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僕が英雄?記憶にないんですけど?  作者: 髙龍


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第七十九話

「さて。条件付きとはいえ、竜を討伐できる者の冒険者ランクをこのままというわけにはいかないな」


ネーネはそう切り出してくる。


「確かにサノスはEランクには収まらないものね」


「うん?勘違いしているようだから言っておくが冒険者ランクが上がるのはパーティーメンバー全員だ」


「私達も?」


「そうだ。とは言えDランクに上がるには条件がある」


「確か、対人戦の経験でしたっけ?」


「その通り。盗賊や山賊を討伐した有無が必要になってくる」


「僕達にはまだ早いんじゃ?」


「私はそうは思わないな。君達はCランクでもおかしくないぐらい活躍している」


「そんなに評価されてたんですね」


「あれだけオークとかを持ち込んでいたらな・・・」


確かにお金になるからと大量のオークなどを持ち込んでいた。


「ここに丁度良く、盗賊の討伐依頼があるんだが受けるか?」


そう言ってネーネは1枚の紙を差し出してくる。


「街道に出没する盗賊の捕縛、もしくは討伐・・・」


「捕縛は余裕があればで構わない。受けてくれるか?」


「私達はいいけど、ジントはなんていうかしら」


「彼なら君達が受けるなら受けると言っていたぞ」


どうやらジントには説明済みらしい。


「なるほど・・・。では、断る理由もありませんね」


「では、私からの指名依頼ということで進めておく」


「わかりました」


「それでは私達は失礼します」


「気をつけて行ってこい」


ネーネの執務室を出て1階に降りるとジントが待っていた。


「お疲れ。で、どうするんだ?」


「盗賊の捕縛、及び討伐依頼でしょ?もちろん受けるわよ」


「よっしゃ。なら、今から向かうぞ」


「場所はわかってるんでしょうね?」


「もちろんだぜ。お前達が休んでいる間に下調べはしておいたからな」


どうやらジントはジントでこの依頼の為に情報収集をしていたようだ。


「出現場所からアジトのありそうなポイントもしぼっておいた」


「ジントってここまで細かいことできたっけ?」


「そうね。悪い物でも食べたんじゃないかしら?」


「お前らな・・・。サノスに負けてられないからな。俺には俺にできることをする。それだけだ」


どうやらサノスの存在がジントの成長を促しているらしい。


だが、サノスはジントに対して後ろめたさもある。


素面のサノスは戦闘能力もそこまで高くないし、必要な情報の集め方も知らない。


「いざって時は頼むぜ」


そう言ってジントはサノスの肩をどんと叩く。


「わかったよ。出来る限りのことをする。それだけだ」


酒を飲んだ状態のサノスが頼りにされているのは確かだろう。


でも、この3人とパーティーを組んでいるのは自分なのだ。


役割をしっかりと果そう。


気持ちを新たに盗賊の討伐に向かうことにした。

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