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僕が英雄?記憶にないんですけど?  作者: 髙龍


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第五十三話

サノスは水晶の映像を再生させる。


そこの映っていたのは例の商会の服を着たアマンダだった。


画面にはトンドル商会の商会長だった男も映っている。


「もしかして・・・」


サノスはもう1個の水晶も再生させる。


そこにはアマンダとカノンが映し出された。


「あの男はこれがかなりの数売れたと言っていたな・・・」


つまり、多くの人達にこの映像が見られたということを意味している。


「2人が知ったら傷つくどころの話じゃないな・・・。どうしたら・・・」


いくら考えてもいい案は思い浮かばない。


サノスはここで1つの賭けに出ることにした。


常備している酒を一気に飲む。


「はぁ・・・。俺をあんまりあてにされても困るんだがな・・・。とは言え、ほっとくわけにもいかねぇか」


酔っ払いのサノスはそう言って素面のサノスに向けて手紙を書いてから水晶に手を伸ばす。


「ふむ。これぐらいの数ならなんとかなるか・・・」


映像の水晶は元の映像からコピーすることが可能だがその性質上全てが繋がっている。


その繋がりを利用して酔っ払いのサノスは1つの魔法を発動した。


これは禁呪指定されている魔法だがバレることはないだろう。


サノスの魔力が全ての水晶に伝わり映像を消去する。


「もう1つの方もやっとくか」


そう言って酔っ払いのサノスはもう1つの水晶の映像も消去する。


「これで問題なしと・・・。とはいえ、今の体でこの魔法はきついな」


酔っ払いのサノスは簡単そうに魔法を使ったが魔力回路が鍛えられていない今のサノスの体はこれだけの規模の魔法を連続して使用するのに耐えれなかった。


魔力回路が傷つき体中から発熱する。


「俺が起きてると回復が遅くなるからな・・・」


そう言って酔っ払いのサノスは解毒魔法でアルコールを体から抜いてしまう。


「はっ・・・?どうなったんだ・・・?って体が熱い・・・」


サノスは混乱する頭で周囲を確認する。


ベッドの上には水晶が2つある。


サノスは映像を再生しようとするがどちらも反応がなかった。


「酔っ払い状態の自分がどうにかしてくれたのか・・・?」


そこで、サノスは手紙があることに気が付いた。


「俺をあまり頼るなか・・・。確かに面倒ごとばかり押し付けている気がするな」


手紙には映像を消すために魔力回路を酷使したため3日ほどゆっくり体を休めろと書かれていた。


後、ありがたいことにアドバイスも書かれている。


カノンから魔法の扱い方を学んで魔力回路を鍛えろと書かれていた。


確かに魔法が使えれば色々選択の幅が広がるだろう。


魔法剣士というのも悪くない。


そんなことを考えていたサノスだったが意識があったのはそこまでだった。

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