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僕が英雄?記憶にないんですけど?  作者: 髙龍


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第六十話

訓練場に戻ってきたサノスはカノンに教えてもらいつつ魔力を体内に留めようと意識する。


だが、魔力は拡散しようとする力が働くのか中々うまくいかなかった。


「これ、難しいね」


「私も最初の頃は苦労したけど慣れてきたら簡単だよ?」


サノスは諦めずに何度もトライする。


だが、一向に成功しそうな気配がなかった。


「まぁ・・・。少し練習したぐらいで身につくわけもないか」


その後もサノスは諦めずに挑戦し続けた。


訓練場を借りていられる時間が迫る。


サノスは結局、コツをつかむこともなくこの日の修練を切り上げるしかなかった。





「ふぅ。飯でも食べて行くか?」


そう提案してきたのジントだった。


「そうね。酒場に寄っていきましょう」


反対意見が出ることもなく酒場に向かう。


酒場では多くの人達が酒を飲み料理を楽しんでいた。


席を確保してそれぞれメニューを見る。


「今日のお勧めはシチューか。でも、体を動かした後だからな・・・」


「そうね。お肉をいっぱい食べたいわ」


「なら、やっぱりステーキだな」


ジントはステーキを頼むことにしたようだ。


「じゃぁ。僕はシチューとパンにしようかな」


「私はステーキとシチューにしようかしら」


「カノンはどうする?」


「私はシチューだけでいいかな」


全員の頼む物が決まってウェイトレスを呼び注文を済ませる。


頼んだ料理はすぐにやってきて代金を支払って食事をはじめる。


「このシチュー美味しいわね」


シチューは肉と野菜がふんだんに使われていてかなりボリュームがあった。


「うん。思ってたより量もあるしこれだけで満足できそう」


サノスはパンをちぎってシチューにつけつつ食べる。


あっという間にパンがなくなってしまった。


「俺もシチュー食べてみようかな」


そう言ってジントが追加でシチューとステーキを頼む。


「よく、それだけ食べられるわね・・・」


「いや。体が資本だからな。しっかりと食べるのも仕事のうちだぜ?」


言っていることは間違っていないがジントの食事を見ていると胸やけしそうだった。


楽しい時間はあっという間に過ぎるもので全員が食べ終わり冒険者ギルドを出ようとした時に職員に呼び止められた。


「ギルドマスターからこちらを渡すように頼まれたのですが」


そう言って1枚の紙を渡される。


ジントは渡された紙の内容を確かめる。


「これって言ってた紹介状みたいだな」


「確かに渡しましたので失礼します」


そう言って職員は行ってしまった。


「悪いが明日からはちょっと別行動だな」


「そうね。せいぜいしごかれてきなさい」


「お前らも頑張れよ」


軽口を叩きながらも冒険者ギルドを出る。


「じゃぁ。俺はここで」


そう言ってジントは自分の泊っている宿へと向かって歩いて行った。


「僕達も帰りましょうか」


「そうね」


サノス達も自分達の泊っている宿へ戻る為に歩きはじめた。

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