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僕が英雄?記憶にないんですけど?  作者: 髙龍


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第九十一話

「それで、金を貸してくれってどういうことなの?」


ジントも報奨金を貰ってそれなりにお金を持っているはずだった。


「リーシャと会ってきたんだ。そしたらリーシャの家には借金があったんだよ」


「リーシャ?」


「昨日、食事処であっただろ?」


「もしかして、ウェイトレスの娘?」


「そうだ。で、金がなければリーシャは売り飛ばされるんだ」


「事情はわかったけど・・・」


サノスはジントに確認する。


「ジントは本気なんだよね?」


「頼む。俺に金を貸してくれ!」


「わかった。ここに褒賞で貰ったお金と溜めてたお金がある。これだけあれば足りるかな?」


「ちょっと。サノス!本気なの?」


「大事な仲間が本気で頼んでるんだ。なら、力になってあげないとね」


「サノス・・・。すまん」


ジントはそう言ってお金の入った袋を受け取ると部屋を出て行った。


窓から見れば全力で走っている。


「サノス・・・。本当によかったの?」


「ジントはさ。アマンダとカノンのことが好きだったんだよ」


「薄々は気づいていたけれど・・・」


「そうね。私もきづいてた」


「僕が現れなかったら3人がくっつく未来もあったんじゃないかな?」


「それは否定できないわね」


「うん」


「僕はジントに引け目のようなものを感じていたんだ。だから、新しい恋に挑戦しているジントを応援したかったんだ」


「そう・・・。でも、お金だけ取られる可能性もあるんじゃない?」


「そうなったらそうなった時だよ。お金はまた稼げばいいんだよ」


「わかったわ。私はもうこの件についてはもう何も言わない」


ジントは食事の時間になっても戻ってこなかった。


流石にジントを放置していちゃつく気分にはなれず部屋で待機していた。


日付も変わろうかという時間になり控えめに扉がノックされる。


「悪い。少しいいか?」


そう言ってきたのはジントだった。


「入っていいわよ」


アマンダがそう許可を出すとジントが部屋に入ってくる。


だが、ジントは途中で動きを止める。


「リーシャも入ってくれ」


ジントがそう言うとおっかなびっくりリーシャが部屋の中に入ってくる。


「あの・・・。皆さんが私の為にお金を出してくださったと・・・」


「気にしないで。好きでしたことだから」


「私、一生かかっても皆さんにお金を返しますから」


「俺も一緒に返すから」


この様子を見るとどうやらうまくいったようだ。


お金でリーシャを買ったような物だが今後どうなっていくかはジント次第だろう。


「貴方も私達と一緒に行くってことでいいのよね?」


「はい。よろしくお願いします」


「歓迎するわ。ジントのことをよろしく頼むわね」


「はい」


「今日はもう遅いわ。休みましょう」


「はい。お休みなさい」


ジントとリーシャはそう言って部屋を出て行った。

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