第八十話
サノス達は盗賊のよく現れるポイントを目指して歩いていた。
「この辺りのはずなんだがな・・・」
そう言ってジントが周囲に目を配る。
だが、盗賊どころか人っ子一人いない。
「情報が間違ってたんじゃないの?」
「いや。それはないはずなんだが・・・」
「まぁまぁ。最初から当たりを引くなんて難しいですよ」
「それもそうね」
「アジトの場所も候補は絞ってあるんですよね?」
「そうだな。そっちに行ってみるか?」
「ここでこうしているのも時間の無駄ですからね」
サノス達は街道を外れて獣道を歩く。
しばらく進むとどんちゃん騒ぎをしている男達に出会った。
サノス達は小声で話をする。
「どうおもう?」
「恐らく盗賊ですね。街道にいなかったのは大きな稼ぎがあったからでしょう」
「そうね。あの騒ぎようだもの」
よく見れば肉をかっ喰らい酒を勢いよく飲んでいる。
「よし。捕縛の必要はないな?」
「そうね。ここから街まではかなり距離があるもの。殲滅しましょう」
サノス達はぎりぎりまで近づいてから勢いよく隠れていた茂みを飛び出した。
騒いでいた男達はまだこちらに気づいていない。
サノス達は一方的に盗賊達を殲滅していく。
数では負けているのだ。
減らせるだけ先に減らさなければどうなるかわからない。
盗賊達も鈍った思考で何が起きているのか理解したようでそれぞれ武器を持って立ち上がる。
「サノス。サポートを頼む」
「了解」
ジントが男達の中心に突っ込み、サノスは魔法でそれをサポートする。
速度を優先して魔法の威力としては弱いがジントにはそれだけで十分だった。
ジントは1人、また1人と手早く盗賊達に留めを刺していく。
「こっちは終わったわよ?」
「おう。こっちも丁度、片付いたところだ」
サノス達は動く者がいないか確認する。
自分達でやったこととはいえ、酷い有様だった。
当面、肉類は食えそうにない。
「俺は略奪された品を回収するから後始末は頼む」
そう言ってジントが早々に離脱する。
「うまく逃げたわね」
「そうね。でも、愚痴を言ってても仕方ない。片付けましょう」
サノスとアマンダは盗賊の死体を一か所に集める。
カノンがその間に土魔法で穴を掘る。
掘った穴に盗賊の死体を投げ込み燃やして処理をする。
死体を放置しないのは疫病の予防が1つ。
もう1つ厄介な事例としてアンデットの発生を防ぐためだった。
全ての作業が終わった頃にジントが戻ってくる。
「結構な量だったな」
「お疲れ様。仕事は終わったし早いところ街に戻りましょう」
「そうだな。帰るか」
サノス達はもう1度やり残したことがないか見回ってから街へと帰還した。




