↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風読みの魔女は静かに過ごしたい  作者: おおりく
1章 新天地への旅立ち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
6/33

◆番外編:ある夜の黒猫の独白

少女が寝息を立て始めたのを確かめてから、黒猫はそっと寝台を抜け出し、窓辺に降り立った。


二つの月が、静かに地上を照らしている。かつて、幾度となく見上げた光景だ。もっとも、あの頃はこんな小さな体で見上げてはいなかったが。


(……ずいぶんと、ちっぽけになったものよ)


己の前脚を見下ろし、黒猫は小さく喉を鳴らした。自嘲じみた笑みのつもりだったが、猫の顔ではそれもうまく表現できているかどうか、怪しいものだった。


昼間、あの小僧――リアムといったか――の記憶に靄をかけたのは、大した力ではない。全盛期の己ならば、指先ひとつで国の一つも眠らせられただろう。今の自分にできるのは、たかだか数分の記憶を、少しぼかす程度のこと。


それでも、十分だった。あの程度の些事すら片付けられぬようでは、この子を守る資格などない。


(アリア……)


窓越しに、月明かりに照らされた少女の寝顔を見やる。無防備で、頼りなく、それでいてどこか凛とした横顔。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。