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Historia de Familia ~家族の物語~  作者: Levia
拠点(ホーム)

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「まちあわせ」

第13話  「まちあわせ」



ラウル「ちょーっと遅れ気味かな?

    クリフさん、アイシャさんの愚痴止まらないんだもんなぁ

    聞いてたら遅くなっちった」


クリフ(クリストフの愛称)からアイシャについての愚痴を長々と聞かされたラウルは夕焼けの空を見ながら待ち合わせ場所である中央広場の噴水まで移動していた。


ラウル「(はてさてカエデ姉どこかなーっと、まだ来てないかな?)」


キョロキョロと見回すラウル


???「ラウル?」


ラウルはすぐ後ろから声をかけられ、反射的に振り向く


???「どないしたん?ラウル、ちょっと遅かったやん。なんかあった?」


ラウルは目の前の女性を見て固まった。

見覚えはある。声も知っている。

それなのに、一瞬だけ誰だかわからなかった。


ラウル「(さっきまで冒険者だったじゃん・・・)」


カエデはサイドポニーテールを解き、ロングヘアにはワンポイントの髪飾りを添えていた。

服装も冒険者装備から、ノースリーブニットとロングスカートへ。

足元もレザーブーツではなく、軽やかなサンダルだ。

頼れる姉師匠は綺麗なお姉さんに鮮やかなジョブチェンジを遂げていたのであった。


ラウル「カ、カ、カ(パクパク)」


カエデを指差しながら口をパクパクさせるラウル。

カエデは一瞬キョトンとしたものの、サプライズが成功したことを確信したのか、表情をにまーっとした笑顔に変えてラウルに詰め寄る。


カエデ「んーなんやラウル?カエデ姉ちゃんやで?どしたそんな顔して?


カエデは下から覗き込むように顔をラウルの顔に近づけていく

ラウルは恥ずかしさから顔を背けっぱなしである


カエデ「(ククク、ラウルのこんな表情珍しいなー。もうちょい弄ったろ♪)」


久々の姉ちゃんのターン!

そして想像以上にラウルはテンパっていた。


ラウル「(急にお姉さんモードはずる過ぎだろ・・・!

     姉にドキドキするなんてどーかしてるぞ俺!)」


ラウルにとってカエデは大事な姉であり、どちらかというと家族としての意識の方が強かった。

ただこの日、その認識が初めて崩れた瞬間が訪れたのだ


ラウル「(くっそ、ずっとニマニマしてるし、楽しそうだクソぅ・・・)」

     カエデ姉、心臓に悪いよ・・・変わりすぎ・・・」

カエデ「へへーん、せやろー?サプライズってやっちゃ♪」

ラウル「ホントにびっくりしたよ、すごく綺麗なんだもん」

カエデ「(ハァウッッッッ!?)」


ラウルはやっとの思いで言葉を絞り出したのだがその一言は、本人の自覚なくカエデに致命傷を与える。

カエデは胸を押さえながら、動きを止める。


ラウル「ど、どうしたの?カエデ姉?どっか痛い?俯いてるけど?」


カエデは俯いたまま、手を「待った」の形でラウルに向けながら応える


カエデ「だ、大丈夫や。なんでもあらへん!そろそろ行こか?な?

    (待って!待って!!それはズルい!ズルいズルいズルイ!!

     あたし今すっごいにやけちゃってる!!顔見せれへん!)」

ラウル「大丈夫ならいいけど・・・じゃあ報告しながらギルドの方行こう?

    流石にお腹空いたねー。遅くなってごめんよー?」

カエデ「(やっと落ち着いてきた・・・でも顔は直視できへん・・・)

