表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
307/308

雷鳴編・第十五話

 雷鳴編・第十五話、更新します。


 今回は山城国が舞台になります。

永禄九年(1566年)十二月、山城国、京、今井宗久――



 この日、私は店を離れて京へと足を伸ばしていました。

 目的は一つ。あの気に食わない盲が、罪に問われる姿を見て、笑ってやろうと思ったからです。

 あの盲のせいで、どれだけの損失と信用を失った事か。出汁の素でもあまり稼げず、口先だけの商人達からは突き上げを喰らう始末。中には私を裏切ったは良いが、受け容れて貰えず、何食わぬ顔で戻って来た恥知らずもおりましたが……それでも、そういう恥知らずを使いこなさなければならないのが、今の私の立場。いずれ、この鬱憤は晴らしてやりますとも。


 それはともかく……この人混みは『凄まじい』の一言。

 二度にわたる延暦寺焼き討ち。その張本人が上洛し、申し開きを行うという噂を聞きつけて、多くの民が見物しようと冬の準備も忘れて、盲の登場を待っているのです。

 気に食わないのは『物珍しい』という心底は見受けられても、罰を与えられる事を期待している者達はおらぬ事。実に気に食わない。あんな盲、裁かれれば良いのに……


 ふと気が付けば、親指に走る痛み。視線を落せば、爪から滴る赤い雫。自分でも気づかなかったのですが、爪を噛んでしまっていたようですね。

 手拭いを取り出し、乱暴に巻き付けておきます。血が服に着くと、染みになってしまいますからね。

 服なんて銭を出せば買えますが……今は辛抱の時。ここは堪えなければ……


 それとなく周囲を見回してみれば、尊き立場の御方もチラホラと見物に来ているみたいですね。

 少し先には足利二つ引きの紋の旗印。どうやら公方(足利義輝)様御自ら、見物に来ているようですね。となると近臣の方々も来ていて当然でしょうね。公方様を一人だけで向かわせる訳が無いのですから。

 そこから更に離れた所には、三階菱紋に対い蝶の旗印も翻っています。三好家の弾正(松永久秀)様に、政所執事(伊勢貞孝)様ですかね?道を挟んで反対側には三階菱に釘抜と三階菱。弾正様と離れていると言う事は、糞爺(三好長逸)に下野守(三好宗渭)様なのでしょう。権力争いをしている相手とは、仲良く肩を並べて、とは行きませんからね。


 ……それにしても冷えますねえ。襟巻を気持ち、強く巻き付けます。少しは首筋の寒さが和らいでくれた気がしますね。

 綿入れの襟元も寄せて風邪を引かないようにしながら、盲の訪れを待ちます。

 ……遅い。あの盲、今更ながらに臆病風にでも吹かれたんでしょうかねえ?


 『お、見えたぞ!武田菱の旗印だ!』

 二階の窓から乗り出して、遠くを見ていた野次馬の叫びに、皆が揃いも揃って『おお!』と固唾を飲んだ事が分かりました。

 ……どうやら逃げなかったようですね。

 ええ、ええ、その蛮勇だけは認めてやりますとも。全て終わった後で、盲の顔を指さして笑って……

 

 『な、何だ、ありゃあ!』 

 武田家の訪れを報せた野次馬が、素っ頓狂な叫び声を上げたのです。

 一体何が?私も野次馬達も、武田家が姿を見せるのを待ちました。

 それほど待つ事も無く、私の視界に飛び込んで来た物。それは武田家当主(武田義信)、先代当主(武田信玄)の勇壮な武者姿、ではありませんでした。それ以上に、今にも天を衝かんばかりの、黄金の磔台だったのですから!


 ザッザッザ、という武者集団の足音とともに、堂々と近づいてくる黄金の磔台。

 そして気が付きました。その磔台のすぐ前を、馬に乗ってやってくる白い服を着た、目元を眼帯で隠した男の姿に。

 盲――武田家筆頭軍師、太宰大弐信親。まさかの死装束での上洛!?


