第五十話
「この防具は・・・?」
「おう。この辺では珍しいリザードマンの皮を使った防具だ」
「触ってみても?」
「好きなだけ触ってくれ」
リザードマンの革製の防具は手触りはごつごつしているがとても軽かった。
「この軽さなら動きを阻害されませんね」
「そこが売りの1つだからな」
「ちなみにいくらですか?」
「本当は金貨15枚のところ金貨10枚でいい」
「いえ。剣も貰いましたしここは金貨15枚払わせてください」
「アドルフに似て頑固だな。新人なのにそんなに払っても大丈夫なのか?」
「はい。貯蓄はしっかりありますので」
「わかった。だが、それだけじゃ気がすまねぇ。何かあったらいつでも来な。メンテナンスしてやるからよ」
「ありがとうございます」
サノスは金貨を15枚払い防具を受け取った。
店を出たところでアマンダとカノンが声をかけてくる。
「驚いたわ。あの頑固な親父がここまでサービスしてくれるなんて」
「そうそう。私達が前来たときは門前払いされたのに」
「そこは祖父に感謝ですね。知り合いみたいでしたし」
「サノスのお爺さんってどんな人だったの?」
「昔は冒険者をしていて、昔話をよくしてくれました」
「そうなんだ。会ってみたいな」
「それは難しいですね。もう亡くなっていますから」
「ごめんなさい。気を悪くしたかしら?」
「いえ。そうですね・・・。少し祖父の話をしましょうか」
「なら、どこかのお店に入らない?」
「わかりました」
サノス達は喫茶店に入り、それぞれ飲み物を注文する。
飲み物が届いてからサノスは祖父の話をはじめた。
新人だった頃から少しずつ実績を積み重ねて昇級していき、歴史に残るような大事件にも関わったりと波乱万丈の冒険者生活だった。
「サノスのお爺さんってすごい人だったのね」
「そうですね。最後は家族に見送られて亡くなりましたが穏やかな顔をしていました」
「そんな話を小さい頃から聞いて育ったから冒険者になったの?」
「はい。自慢の祖父ですからね。両親からは大反対されましたけど」
「そこは私達も同じね。家族からは反対されたわ」
「最後は喧嘩別れみたいな感じだったものね」
「僕達、似たもの同士なんですね」
「そうね。まだまだ駆け出しだけどいつかは家族に胸を張って報告に行きたいわ」
「その時は僕も一緒ですね」
「もちろん」
2人と関係を持った以上はご両親に報告に行くのは義務だろう。
関係を認めてもらえるようにこれからも頑張っていこう。
改めてサノスはそう誓った。
「もう、こんな時間ですか・・・」
外を見ればすっかり夕方だ。
「そろそろ宿に戻りましょうか」
「そうですね。適当に夕食を買って帰りましょう」
それぞれ好きな物を買って帰ったサノス達は当然のように3人の時間を過ごした。