     せ、せやなウチもお腹空いたわ・・・」

ラウル「あ、そうだカエデ姉」

カエデ「ん?なんや?」


しかし、まだラウルのターンは終わっていなかった。


ラウル「その髪型も素敵だね、髪飾りも似合ってる」

カエデ「ゴハァァァァァァッッッッッ!!」


盛大に吐血(イメージだよ)しながら倒れるカエデ。


ラウル「ちょっと!?カエデ姉?大丈夫?カエデ姉ーーーー!?」


カエデの身を案じるラウル

そんなラウルをよそに、カエデの表情は今まで見たどんな表情よりも満ち足りたものだったという・・・



~~~~~~~ バルスト冒険者ギルド内食堂 ~~~~~~~


カエデ「で?ラウルもう一度、もう一度な?聞きたいんやけど。

    明日どこを内見するって?」


カエデはとっても不機嫌そうな顔でラウルを問いただす


ラウル「ん?幽霊屋敷って呼ばれてるとこだよ?」


ラウルは軽く返すのだが、カエデは麦酒が入ったジョッキをテーブルにダンッ!と叩きつける


カエデ「な~~~んでそうなるんや!!?

    確かに拠点に適した場所は無かったって聞いた!聞いたけども!

    どうして幽霊屋敷!??何かあったらどうするん?」

ラウル「まだ内見だよ?大袈裟だなぁ。

    それに聞いた話だと、身に危険が及ぶような悪さはしてないし・・・

    平気じゃね?」

カエデ「ラウル~~~?本気~~~?」

ラウル「ま、まぁ一度ちゃんと見てから決めよ?ね?

    それに俺らの初めての拠点(ホーム)になるところだし、

    設備整った場所の方が良いと思ったんだよねー。

    あれ?話聞いてる?おーい、カエデ姉~?」

カエデ「……俺らの?」

ラウル「?」

カエデ「……初めての?」

ラウル「ホーム?」

カエデ「(わたしと・・・ラウルの・・・初めての自宅(ホーム)」


           (ホワンホワンホワン)

                ・

                ・

                ・

女性はひとり、鼻歌交じりにキッチンで料理をしている

リビングには白い大きな犬が一頭、大きなあくびをしながら寝そべっている


女性「ふんふーん♪味付けもばっちりやな~。

   そろそろ寝坊助も起こしたるか~」

男性「寝坊助はひどいな、おはよ」


声がする方向を向くと愛する旦那様の姿があった


女性「おはよ♪でも寝坊助はホントやろ?シャキッとしいや?」

男性「ん~、まだちょっと眠いや・・・甘えても良い?」


男性は女性に対してバックハグの体勢から頭をぐりぐりこすりつけてくる


女性「うわ!?も~ホントしょうがないな~・・・ちょっとだけやで?」


穏やかで甘い時間。

ふとした瞬間にふたりは見つめ合い、徐々にお互いの顔が近づいて―――

                ・

                ・

                ・


カエデ「ちっっっがぁぁぁぁぁぁぁう!!!!」

ラウル「うを!?びっくりしたぁ!!」


肩で息をしているカエデ

反応が無かったため、夕食に手を付けていたラウルもビックリしている。


カエデ「変なトリップしてもうた・・・

    あービックリした・・・ん?いつの間に注文してん?何それ?」

ラウル「カエデ姉、急に反応なくなっちゃったから先に注文したんだよー。

    メニューには白身魚のムニエルって書いてあったよー、すげー美味い。」


ラウルがニコニコ顔で食べていると、通りすがりの女性に声をかけられる


アイシャ「お?ラウルくんじゃん。食事はどう―?おいしく食べれてるー?」

ラウル 「あ、アイシャさんお疲れ様です!

     ご飯とっても美味しいですね!久々にこんな美味しいの食べました!」

アイシャ「でしょでしょー?♪そのメニューなら私が作ったやつだー♪」

ラウル 「えぇ!?アイシャさん料理できたんですね!?」

アイシャ「・・・なんかあたしに失礼なイメージ持ってない・・・?」

ラウル 「そそそんなことないですよー!?

     いやーこんな料理作れる人がお嫁さんだったら幸せだろうなー!

     こんな美味しい料理毎日食べれるんだもんな―?」

アイシャ「え?そかな?そう言ってくれると嬉しいけど・・・(テレテレ)」


取り繕ったつもりの一言は、なぜかアイシャに会心の一撃となった。


(ゴゴゴゴゴゴッ・・・!!)


当たり前だが、急激に機嫌を悪くさせるカエデ・・・


カエデ 「ラ、ラウル~?そちらの方はどなた~~?(ピキピキ)」

ラウル 「あ、カエデ姉。

     この人がさっき話したダルがらみギルド職員のアイシャさんだよ」

