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Historia de Familia ~家族の物語~  作者: Levia
拠点(ホーム)

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「狩るもの  狩られるもの」

第22話  「狩るもの  狩られるもの」




間もなく日が沈み始めるか、という夕刻。

荷馬車が数台、護衛を引き連れて街道を進んでいく。


護衛役の義賊A「あいつら、本当に来るんかね?」

護衛役の義賊B「若を信じろ。あいつらが焦るように頑張ってきたじゃねぇか」


それを遠くから確認する人影

盗賊A「噂通り、本当に来やがった・・・お頭の耳に入れねぇと」

盗賊は慌ててアジトに戻っていく。


盗賊A「頭ァ!商隊です!! 噂通り商隊が確認出来ました!」

ゲオルグ「・・・規模は?」


???「オナカスイタ、オナカスイタ。ウバエルネ?タノシイネ?」


盗賊A「荷馬車は8台ほど!護衛が14~15名確認出来ました!」


???「ガマンシチャウノ?ウバウッテタノシイヨ?ホラホラホラ」


ゲオルグ「護衛は15だな?」

盗賊A「へ、へい!」

ゲオルグ「俺も出る。30人ほどついてこい。残りは拠点の護衛に回れ」

副官「頭!?多すぎませんか!?」


ゲオルグ「・・・」 ザンッ


斧が一閃し、副官の首が宙を舞う。


ゲオルグ「文句のあるやつは?」

盗賊たちは声を上げずに、ただただ首を横に振り続ける。


ゲオルグ「必ず奪え」

そう告げるとゲオルグはゆっくりと洞窟の外へ歩を進める。

部下たちは出撃の準備を整えるために慌てて走り出していく。

その後ろ姿を副官の虚ろな目だけが静かに見送るのだった。


*************************************************************


護衛役の義賊C「敵襲だぁぁぁぁ!敵は後方!全力で逃げろぉぉぉ!!!」


護衛の声を合図に商隊は慌ただしく動き始める。

後方から盗賊による怒号が多数響き渡る。

商隊も全力で移動するが、規模が大きいことが災いし徐々に追いつかれていく。


護衛役の義賊A「ダメだ!追いつかれる!荷は諦めろぉぉぉぉ」


義賊たちは追い詰められたように演じつつ、御者を回収しつつバラバラに逃げ始める。

盗賊たちの一部は逃げた者たちを追いつつも、多くのメンバーは荷馬車を包囲しつつゲオルグの到着を待つ。

程無くゲオルグも現場に到着し、荷を改め始める。


ゲオルグ「これで暫くは食いつなげるな・・・クルーゼの奴らめ、あいつらさえ大人しくしてりゃ・・・」


荷馬車に向かうゲオルグを後方から伺っている部下たち。

いよいよゲオルグの手によって荷馬車の中が改められたのだが―――


盗賊たち「・・・。は?」


そこにはなにも無い。

そう、食料も物品も金も。

なにも無かった。


考えが追いつかない盗賊たち。


「ヒュッ」


その為、複数の風切り音が近づいていたことにも気付けない。


「ガッ」

「ギャッ!」

「痛ぇ!!」


盗賊たちの周辺から矢が降り注ぐ。

包囲の外側にいた盗賊たちには矢が直撃し、バタバタと倒れていく


盗賊B「クソが!罠だってのか!?」


我に返った盗賊たちが瞬時に防御行動に移る中、ドノヴァンが雄叫びを上げる。


ドノヴァン「ここで終わらせる!ついて来い!!」


ドノヴァンの声を皮切りに、逃げたと見せかけた義賊たちが一斉に襲い掛かる。

一気に乱戦状態となる中、義賊の包囲した一角が吹き飛ばされる。


ゲオルグ「ちぃぃぃぃ!こんなところで死んでたまるかよぉ!」

ドノヴァン「若!ゲオルグが!」

クルーゼ「わかってる!ここは頼む!」

盗賊C「お頭!助けてぇ!」

