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僕が英雄?記憶にないんですけど?  作者: 髙龍


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第三十話

倉庫整理の仕事が終わった頃、アマンダが戻ってきた。


「お疲れ様」


「お疲れ様。もう最悪の気分だわ。こんなことなら追加の依頼なんて受けるんじゃなかった」


「大変だったみたいだね」


「早く行きましょ」


そう言ってアマンダは商会の敷地を出ていく。


サノスは商会員に挨拶をしてからアマンダを追いかけた。


「アマンダ。待ってよ」


「もう。遅いわよ」


そう言いつつもアマンダはサノスのことを待ってくれる。


少し歩いて冷静になったのかそこからは普段通りのアマンダだった。


冒険者組合に着くとジントとカノンが待っていた。


「お疲れ。そっちはどうだった?」


「僕の方は問題なかったけどアマンダがね・・・」


「何かあったのか?」


「僕の口からはちょっと・・・」


「話したくないわ。私達は先に酒場に行ってるから」


そう言ってアマンダとカノンは酒場に行ってしまった。


「なんだあれ?あそこまでアマンダが不機嫌なのも珍しいな」


サノスは理由はわかっているが口に出すべきではないと思い口をつぐんだ。


「お金を受け取ってさっさと合流しよう」


「そうだな」


サノスとジントは受付に並び依頼料を受け取ると酒場に向かった。


酒場ではアマンダがストレスを発散するようにエールを飲んでいた。


「おいおい。そんなペースで飲んで大丈夫か?」


「飲まなきゃやってられないわよ」


「わかったから。もう少し飲むペースを抑えろ」


それでもアマンダのエールを飲むペースは落ちなかった。


解散する頃にはアマンダはべろんべろんに酔っぱらっていた。


「はぁ・・・。まじか・・・」


その様子を見てジントは頭を抱えている。


「僕が送っていくよ」


「悪いわね。私じゃちょっと支えきれないから」


そう言ってカノンは謝ってくる。


「カノンとアマンダは同じ宿だよね?案内してくれる?」


「うん。さぁ。アマンダ行くわよ」


サノスは身体強化をしてアマンダをおんぶする。


女性特有の柔らかさと押し付けられた胸の感触が気になるがサノスは考えないようにして邪念を追い出す。


「じゃぁ。また明日な」


「また、明日」


ジントと別れカノンとサノスは宿までの道を歩く。


「ここまでアマンダが荒れるなんてね。一体何があったの?」


サノスは昼間見たアマンダの姿を一瞬思い浮かべるがすぐに打ち消した。


「別々に仕事してたから・・・」


「そう・・・」


無言で歩き続けるとアマンダとカノンが泊っている宿に着いたようでカノンが足を止める。


「悪いけど部屋までお願いね」


「わかった」


カノンに先導されて宿に入り階段を上がってしばらく進むとカノンが部屋の扉を開けて待っている。


「ちょっと散らかっているけれど」


カノンはそう言うが部屋の中は女性らしく整理されていてなんだか甘い香りが漂っていた。

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