アイシャ「酷い!!?」

カエデ 「へぇ・・・あなたがうちのラウルを弟子にしようっていう・・・?」

アイシャ「そーね!既にラウルくんの師匠と言っても過言ではないわ!

     そ、それにお料理も褒めてもらっちゃったし・・・

     あたしも吝かじゃないって言うか・・・テレテレ」


ブチィィッ!!!

カエデの堪忍袋の何かが音を立てて引きちぎれた。


カエデ「そーか・・・

    あんたがそういう態度なんやったらこっちにも考えがあるで・・・!」


カエデの身体がワナワナと震えている


おじさん「お!?修羅場か?修羅場なのか?」

お姉さん「ちょっとクリフさん落ち着いて!?

     別に色恋沙汰じゃないと思いますよー!?


遠くの方でおじさんは盛り上がり、お姉さんがクリストフを宥めているが、3人の耳に届く事は無かった。


カエデ 「アイシャって言うたなぁ・・・

     うちとラウルの師匠の座をかけて料理勝負や!

     ラウルの胃袋を掴んだ方が真の師匠や!」

アイシャ「よし受けて立ちましょう!

     これで私も師匠公認?でラウルくんの師匠になるんだぁぁぁ!!」


ラウル 「なにこの流れ!?もしもしカエデ姉?アイシャさん?

     止まって?ちょっと!止まって!止まれ!」


***********************************


おじさん 「さぁやって参りました!第一回ラウルくんの師匠は誰だ!?

      ドキドキ料理対決~~~!!

      司会は私ギルド常連のおじさん冒険者と」

お姉さん 「常連のお姉さん冒険者でお送ります♡』


おじさん 「まずは審査員を紹介しましょう!

      一人目は我らがギルマス!クリストフさん~~~!」

クリストフ「娘の手料理が食べられると聞いて」


お姉さん 「二人目は今回の対決の原因でしょう!ラウルく~~~~ん♡」

ラウル  「どうしてこうなった・・・」


おじさん 「三人目は鬼族一の食いしん坊~~~ゴロウズさ~~~ん!」

ゴロウズ 「飯たくさん~~~!」

ラウル  「あれ、洞窟で会いました?」

ゴロウズ 「ラウルくん、その節は助かったよ・・・

      あのまま餓死するかと思った・・・」


おじさん&お姉さん「審査員は以上の三名でお送りしまーす」


おじさん 「さて料理対決の参加者をご紹介しましょう!

      まずは我らがギルマスの愛娘!

      仕事と料理は出来るが性格は・・・受付嬢アイシャ~~~!」

アイシャ 「ちょっと!?どういう紹介!?」

クリストフ「をい(おじさんの肩ガシーッ)」

おじさん 「あ、やべ。

      クリフさん違うんですよ?台本がありましてね?

      あ、チョット、クリフさん!?グアーーーーーー!?」

      (裏方に引き摺られ、おじさん退場)


お姉さん 「おじさんは尊い犠牲になりました・・・グスン

      アイシャちゃんに対するは自称ラウルくんのお姉ちゃん。

      綺麗なお姉さん風だが料理の腕前はどうなんだ!?

      冒険者カエデ~~~~!」


カエデ  「ラウルの師匠はうちや・・・!(ゴゴゴゴゴゴッ!)」


野次馬  「良いぞー!! / 綺麗なお姉さんだー! / 俺も弟子にしてー!

      はーい、オッズはアイシャが有利だよー?もう締め切るよ~?」


おじさん(顔はボコボコ) 「さ、さて経緯もよくわからないまま、勢いで始ったこの対決。

      お姉さん見どころはどの辺に?」


お姉さん 「あの二人のやる気!それを上回るゴロウズさんの食い気!

      ラウルくんに絡むクリフさん!泣きそうなラウルくん!!

      もう言葉はいらないでしょう!楽しければいいと思います!」


クリストフ「なあラウルくん(コソコソ)

      娘に良いお嫁さんになるって言ったのか・・・?(ピキピキ)」

ラウル  「ク、クリストフさん?それは言葉の綾といいますか・・・」

クリストフ「言ったんだな・・・?(ゴゴゴゴゴッ)」

ラウル  「クリストフさん、圧が、圧が強いッス」


おじさん&お姉さん「さぁ!盛り上がって参りましょう!」



次回「炎の料理対決!:アイシャ」


読みづらい場所などありましたらご指摘ください。

やっと週末ですね。

みなさま1週間お疲れ様でした。


ご感想などいただけますと執筆モチベーションに直結しますので、とてもありがたいです。

引き続きよろしくお願い致します。

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