 その後ろに控えていた、本来なら目立つであろう傾奇者が、何やら盲に囁いたのです。

 盲の足が止まったのは、武田家の軍勢が足を止めた時でした。

 その時になって、やっと気づいたのです。盲の傍に、疲れきった顔で同行していた、主税介(岩成友通)様の御姿に。有能と名高い主税介様の御顔は私も存じておりますが、ここまで疲れ切ったというか、燃え尽きたような御顔は、私も初めて見た気がします。


 「馬上から失礼する!我が名は武田家筆頭軍師を務める、皆殺しの信親である!此度、某に濡れ衣を着せて、死刑にせんと企む者達が朝廷内部に出てきたと耳にした!某は言葉をもってその者達を叩き潰すべく、京へと赴いた!我が無実を晴らす為、道を開けて戴きたい!」

 盲は知恵者であると同時に、体は鍛えていると評判でしたね。もっとも大将が体を鍛えた所で、加えて盲の身で意味が有るとも思えませんが……その体から、こちらが想像出来なかった程の大音声が響いてきました。まるで雷でも落ちたのか、と誤解する程に。

 思わず身を竦めたのは、私だけではありませんでした。

 周囲の野次馬達も、同じように身を竦めていたのですから。そこに、数人を引き連れて姿を見せた御方がいたのです。


 「久しいな、太宰大弐。兵部大輔(細川藤孝)から聞いてはおったが、壮健そうで何よりだ。ところで、其方を死刑にするという話だが、どういう事だ?直答を赦す故、申すが良い」

 「大変失礼ながら、公方様に対して直答にて御答え致す!半年ほど前の延暦寺の二度目の焼き討ちを罪として問い、死を与えるとの事!これを強く推しているのは、万里小路権大納言惟房様。それに賛同しておられるのが、三好家重臣、日向守長逸殿であると伺った!だが、あの焼き討ちは近江国を治める武田家筆頭軍師として、正当な行為であると存ずる!故に、堂々と申し開きに伺った所存!この磔台は、申し開きが認められず、某の死刑が確実となった時、手間をかけさせぬ為に、用意した物!」

 「そうか……分かった、通るが良い」

 ……は?通すのですか?延暦寺を焼き討ちにした、あの大罪人を?

 ですが私の思いとは裏腹に、公方様は踵を返されて、道を譲ってしまわれたのです!

 おかしくないですか!どうして京を守るべきである公方様が、咎人の上洛を認めてしまうのですか!まともになったと噂に聞いておりましたが、どこがまともになったと言うのですか!罪を咎めず道を譲る、そんな真似を許すような者は愚か者でしかないでしょう!それとも武田勢を目の当たりにして、臆病風に吹かれたのですか!


 「……御久しゅう御座る、太宰大弐殿。三好家の弾正に御座る。少々、伺いたい事が出来ましてな、声をかけさせて戴いた。宜しいかな?」

 「構いませぬとも。弾正殿の問いなら、喜んで御答え致しましょう。何を御尋ねされたいのですかな?」

 「先程、太宰大弐殿の死刑に賛同しておられる者として、日向守殿の名が挙がった件で御座る。どういう事か、詳しく聞かせて戴きたい」

 公方様が引き下がった後、出て来られたのは三好家家宰の弾正様。その隣には、真剣な顔をした政所執事様が、日向守様がおられる方を睨みつけるようにしながら、付き添われていたのです。

 これは……政所執事様にしてみれば、余計な事をしてくれたな、といった所ですかね?となると、弾正様も同じ思いと見ておくべきでしょう。そして御二方は揃って、今回の一件が三好家に害を為すと判断した、と見るべきか……

 何せ、糞爺の名前が挙がってしまったのですから。そして肝心の糞爺は動きを見せず終い。これは……どう判断した物ですかね……堂々と否定すればともかく、無言のままでは少々、拙い事になるかもしれません。最悪、失脚する事も……これは材木の件、すぐにでも取り掛かった方が良いかもしれませんね。自らの尻に火が点けば、こちらへの注意も疎かになる。それは当然の事であり、私にとっては好機なのですから……


