第四十九話
サノス達は冒険者ギルドに併設されている酒場で食事を取った後、それぞれの宿に戻った。
狩りでの疲れもあったがこの日も恋人としての時間を過ごした。
翌日、目を覚ましたサノス達はいつも通りランニングに向かった。
カノンが少し遅れ気味だが、この日は最後まで走りきっていた。
宿に戻って水浴びをする。
昨日のこともあるのでサノスは建物の影に隠れ2人を見守る。
だが、この日は覗き犯は現れなかった。
2人が服を着たのを確認してサノスも水浴びをする。
それが終わったら露店で肉の串焼きを買って食べながら武器屋を目指した。
「まずはここからね」
このお店はカノンが杖を買ったお店だ。
サノスは1本1本剣を見るがしっくりするのが見つからない。
「どう?」
「う〜ん。良さそうなのは見つからないですね」
「そう。ならいくつかお店をまわってみましょう」
その後もいくつかの武器屋をまわるが納得のいく剣は見つからなかった。
「あんまり行きたくないんだけどこうなったらあのお店しかないわね」
アマンダとカノンがそう言って連れてきてくれたのはこじんまりとした武器屋だった。
カンカンと金槌の音がしなければ気がつかないだろう。
お店に入るとカランカランと音がする。
だが、店先には誰もいなかった。
「どうしたらいいんでしょう?」
「作業が終われば顔を出すはずだから剣を見てましょう」
サノスは真っ先にずっと気になっていた剣の元に向かった。
ぱっとみでは普通の剣に見える。
だが、よく観察してみれば職人のこだわりが伝わってくる1級の品である。
「この剣が気になるの?」
「はい」
「いらっしゃい。その剣に目をつけるとは小僧やるな」
そう言って声をかけてきたのは髭もじゃの背の低い男だった。
「もしかしてドワーフですか?」
「ほう。ドワーフを知っているのか?」
「祖父の話に何度もでてきましたから」
「そうかそうか。ちなみにその祖父の名は?」
「アドルフです」
「もしかして、Sランク冒険者だったあのアドルフか?」
「そうだと思います」
「あの小僧にもこんなに立派な孫がいたのか」
ドワーフやエルフは人よりも長命だ。
会ったことがあっても不思議ではない。
「その剣に目をつけた褒美にその剣はくれてやろう」
「いえ。そういうわけには・・・」
「最近は武器の目利きも出来ない奴ばかりでな。打ったははいいがずっと使われないままというのも剣が可愛そうだ。だから、貰ってやってくれ」
「そこまで言われるなら・・・。その代わり防具も一式買わせてください」
「ふむ。防具か。なら少し待っててくれ」
そう言ってドワーフの店主は一度奥に下がり防具をもって戻ってきた。




