第八十六話
サノス達はジントに見つからないように隠れつつジントを追いかける。
ジントの足取りはしっかりしておりどんどん進んでいく。
「ここって・・・」
「うん。明らかに歓楽街だね」
「こんなところに何の用事があるのかしら?」
ジントは歓楽街の酒場などをスルーして奥に歩いていく。
そしてある建物の前で少しきょろきょろしたかと思うとそのままその建物の中に入っていった。
建物の柱は特徴的な色彩で塗られていた。
「ジントの目的地がこんなお店だったとはね」
「問題ないんじゃない?」
「それはそうだけど幼馴染がこういう店に通っているのを知るとちょっと複雑ね」
ジントの入っていったお店は大人のサービスを受けられるお店だった。
「とにかく戻りましょう」
「そうね。なんだか周りから視線を感じるし」
うら若い乙女がこんなところにいるのだ。
周囲の男達から奇異な目を向けられるのも仕方ないだろう。
絡まれる前に戻るのが正解だ。
サノス達は来た道を引き返した。
宿屋に戻ってきたサノス達は話し合いをしていた。
「私達が言うことでもないと思うけど少し心配ね」
「そうね・・・。今は貯蓄があってもあんなお店に通っていたらお金なんてどんどんなくなっていくわよね」
「祖父も言ってましたね。将来、有望だと言われていた人が色に溺れて潰れたって」
「とはいえよ?解決策なんてあるのかしら?」
「私達が相手にするなんて無理だしね」
サノスは少し想像してしまった。
アマンダとカノンがジントの相手をする。
想像するだけで嫌な気分になる。
「ジントに恋人ができればいいのよね?」
「それが一番の解決策だけど・・・」
「王都についたらしばらく滞在するわけだし相手を探してみましょう」
「そうね・・・」
どうやらアマンダとカノンはジントの恋人探しをするつもりらしい。
「そんなにうまくいくかな?」
「難しいのはわかってるけど、何もしないよりはね」
「そうそう」
「わかった。王都についたら僕も協力するから」
「ジントの方はこれでいいとして・・・」
アマンダとカノンが熱い視線を送ってくる。
これは今夜も眠れそうにないなとサノスは2人を受け入れた。
そもそもの原因は3人にあるとはサノス達は気が付いていなかった。
御者の青年は馬車の中で何が起きていたのかわかっていたのだ。
1人でそういうお店に行く勇気がなくジントももんもんとした気持ちがあった為、誘いに乗ったのである。
そして見事にその魅力にはまりこんだのだ。
ジントもこのままでいいとは思っていない。
こんなことを繰り返していてはお金がいくらあっても足りない。
だが、若さゆえにその誘惑に打ち勝つのが難しかったのだ。




