の準備がございます。

    他にご質問が無ければ説明会は終了させていただきます!」




調査隊からの説明を確認した後、ラウル含むリューネチームの面々は調査の最終準備を行っていた。

そんなラウルたちにスコットが声をかける。


スコット「ラウルさん、みなさん。お疲れ様です。

     今回の調査では私もダンジョン内部まで同行することになりました!

     改めてよろしくお願いします!」

ラウル「あれ?キャンプの警備は大丈夫なの?」

スコット「まだまだ私も鍛錬が必要、とのことで、分隊長から同行の許可をいただきました!

     ダンジョン内でも皆さんの護衛を務めます!よろしくお願い致します!」


頼もしい仲間の合流にメンバーの表情もほころぶ。

ラウルたちは準備を終え、調査出発地点となるダンジョン入り口まで進むのだった。


**********************************************************************


カエデ「ラウルんとこは何番隊や?」

ラウル「うちは・・・10番隊、最後尾だね。カエデ姉は?」

カエデ「うちは3番隊や。ちょっと離れてしもたな。姉ちゃん寂しい・・・(嘘泣き)」

ラウル「そーだねー、俺も寂しいよー(棒)」

カエデ「ラウル、だんだん姉ちゃんの扱い雑になっとらん?」

ラウル「さ!気合い入れて発掘参加しようね!」 チョットラウルー!?


いよいよ調査隊がダンジョンの中に入っていく。

ラウルはカエデたちを見送り、少し時間を置いてラウルたち10番隊の順になった。


初めてのダンジョン探索に落ち着かない様子のラウル。

先行隊のおかげで最低限明かりも確保されており、数はそれほどないもののトラップの位置も特定されているため、

ちょっとした観光気分できょろきょろと辺りを見回していた。


ラウル「なんか……思ったより普通の洞窟だなぁ」


洞窟の奥からは冷たい風が吹き抜ける。 足元には先行隊が設置した灯火が並び、岩肌には古びた削痕が残されていた。

それでもラウルにはまだ遺跡らしさがよく分からない。


ゴロウズ「そんなことないんだぞ、ラウル。ほら、あの辺を見ると良いぞ?」


ゴロウズが指差した先を見ると、壁が崩れた部分から、どう見ても人の手が加えられているであろう

不思議なデザインの壁面が見えた。


ラウル「ほえー!よく見たらこんな痕跡があるんだね!」

ゴロウズ「それにほれ。」


再びゴロウズが指差した方向を見ると、リューネ・トーマス・レオナが別の壁面を見ながら考察を始めているようだ。

今まで見たことが無いものだったのだろうか。3人は興奮した様子で意見を交わしている。


ラウル「なんかこう・・・みんなプロって感じだねぇ。」

ゴロウズ「自分たちの仕事に誇りを持ってるってのも嘘じゃないんだけど、

     みんなただ遺物いじりが好きなんだぁ。

     その延長で遺跡についてもいろいろ詳しくなっていったんだよなぁ。」

ラウル「ゴロウズは?混ざらなくていいの?」

ゴロウズ「俺も調査は好きだけど、食べる方が好きだな!」


ガハハと笑うゴロウズに釣られてラウルも笑顔になる。

そんな一行を気配を殺しながら監視する者がいることに、誰一人気付いていなかった。


**********************************************************************


それから1時間は進んだであろうか。

既に1番隊以外の調査隊はそれぞれ側道に別れ、いよいよリューネチームについても別行動をするタイミングとなった。


リューネ「ここからは気を抜けないからね。ラウルは少し先行して索敵とトラップ確認して?

     スコットは後方からの襲撃に備えてしんがりをお願い。

     トーマス・レオナはラウルの少し後方で。ゴロウズは私と一緒に進むよ?」

トーマス・レオナ・ゴロウズ「イエス、マム!」


テキパキと役割を整理し命令する様を見て、ラウルとスコットは目をパチクリさせている。


リューネ「どうしたの、ラウル?スコット?」

スコット「いや、なんというか・・・」

ラウル「リューネ、むっちゃカッコイイじゃん!リーダーって感じ!」

リューネ「え、えぇ?そうかなぁ・・・?」


リューネは急に褒められて、赤面しながら髪をいじっている。

なおアホ毛はピコピコと嬉しそうに揺れている。


ラウル「指示も的確だと思うし、気合い入れて頑張るよ!

