第八十四話
サノス達はご飯を食べ終えるとお湯を貰って旅の汚れを落として部屋に引き上げた。
サノスは当然のようにアマンダとカノンと同じ部屋だった。
旅先で関係を持つのもどうなのだろうと思ったがアマンダとカノンの誘いに最後まで抵抗できず3人で熱い夜を過ごした。
明けて朝、朝食を食べてから再び馬車の乗って旅を再開する。
向かいに座るジントは何やら眠そうである。
「寝不足?ちゃんと寝ないと駄目じゃない」
「誰のせいだと思ってるんだよ・・・」
そう言ってジントは文句を言ってくる。
サノスは1つのことに気が付いた。
それはアマンダとカノンも同じようだった。
「何?盗み聞きでもしてたの?」
「ち、ちげーよ。普通に聞こえてきたんだから仕方ないだろ」
そう言って怒鳴ってくる。
「ジント。サイテー」
そう言って2人はジントを責めたてる。
「まぁまぁ。配慮に欠けてた僕達にも非がありますから・・・」
そう言ってサノスは2人を落ち着かせる。
「はぁ・・・。わかったわ。サノスに免じて今回は許してあげる」
「次は消し炭にするからね?」
「理不尽だ・・・。なんで俺が責められてるんだよ・・・」
ジントはそう言って疲れた顔をしていた。
途中までは起きていたジントだったが、本当に寝ていなかったのだろう。
お昼ぐらいからいびきをかいて眠りはじめた。
「寝てるわよね?」
「寝てるね」
アマンダとカノンはそう言ってジントの方を確認する。
「2人共。何を考えているのかな?」
「こういうことよ」
そう言ってアマンダが甘えてくる。
「ずるい。私も」
そう言ってカノンも甘えてくる。
「2人共。途中でジントが起きたらどうするの?」
『その時は殺す』
声を揃えてそう宣言する。
制止しようとしても2人がかりでは大した抵抗はできなかった。
そして、バレるかもしれないというこの状況はスパイスになったのか盛り上がったのである。
それはアマンダとカノンも同じようだった。
「ふぁ・・・。よく寝た・・・。ってなんか臭くね?」
ジントはそう言ってくる。
換気はしていたのだが匂いがまだ残っていたようだ。
「熱かったから汗の匂いでしょ?」
「そうそう」
アマンダとカノンはそう言って誤魔化す。
「でも、なんかどこかで嗅いだことのある匂いなんだよなぁ」
なおもジントは話を引っ張ろうとする。
「自分の汗の匂いぐらい嗅いだことあるでしょ?」
「それもそうか・・・」
どうやらジントはそれで納得してくれたようだ。
3人は「ふぅ」と安堵の息を吐く。
バレていたらジントの記憶を改ざんする必要があるところだった。
「もう少しで今日の宿泊先に到着ですね」
「そうか・・・。俺はそんなに寝てたのか」
窓から見える景色はすっかり夕暮れだった。




