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僕が英雄?記憶にないんですけど?  作者: 髙龍


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第七十七話

「今現在、冒険者の一部とヒューゲルの抱えている兵士が森から溢れてくる魔物の対応をしている。ここまではいいか?」


「はい」


「サノスには素面のままヒューゲルの抱えている精鋭と高ランク冒険者と共に森の深部に向かってもらい、不死竜の相手をしてもらう予定だ」


「不死竜を相手にするまで温存するということですね」


「その通りだ。不死竜相手には我々は無力だ。そこまでの道は必ず開くから後は頼むぞ」


「わかりました」


「私達も一緒に行くわ」


「サノスだけに戦わせるわけにはいかない」


「ふむ。お嬢さん方の決意も固いようだ。認めよう」


「ヒューゲル。お前・・・」


「駄目だと言っても無理矢理ついてきそうだからね。それなら最初から組み込んだ方がいい」


「わかった・・・。だが、無理はするんじゃないぞ?」


そこから準備は早かった。


昼には森の深部に向けてサノス達は出発した。


道中に現れた魔物はヒューゲルの抱える精鋭と高ランク冒険者が連携し確実に仕留めていた。


相変わらず森の中は瘴気で満ちており現れる魔物の数は多かったが、それでもサノス達の出番はなかった。


途中、森の中で1泊したがサノスは夜の見張りからは外されており、ゆっくりと休むことができた。


多少の遅れはあったものの森の深部に到達した。


森の深部は不死竜を中心にぽっかりと空間が空いていた。


不死竜はこちらの存在に気付いておりじっとこちらを睨むように見ていた。


「では、いきます」


サノスは酒を飲みもう1人の自分を呼び出す。


「たっく。人使いが荒いぜ。だが・・・」


久しぶりの愛剣を手に前世のサノスは言い放った。


「ウロボロスがあるならどうにかなる。多少、体と魂に負担はかけるが確実に仕留める」


ウロボロスとは前世のサノスが造り上げたこの世界でも最強の剣の一振りだ。


剣としても優秀だが杖としての機能も有している万能武器だ。


サノスは剣に自分の魔力を集める。


ウロボロスに凄まじい量の魔力が込められる。


不死竜は不穏な空気を感じ取ったのかエネルギーを集めはじめる。


サノスが技を放つのと不死竜がドラゴンブレスを放つのは同時だった。


サノスが突きの姿勢で剣を振るうと集められたエネルギーが一直線に進む。


サノスの放ったエネルギーは不死竜のドラゴンブレスを打ち消して直進を続ける。


ドラゴンブレスを放ち硬直していた不死竜は回避行動がとれず頭が吹き飛んだ。


不死竜の巨体がごろりと横になる。


頭部を失った不死竜の体はしばらく暴れまわっていたが頭部を失って生きていられる生物などそうはいない。


それは生命力の高い竜種でも例外ではなかった。


「さてと・・・。後始末をしますかね」


サノスはそう言って不死竜の死骸に近づいていった。

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