 「某、それなりに耳は聡う御座いましてな、日向守殿が某の死刑に賛同していると言う話を聞いたので御座います。いや、真に御立派な御覚悟に御座いますな。当家と三好家の繋がりの強さは、日ノ本全ての者達が知る所。にも拘わらず、泣いて馬謖を斬る、の故事通りに厳しい御決断をなされたのですから!主税介殿も某の言に納得し、某の最期を見届けて下さるとの事!」

 「……主税介殿?真かな?」

 弾正様の氷の刃の如き言葉と視線に、ブンブンと首を振る主税介様。どうやら主税介様にとっては、不本意のようですね。

 首を切ってしまえば、武田家の勢力拡大は止まってしまう。それ、即ち好機。三好家が一気に勢力を拡大出来るのです。

 だと言うのに、どうして?大義名分も有るのですから、何も困らぬでしょう。


 「弾正殿!太宰大弐殿を止めるのを手伝って下され!」

 「いやいや、主税介殿は見届けて貰うだけで十分。そもそも某は、某に着せられた罪が濡れ衣である事は理解している。故に、まずは言葉で戦う。それが通らなかった時の為に、磔台を用意したのですから……弾正殿、二度目の焼き討ちは、妙楽寺において某の下した沙汰を生臭坊主達が無視したのが原因。それは近江国を支配する武田家と、三好家の亡き聚光院(三好長慶)様の御顔に泥を塗る行為と存ずる。弾正殿も憶えておられるでしょう?あの沙汰は亡き聚光院様が、かつて下した沙汰を基にして、某が決断した物であった事を。如何ですかな?」

 「成程。太宰大弐殿が申された事、某もしかと覚えており申す。故にこそ、太宰大弐殿の御言葉、某も御尤もと存ずる」

 重々しく頷かれる弾正様。

 妙楽寺の沙汰……ああ、思い出しました!二年前の事でしたね。耶蘇教の宣教師と、日ノ本の坊主が問答を行い争いになり、それの沙汰を盲に願い出て……え?これ、拙くありませんかね?

 確かに盲の主張には筋が通ります。沙汰を無視したのは坊主達の方だったのですから。それは言い逃れが出来ません。何せ、私自身も寄進を求められて、応じているのですから。間違いなく、沙汰は無視されています!それを持ち出されたら……


 盲は腹立たしくは有りますが、白昼堂々と弾正様との受け応えを進めています。それを耳にしている民はと言えば、納得したかのように頷くばかり。中には生臭坊主に対する不満を口に出す者もチラホラ見受けられました。

 しかも、盲によればあの沙汰は聚光院様の下した沙汰を基にした物であり、その事を弾正様も知っていた事も分かりました。若干、遠目ではありますが、弾正様が虚言を口にだしているようにも見えませんね。寧ろ、自信を持って頷いておられます。

 これは……考えれば考える程、糞爺にとって不利に見えてきましたね。亡き聚光院様の名前を出されたら、それをどうやって躱すか?についても考えなければならないのですから。そして弾正様は、亡き聚光院様の沙汰を覆されるつもりは無いからこそ、盲に味方している……


 「故に焼き討ちを根拠とするのは濡れ衣でしかない。ならば堂々と我が身の潔白を知らしめてみせましょう」

 「分かり申した。見事な御覚悟と存ずる」

 「いやいや、日向守殿の厳しき御決断の御覚悟も大した物で御座います。繰り返しますが、御家の為なら泣いて馬謖を斬る御覚悟、簡単に出来る事では御座いますまい。これ程の御決断の出来る御仁が、三好家にはおられるのです。三好家の将来は安泰で御座いましょう」

 ギロッと糞爺のいる方向を睨んだ後、再び御顔を戻された弾正様。

 ……これは、盲が仕掛けてきた策ですね!敢えて糞爺を褒め称える事で、逃げられない状態に追い込む。その上で、自分は無実を示す事により大恥を掻かせる策ですか!

