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僕が英雄?記憶にないんですけど?  作者: 髙龍


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第六十九話

朝食を済ませ、冒険者ギルドに向かうと多くの冒険者が集まっていた。


「よう。きたな」


「ジント。この騒ぎの理由知ってる?」


「あぁ。知ってるぜ。ギルドマスターの名前で強制依頼が出た」


「強制依頼?」


強制依頼とは冒険者組合が全ての冒険者に課す依頼だ。


これを無視すれば最悪、冒険者の資格を失うこともある。


「まぁ。俺らには関係ない話だ」


「関係ない?」


「森の魔物の間引きだからな。昨日とやることは変わらない」


「なるほど」


それならサノス達の動きとしては変化がない。


「せいぜい、他の冒険者と獲物の取り合いにならないように注意するだけだな」


「そうね。その辺が一番大変そう」


「とにかく今日も森での狩りだ。怪我しないように頑張るぞ」


サノス達は装備を確認して森へと向かった。


森の入り口では多くの冒険者が動き回っている。


森での狩りが禁止されていたのでここで稼ごうというつもりなのだろう。


「入り口付近は混みそうだな。もう少し奥に行くぞ」


ジントはそう言って他の冒険者の邪魔にならないように森の奥へと向かった。


だが、冒険者の数が多く狩場が中々見つからなかった。


「ん~。少し危険だが、中層付近まで行ってみるか」


「了解。オークとかオーガに気をつけて行きましょう」


中層の手前までやってきたサノス達は狩りを開始した。


オークやポイズンスネークなども現れるが実力の上がったサノス達の敵ではなかった。


「これぐらいなら余裕だな」


「そうね。でも、油断して怪我だけはしないようにね」


余裕ぶるジントにアマンダが注意する。


「もう少ししたら戻りましょうか」


「賛成。これ以上、狩りを続けても持って帰れない」


今回の成果はかなりの量だ。


出来るだけマジックバックに入れて残りは全員で背負って帰ることになる。


中層付近まで来ているので帰るのにもそれなりに時間がかかるだろう。


それを考えれば早めに切り上げた方がいい。






サノス達は狩った成果を抱えながら街への道を急いだ。


途中、戦闘になるかもと思ったが他の冒険者が獲物を求めて動き回っていたので戦闘にはならなかった。


「ふぅ。ここまでくれば問題ないな」


「そうね。ゆっくり行きましょう」


周辺を警戒しつつも急いでいた足を緩め森を歩く。


街に着いたのは夕暮れになってからだった。


冒険者ギルドについて解体所で獲物を預ける。


「悪いな。持ち込みが多くて手が追いついてないんだ。清算は3日後になるがいいか?」


「わかりました」


サノス達は幸い貯えがあるので急ぐ必要もない。


解体所を後にしてホールまで戻ってくる。


「飯はどうする?」


併設されている酒場はかなり混んでいた。


「そうね。たまには別の店も悪くないんじゃない?」


「そうだね。適当に探してみようか」


夕飯を食べるために街を探索してみることになった。

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