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僕が英雄?記憶にないんですけど?  作者: 髙龍


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第六十二話

結局、サノスが魔力を留まらせられるようになるのに1週間の時を要した。


「う~ん・・・。僕って才能ないのかな?」


そんなことをぼやく。


「私は1ヶ月ぐらいかかったよ?」


「そうだったんだ・・・。でも、それって独学でしょ?」


「そうだね。でも、習得できたんだからいいんじゃないかな」


「それもそうだね。今日は冒険者ギルドに行ってみようか」


「ギルドマスターの手が空いてるといいね」


アマンダは小遣い稼ぎに教会に出向いているので今はカノンと2人だ。


攻撃魔法を練習するにしても訓練場を借りる必要があるのでダメ元でギルドマスターを訪ねてみるつもりだ。


冒険者ギルドに到着したサノスは受付に向かう。


「ギルドマスターはお手すきでしょうか?」


「失礼ですが名前を伺っても?」


「サノスと言います」


「サノス様ですね。ギルドマスターからは来たら部屋に通すようにと言われています。ご案内しますね」


「ありがとうございます」


受付嬢はわざわざ通路にまで出てきてギルドマスターの部屋へと案内してくれた。


「失礼します」


受付嬢はそう言ってノックをしてから入室する。


「何か問題でもあったか?」


「サノス様をお連れしました」


「あぁ・・・。そう言えば頼んでいたな。ご苦労だった。下がっていいぞ」


「はい」


「ギルドマスター。お久しぶりです」


「少年達は元気そうだな。課題はクリアできたか?」


「はい。なんとか」


「そうか。この仕事だけ片づけたいから少し待ってくれ」


そう言ってギルドマスターは書類に目を通す。


ハンコを押したところで立ち上がりこちらにやってくる。


「待たせたな。まずはどれぐらいの腕になったか見たいから訓練場に行くぞ」


「はい」


ギルドマスターはそう言って先頭に立って部屋を出た。






「よし。まずは模擬戦をしてみるか。どこからでもかかってきなさい」


「はい。行きます!」


サノスは遠距離から初級の風攻撃魔法であるウィンドカッターでギルドマスターを牽制する。


だが、ギルドマスターはやすやすとウィンドカッターで相殺してしまう。


サノスは攻撃を続けつつ少しずつ距離を詰める。


一足で飛びかかれる距離まで近づくと剣で斬りかかった。


「ふっ。悪くない手だが私には届かんな」


そう言って細い剣で簡単にいなしてしまう。


サノスは諦めることなくフェイントをしかけたり色々してみたが結局、攻撃がギルドマスターに届くことはなかった。


「ふぅ。ここまでにしよう。まだ、魔力の放出は甘いがそれでもこの1週間頑張ったな。その調子で腕を上げれば1か月ぐらいで私にも魔法の前兆は感じ取れなくなるだろう」


「ありがとうございます」


「せっかく来てくれたのだし、技術的な物も教えてあげよう」


そう言うギルドマスターの顔はどこか楽しそうだった。

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