     後ろは任せたよ?スコットさん!」

スコット「分かりました!おまかせあれ!」


二人はそれぞれ指定された配置に移動していった。

リューネも自分の配置に、なんだか少し誇らしげな顔をしながら移動するのであった。



―――― 側道を進んで2時間ほど経っただろうか。


リューネチームは概ね順調に側道を進んでいた。


ラウルが落とし穴トラップに落ちかけたり、ゴロウズが「腹減った」と叫んだ結果、ゴブリンの群れに襲われたり、

スコットが「お姉ちゃん成分が足りない!」と離脱しかけたりしたが。


・・・概ね順調に側道を進んでいたその時だった。


ラウル「ダンジョンって全然上手く立ち回れないぃぃ・・・こんなに難しいのぉ・・・」

トーマス「ラウルくん、ドンマイ!これも経験だし、気にすんな!

      ・・・おっ!?あの辺り遺物が見えないか?」

レオナ「どの辺よ・・・?あの壁面辺りかしら?ちょっとだけなんか突き出してるわね。ゴロウズ!」

ゴロウズ「アイ、マム!」


ゴロウズは威勢のいい返事とは裏腹に、丁寧な手つきで周辺の壁の発掘を始める。

(もちろんその間、ラウルとスコットは周囲を警戒している)


15分ほど経過しただろうか、ゴロウズの手には一振りの棒状のものと大きな塊が握られていた。

発掘品を囲むリューネチームの面々。


リューネ「これは・・・過去遺物ではない・・?」

トーマス「普通に発掘品の様に見えるね。これは杖かな?」

レオナ「こっちも研磨しないとわからないけど、宝石かしら?綺麗・・・」

ゴロウズ「戻ってどこかに鑑定依頼しなきゃダメみたいだな。」


発掘品を前に冷静に分析を進めるメンバーたち。

その後ろからラウルはのんびりした様子で声をかける。


ラウル「おーい、みんなー?今掘り出した場所、何かおかしくない?」

ゴロウズ「おかしいってなんだ?ラウル?も何も埋まってないはずだけど?」

ラウル「いや、なんか思ったよりもすべすべに感じるんだけどー」


――ラウルは仲間たちの方を見ながら壁面を触っていたので、触れた部分が紫色に淡く光ったことに気付かなかった――


ラウルの指先が壁面をなぞった瞬間。カチリ――

乾いた音が洞窟内に響く。次の瞬間。


ゴゴゴゴゴゴゴ……


壁そのものが震え始める。

震えは大きくなっていき、まるで周囲の岩肌を削り取るように、その一角がゆっくりと奥へ沈んでいった。


全員「はっ?」


チーム全員が呆気に取られているとリューネがいち早く我に返る。


リューネ「これは・・・隠し扉!?やった!ラウル!お手柄!!しかもなんか機構が動いたし、凄い当たりかも!!」

ピョンピョン跳ねながらラウルに抱き着くリューネ。

一緒になって喜ぶラウル。


ゴロウズ「俺が触って確認した時には何も無かったのにな・・・」

トーマス「まぁまぁ、取りあえず奥の調査の準備しようぜ?」

レオナ「私は隠し扉より面白い発見をした気がするわね」

トーマス「ん?」

レオナ「あっち見てみなさい」


レオナが指差した先には、抱き合って喜んでいるラウルとリューネの姿が。


リューネ「…………」

ラウル「…………?」

リューネ「…………っ!!」


リューネの顔は次第にゆでだこの様に赤くなり、カチコチに硬直してしまうのだった。



次回、「強奪者(レイダー)」

読みづらい場所などありましたらご指摘ください。


もし知りたい設定などありましたら、幕間などで説明できたらと思います。

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