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僕が英雄?記憶にないんですけど?  作者: 髙龍


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第五十四話

サノスが目を覚ますとそこにはベッドにもたれかかるように寝ているアマンダとカノンの姿があった。


そこでサノスは自分が倒れたことを思い出す。


「ずっと見ていてくれたのか・・・。迷惑かけちゃったな・・・」


そこでアマンダがもぞもぞと動く。


「んっ・・・。サノス?目が覚めたのね」


「おはよう。迷惑かけてごめん」


「気にしないで。それにしても酔っ払いのサノスを頼るなんて何があったの?」


「それは・・・」


「何?言いずらいこと?それとも私達じゃ頼りない?」


確かに自分達は仲間であり恋人なのだ。


何も言わないのも選択肢だ。


これを言うことで傷つけるかもしれないが真実を話すべきだろう。


「話す前にカノンを起こそうか」


「それもそうね。カノン。起きて」


そう言ってアマンダがカノンを揺する。


「んっにゅ・・・。もう朝?」


「寝ぼけないで。サノスが目を覚ましたの」


「サノス・・・?本当だ。もう体調はいいの?」


「少しまだ熱っぽいけど大丈夫だよ」


「よかった・・・。魔力回路が未熟なのに使いすぎるのは危ない。下手をすると命に係わる」


「うん・・・。今後は気をつけるよ」


「それで、一体何があったの?」


「2人は例の商会のことは覚えてる?」


「覚えてるも何もあんなことがあったんだもの。忘れるはずがないじゃない」


「私も覚えてる」


「実は2人の姿が水晶に記録されていてね・・・」


「えっ・・・?」


「嘘でしょ・・・」


「それが出回ってるのを知って何とかできないかと思ってもう1人の僕に頼ったんだ」


「そんなこと可能なの?」


「結果的には水晶の映像を消去することには成功したんだ」


「そう・・・。サノスが倒れたのは私達の為だったのね」


「映像を見た人の記憶には残ってしまっているけれど、僕にできるのはこれぐらいだったよ」


「ううん。私達の為に動いてくれたことが嬉しい」


「サノス。1つ確認したいことがあるの」


「何かな?」


「サノスは映像は最後まで見たの?」


「いや。最初の部分だけだよ」


「そう。ならいいわ」


「そうね。サノスにあんな姿を見られたら顔向けできないわ」


「とにかく食事にしましょう」


「そうね。サノスはずっと寝てたから体力をつけるためにもしっかりと食べないと」


「今、宿の厨房を借りて麦がゆを温めてくるから」


「私も手伝う」


そう言ってアマンダとカノンは部屋を出て行った。


映像に何が映っていたのかはもうわからない。


だが、あれだけ嫌がっているのだ。


見なくて正解だったのだろう。


アマンダとカノンは鍋を持って戻ってくる。


「私達が食べさせてあげるわ」


そう言ってアマンダとカノンが交互に食べさせてくれる。


気恥ずかしい気持ちもあるが2人の気持ちが嬉しかった。

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