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僕が英雄?記憶にないんですけど?  作者: 髙龍


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第五十七話

冒険者ギルドではジントが待っていた。


「よう。体調の方はもういいのか?」


「はい。2人のおかげでばっちしです」


「そうか・・・。この2人がねぇ・・・」


「ちょっと。何か文句でもあるの?」


「俺が病気になった時は冷たかっただろ」


「子供の頃の話をされても困るわ。それに恋人でもない相手を看病する趣味はないもの」


「それが幼馴染に対する態度か?」


「そうよ。文句ある?」


「そういう態度を取るなら俺にも考えがあるぞ」


「ちょっと。何する気よ?」


「お前らの恥ずかしい話をサノスにする」


「どうやら私達を本気で怒らせたいみたいね」


「ボコボコになる?」


そう言ってアマンダとカノンが腕をぐるんぐるんまわす。


「サノス。見たか?これがこいつらの本性だ」


「ええっと・・・。3人とも仲が良いですね」


「これのどこが仲がいいんだ?」


「そうよ。こんなのと仲がいいなんて冗談でもやめてよね」


「あっはっはっ。ほら、息がぴったしですよ?」


「ぐぬぬ。なんだかサノスに低レベルに見られてる気がする」


「それはそうと、そろそろ訓練場に行きましょう」


「そうだな。金を払って借りてるんだ。時間がもったいない」


「はぁ・・・。後で覚えてなさいよ」


「それはこっちのセリフだ」


何はともあれ、訓練場に移動してきたサノス達はそれぞれ修行を開始した。


サノスは攻撃魔法をメインに練習する。


これは室内では危なすぎて練習のしようがなかったからだ。


カノンに教わりつつも魔法を発動させる。


初歩的な風攻撃魔法であるウィンドカッターではあるが標的の案山子の近くに命中する。


「やっぱり、サノスは筋が良い」


「いや。先生が良いからだよ」


「後は練習あるのみ」


「うん」


サノスはその後もウィンドカッターを何度も発動させる。


発動させる度にその制度は上がっていき戦闘でも使えそうなほど完成度が上がっていた。






その頃、ジントとアマンダは訓練場にあった木剣とこん棒で模擬戦を行っていた。


「ちょっと待て・・・。お前、そんなに力が強かったか?」


ジントはそう言って振るわれるこん棒を必死に防ぐ。


「ふふふ。身体強化を使ってるからね」


「ちょ・・・。それはずるいだろ」


「ずるくないわよ。私の技能の1つだもの」


「ちくしょう。俺も教えて貰っとけばよかったぜ」


「ほらほら。防がないと怪我するわよ」


そう言ってアマンダは全力でジントを追い詰める。


「さっきのこと根に持ってるだろ?」


「当たり前でしょ。許さないんだから」


そう言ってアマンダは追撃の手を緩めない。


結局、ジントは防ぎきれずに何発もこん棒の餌食になった。


だが、打たれた部分は全て致命傷にならない部位だけである。


それはアマンダが手心を加えた結果だった。

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