ゲオルグ「うるせぇ!手前ぇの身ぐらいなんとかしろ!」


義賊の包囲網を抜けたゲオルグは、仲間を見捨て退却を始めていた。

それを追うクルーゼ、ラウル、カエデの三人。

クルーゼの逆襲は第二幕へと移っていくのであった。


*************************************************************


~~~~~~~~ 盗賊のアジト内部 ~~~~~~~~


ゲオルグ「クソッ!クソッ!!クソォォォォォ!なんでだ!なんでうまくいかねぇ!?」


ゲオルグは怒りに任せて、副官だったものの頭部を蹴り飛ばす。

それでも気が治まらないのか、斧で周囲を切り飛ばし、アジト内部は滅茶苦茶な有様となっていた。

その様子に部下たちは我先にと逃げ出し、今やアジト内部ではゲオルグ以外の人影は見当たらなかった。

ひとしきり暴れ回り、肩で息をしているゲオルグに声をかける者がいた。


クルーゼ「ようやく駄々をこねるのも終わりか?ゲオルグ・・・俺らの場所を汚してくれやがって・・・」

ゲオルグ「クルーゼェェェ・・・何故だ?なんで手前ぇに勝てねぇ・・・?俺の方が強ぇだろ?

      お前の親父をやったのも俺だ!全員俺に従うべきだろうがよぉ!?」


クルーゼはラウルたちとともにゲオルグの前に姿を見せる。

その目に若干の憐みの感情を帯びさせながら、ゲオルグに語り掛ける。


クルーゼ「ゲオルグ・・・お前はバカだったけどよぉ・・・屑じゃなかったハズだろ?何があった?

      なんで親父を手にかけた?あんなに仲良かったじゃねぇか?」

ゲオルグ「俺だって強ぇ! 俺だってすげぇ! なのに何であいつの周りにばかり人が集まる!

     気に食わねぇ! 気に食わねぇんだよ!!

     そんな時だ・・・ 声が聞こえた。『お前なら出来る』って。

     それからだ。 俺はどんどん強くなった。」


ゲオルグはクルーゼしか眼中にない様子で捲し立てる。

クルーゼは黙ってゲオルグの慟哭とも思える言葉を受け止めている。

そんな中ラウルはゲオルグの言葉に違和感を覚えていた。


ラウル「(声が聞こえる?強くなった?思い込みか・・・?気でも触れたのか・・・?)」


考え込むラウルにクルーゼが声をかける


クルーゼ「なぁラウル。ごめんだけど、やっぱりあいつの相手は俺だけにやらせてくれねぇか?」

ラウル「ダメだよ」

カエデ「あかん」


ラウルとカエデは間を置かず否定する。

ここでクルーゼに何かが起こってしまっては、ドノヴァンたちに合わせる顔が無い。


クルーゼ「怒りを晴らしたいわけじゃねぇんだ・・・ただあいつの様子を見てると・・・

     ここでちゃんとケリをつけてやりてぇんだ」

ラウル「だからダメだよ、それならなおさら3人で・・・」

クルーゼ「頼むよ」


どこか泣きそうな顔をして、ラウルに頼み込むクルーゼ。

ラウルは困った様子でカエデに視線を送る。

カエデは深いため息をひとつ吐き、クルーゼに声をかける


カエデ「あかんと思ったらウチもラウルもすぐに手を出す。それで良えか?」

クルーゼ「十分だ。ありがとう」


クルーゼは一歩前に出て、両手にそれぞれ短剣を構える。

その様子を見てゲオルグも斧を上段に構え、クルーゼを迎え撃つ態勢を作る。


クルーゼ「御託はここまでだ。決着を、つけよう」



次回、「決別と嘲笑」


天気の悪い日が続くと憂鬱ですね。

あと日も短くなってきて、なんとなく寂しく思っています。


読みづらい場所などありましたらご指摘ください。

またご感想などいただけますと執筆モチベーションに直結しますので、とてもありがたいです。


引き続きよろしくお願い致します。

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