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僕が英雄?記憶にないんですけど?  作者: 髙龍


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第九十話

案内役の騎士に先導されて王城に入る。


サノス達はすぐに謁見の間に通された。


「よく来たな。お主たちが我が国を救ってくれた英雄か」


「運がよかっただけにございます」


「運か。竜の討伐を運で片付けられるのは流石は英雄の孫というところかな」


「もしかして祖父をご存じなのですか?」


「知っているとも。アドルフ殿は何度もこの国の窮地を救ってくれたのだ」


「そうだったのですね・・・」


「爵位をやると言ってもいらないと言われてな。最後は田舎に隠居してしまったが・・・。アドルフ殿はどうしておる?」


「数年前に亡くなりました。最後は家族に見送られて幸せそうでしたよ」


「そうか・・・。年月が経つのは早いな・・・」


そう言って陛下は何かを考えているようだった。


「陛下・・・。時間が押しておりますので・・・」


「そうだったな。お主たちには双竜勲章と報奨金を与える」


「ありがたき幸せにございます」


「うむ。今後の活躍も期待しておるぞ」


陛下のお付の人から勲章と報奨金を受け取りサノス達は案内してくれた騎士に促され謁見の間を後にした。


乗ってきた馬車に乗り込み来た道を戻る。


「ふぅ・・・。緊張したな・・・」


「そうね。でも、これですべきことは終わったわよね?」


「そうだね。後は王都を観光して帰ろうか」


「すぐ帰らないのか?」


「報奨金も貰ったししばらく滞在費には困らないでしょ?それにジントもその方がいいんじゃないの?」


「確かに俺の方はその方がいいけど・・・」


「戻ったら別行動にしましょう。私達はデートしてくるから」


「わかったよ・・・」


馬車で宿屋まで送ってもらいサノスはアマンダとカノンと共にデートに向かった。


こっそりジントを確認するとジントもどこかに出かけていった。


「さてと。色々見て回りたいわね」


「うんうん」


アマンダとカノンは上機嫌でサノスの腕を取って進んでいく。


色々なお店をまわったが2人は物自体はほとんど買わなかった。


どうやら見ているだけでも楽しいらしい。


ただ、1つ思ったのは女性の買い物は長いということだ。


体を鍛えているから肉体的には辛いとは思わなかったが精神的には辛い物がある。


結局、2人の買い物は夕方まで続いた。


宿屋に戻ってくると食堂でジントが何やら考え込んでいた。


サノス達を見ると近寄ってくる。


そしていきなり土下座してくる。


「すまん。俺に金を貸してくれ」


そう言ってた頼み込んできたのである。


「ちょっと。何があったのよ?」


「外聞もありますし部屋で話を聞きますから」


そう言ってサノスはジントを立たせると部屋に連れて行った。


金ならジントも十分持っていたはずだ。


なのに、頼み込んでくるなど何があったのだろうか。

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