「とある一室にて」
間が空いてしまい、申し訳ありませんでした。
新章開幕致します!
第2章 過去遺物
第1話 「とある一室にて」
ここはどこかの街のとある1室
窓は固く閉ざされ、灯るのは一本の蝋燭だけ。
顔も判別しづらい薄暗い部屋で、公にはできない話し合いが続いていた。
騎士風の男「しかし、あの盗賊団には目をかけてやっていたのに・・・あっさり潰れおったな」
商人風の男「まぁまぁ、所詮は盗賊。暫くすれば代えも見つかりましょう。それよりもギルドの方で何か動きがあるそうですな?」
派手な装いの女「新しく発見されたダンジョンで遺物の発掘をするそうよ。このままだとギルドだけ美味しい思いをすることになるじゃない!」
商人「まぁ、何か手は打たねばなりませんな・・・。確かに盗賊団が生きていれば使えたか。」
騎士「忌々しい!動かせる手駒はないのか!」
派手「騎士団くらいしかないのではないかしら?すぐに足はついてしまうのだけれど・・・」
大きな足音とともにもう一人の男が現れる。
その姿を認めた瞬間、それまで好き勝手に話していた三人の口が止まった。
貴族風の男「構わぬ。見つかっても全員始末すれば良いだけであろう?」
尊大な態度で男は空いている席に座る。
でっぷりと太った腹を気にする素振りもなく、男は話を続けていく。
貴族「遺物をギルドに奪われ、王国に流せない方が余程の損失よ。冒険者など吐いて捨てるほどおるではないか。
我々のような選ばれた人間の代わりなどそうはおらんのだぞ?」
派手「それはそうよねぇ。折角のお宝をみすみす逃す道理はないわぁ」
騎士「仰る通り。ではどの騎士団を動かしましょうか?」
商人「金牛は如何か?それなりに手ごろな人材がいたのでは?」
派手「こういうのは双魚でいいんじゃない?汚れ仕事好きなのいたわよね?」
各々好き勝手に発言していくが、反論を許さない雰囲気で男が発言する。
貴族「今回は人馬を使う。中に面倒な奴がおるのでな・・・。良い機会じゃ、まとめて始末してやろう。」
騎士「人馬ですか。実力としても問題無いですな。」
商人「あとは我々の支配下に無い騎士には気取られないように・・・」
派手「その辺は抜かりなくやらせてもらうわ。任せてもらおうかしら。」
貴族「話はまとまったようじゃ。次の報告時は美味い酒を飲みたいものだの?」
人々の知らない場所でどす黒い思惑は進む。
しかし彼らは知らない。
自分たちの運命が、まだ名も知られていない冒険者たちによって大きく狂わされることを。
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ラウル「たっだいまー」
ホームにラウルの声が響く
リビングにはとてとて歩いているフブキと、それを見守るカナンがいた。
ラウル「良かったーー!お客さんみんな帰ってたーーー!」
カナン「あら、お帰りなさい。騒がしいのも好きかと思ってたけど違うのかしら?」
ラウル「賑やかなのは好きだけど、ツッコミ疲れたよ・・・。それに――」
カナン「それに?」
ラウル「みんな残ってたら、カナンもリビングでゆっくり出来ないでしょ?」
ラウルの一言にカナンは目を丸くする。
しかし優しい笑顔に表情を変えるとラウルの頭を撫でる仕草をするのであった。
カナン「ふふ、優しい子ね。こんな幽霊もどきに気を使う必要なんてないのよ?」
ラウル「昼間から穏やかにリビングにいる幽霊なら歓迎だよ~。寧ろ今いなくなられたら寂しい。
それよりカエデ姉は?報告しようと思ったんだけど・・・」
カナン「ちょっと外しているだけだと思うけど・・・あぁ、上から降りてくるみたいね」
カナンの言葉とほぼ同時に、ラウルにもカエデが階段から降りてくる姿を見ることが出来た。
カエデ「おー、お帰りラウル。依頼の件はどうなった?」
ラウル「ただいまカエデ姉。発掘の護衛は受けることにしたよ。これがその条件」
ラウルはギルドから受け取った条件書をテーブルの上へ広げる。
********* 護衛クエスト条件書 ***********
基本報酬 *****G
発掘された過去遺物は原則調査隊所有のものとする
遺物以外のものがダンジョン内から発見された場合、発見した人間の所有を認める
今回は未開拓のダンジョン調査であり、魔物も生息していると思われる。
参加する冒険者の生死・怪我については自己責任とする
護衛対象となる担当の調査隊に死者・怪我人が発生した場合は報酬を減額する
対象の調査隊が全員無傷で帰還できた場合はボーナスを支給する。
参加希望の冒険者は申込のチームに係らず、戦力を均等とするため、担当が分かれる場合がある
装備・物品の持ち込みは自由。持込/回収した物品・素材は調査隊の馬車を使用し、輸送可能
以上
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カエデ「ふむふむ、なるほど・・・。遺物は全部調査隊か。
まぁ今回の本命は過去遺物なんやろうしな。
じゃあ問題や、ラウル。
今回の依頼のうまみはどこにあるって判断して受注した?」
ラウル「えーっと。まず洞窟内で狩った魔物の素材とアイテムは自分のものにできるでしょ?
未踏破ダンジョンだから、掘り出し物とかレアモンスターがいたら美味しいかなって。
あとは遺物とかレアモンスターが空振りでも護衛に徹すればボーナスももらえるところと、
カエデ姉と別々になるかもってとこが逆にメリットかなって・・・ちょっと!ちょーっと!!
ストーップ!!ストォォーーーーーップ!!!」
後半のラウルの発言に思わず「ゴゴゴ・・・・ッ」とカエデから殺気が漏れだす。
カエデ「ほほぅ・・・。別々がメリットになるってどういうことや?姉ちゃん邪魔か?
泣くぞ?大泣きするぞ??」
ラウル「違う!別れた場合を想定したらさ、単純に捜索範囲が倍にできるわけじゃん?
カエデ姉の捜索とか索敵能力が高いのわかってるし、お宝獲得のチャンスかなーーーーって!
それだけ!それだけだよ!!」
カエデは一先ず殺気を抑える。
カエデ「そーか。まぁそういうことにしといたろ」
ラウル「うへぇぇぇぇ。マジで怒ったのかと思ったじゃん・・・勘弁してよ・・・」
その様子を見ながらカナンはクスクスと笑い、フブキは首をかしげながら「わふぅ?」と鳴くのであった。
次回、「ベディヴィア王国騎士団」
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引き続きよろしくお願い致します。




