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僕が英雄?記憶にないんですけど?  作者: 髙龍


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第五十二話

サノスは急いで宿まで戻る。


宿では心配そうな顔をしたアマンダとカノンが待っていた。


「サノス。大丈夫?」


「はい。取りあえず男の住所は抑えました」


「そう・・・。衛兵には突き出さなかったのね」


「そうですね・・・。ちょっと気になることもありますので」


「私達も大事にはしたくないから」


衛兵に突き出せば状況を聞かれ恥ずかしい思いをすることになる。


大事にしたくない理由もわかるのでサノスは何も言わなかった。


取りあえずサノスは部屋に戻り水晶を備え付けの棚にしまうと装備を確認して宿を出た。


冒険者ギルドではジントがもう待っていた。


「遅かったな?何かあったのか?」


「例の覗き犯を追いかけてました」


「そうか・・・。まぁ、色々大変だな」


ジントもあまり深く突っ込むと危ないと思ったのか深くは突っ込んでこなかった。


「それにしてもサノス。防具を買ったんだな」


「はい。これで今まで以上に役に立てるはずです」


「期待してるよ」






サノス達は森に向かいゴブリンやスモールウルフの群れを積極的に狩る。


防具を新しく手に入れたことでサノスは先日よりも怪我をする頻度が減っていた。


そのおかげで動き方も変わり魔物の動きを冷静に見ることができるようになっていた。


この日の戦果はオークも7匹ほど加えた大量だった。


「よし。そろそろ引き上げるか」


ジントがそう声をかけそれぞれ持てるだけ狩った魔物を運んで街に帰還した。


冒険者ギルドについて解体所まで魔物を運ぶ。


「今日も大量だな」


そう言って解体所の職員は札を渡してくる。


「はい。よろしくお願いします」


サノス達は解体所を出ていつも通り併設されている酒場で食事を取ることにした。


「今日のサノスは凄かったな」


「装備のおかげですよ」


「俺も装備を一新しようかな」


「マジックバックで散財したんでしょ?お金は大丈夫なの?」


「懐は少し苦しいがそれでも必要だと思ったところに金をかけたいからな」


「確かに・・・。私も前に出ることがあるし防具はあったほうがいいかしら?」


「アマンダが怪我をしたら致命的だから必要かな?」


「そうよね・・・。よし。決めたわ。私も防具を買うことにするわ」


「なら。明日は休みにするか」


「決定ね」


ここのところ休みが多いが装備を整えるのも仕事のうちと言える。


お金はしっかりと稼げているし反対する理由はなかった。


食事も終え、ジントと別れてサノス達は宿へと戻った。


「ちょっとやることがあるから後で部屋にいきますね」


「わかったわ」


サノスはアマンダ達と別れて自分の部屋に戻ると身軽な恰好になる。


軽く装備を点検して問題がないことを確認する。


気は進まないが見ないことにははじまらないだろうと棚に入れておいた水晶を取り出した。

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