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21-12
廊下に出ても、皆帰宅したのか部活に行ってるのか、人が居ない。
人が居ないから、俺はずっと有紀と手を繋いだまま歩く。
2人きりになるの、久し振りかも。
顔が緩むのが自分で分かる。多分今学園の皆に見られたら、凄い非難されると思う。
でも、やっぱり有紀とたつにぃと居るのが一番落ち着くし、しょうがないよね。
「ふふ。なんか、久し振りだね」
「ん?ああ、そうだな。学校じゃなぁ。」
「ん。でも、今一緒に居れてるから、嬉しい」
「ふっ、可愛いな澪梓は」
「も、可愛くないっ」
俺の頭を撫でながら、有紀が笑う。
有紀、よく俺のこと可愛いっていうけど、そんなこと言われても嬉しくない。
あ、でもお母さん譲りの顔が可愛いって言われるのは、今でもお母さんと繋がりがあるんだなって思えて、ちょっとだけ嬉しいかも。
・・・・その分、罪悪感も感じるけど。
有紀とたつにいは、2人のお父さん似で凄くカッコいい。
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