 それを白昼堂々、民草どころか公方様もいる往来でこうもハッキリ宣言されているのです。これで糞爺が逃げ出した日には、三好家の顔に泥を塗った、と家中全てから批判される事になるでしょう。


 糞爺の方向を見てみましたが、動きは有りません。周囲から視線が集まっているのは分かりますが、沈黙を貫いたまま。

 きっと、打開の為に知恵を絞っている筈。

 もし打開する策が有るとすれば……一つだけ。盲は焼き討ちその物は正当な行為である、と言いきっていますが、あの件は別なのですから。そう、天台座主様の御命を奪った一件です。そこ衝く事が事が叶えば……


 口元が緩み……いや、待ってください。

 あの盲が、その事に気づいていないとは思えません。

 これは……間違いありません。弾正様の口元が、良く見なければわからぬ程に微かに上がっているのです。あれは笑いを堪えていると見て良いでしょう。


 考えてみれば、弾正様は三好家において御当主(三好義重)様を支える側。一方で糞爺は御当主様を排除しようと目論んでおられる側。

 謂わば弾正様と糞爺は政敵と言って良い間柄なのです。

 となれば、此度の件で盲が勝てば、糞爺は面目を失う事になりかねない。結果として、それは弾正様の権勢を強くする事になる訳で……

 

 やはり、そうです!

 天台座主様の一件に食らいつかせて、全力で叩き潰す。

 それが盲の目論見。となれば、間違いなく叩き潰す為の準備も既に出来上がっている、そう判断すべきでしょう!そして弾正様とも話をつけている、と見るべき!考えてみればおかしいではありませんか!どうして大和国を差配なされている弾正様が、この京に居たのですか!偶然ではない、真実は予め報せを受けていたから、それなら筋が通ります!


 ここで主税介様に目を向けてみれば、顔面蒼白。完全に血の気が引いておりますね。

 間違いなく主税介様は気づいていると判断すべきでしょう。このままでは三好家反当主派が追い込まれかねない事に。

 糞爺が気づいているかどうかは分かりませんが……この件に私が関わるべきではありませんね。悔しくはありますが、負け戦に付き合う筋合いは有りません。糞爺に気づかれる前に、堺に帰るとしましょうか。

 

 人込みに紛れて帰る前に、もう一度振り向きます。

 黒い目一つの眼帯。

 ……憶えておきますよ、その顔。皆殺しの信親。今回は無理でしたが、必ず、私の仕掛けた策で吠え面を掻かせてやりますからね……すでに準備は始まっているのですから。



永禄九年(1566年)十二月、山城国、京、武田信虎――



 「……これでもう、日向守(三好長逸)殿も権大納言(万里小路惟房)様も逃げられますまい。これだけの騒ぎになってしまったのですからな」

 「全く……火消しに奔走するのは麿(山科言継)なのでおじゃる。その心労を察して欲しいでおじゃるよ」

 「誠に申し訳なく存じます。その分は武田家として行動で示して参ります」

 牛車の中で深く深く溜息を吐かれた権中納言(山科言継)様。いやもう権大納言への昇進が内々に決まっていたのだったか。これまでの数々の功績に対して、だったな。とは言え、今はまだ権中納言だったわ。

 武田家としても、権中納言様への御礼をケチるつもりはない。これ程に頼れる御方との関係は、強く保つべきであるからだ。

 二郎(武田信親)からも念入りに御礼を申し上げて欲しい、と言われておったからな。二郎も権中納言様を頼りにしたい、と言う事だろう。おお、そういえば忘れておったわ。二郎から手土産について、それとなく伺っておいて欲しい、と言われておったのだったな。


 「ところで、孫から確認しておいて欲しい、と言われた事が御座います。御子息であらせられる内蔵頭(山科言経)様に御屋敷を贈らせて戴きたい、との事で」

 「……それは如何なる理由か、聞かせて欲しいでおじゃる」

 「駿河に下向中であらせられる冷泉権中納言為益様より、姫君様が内蔵頭様に嫁ぐ御話を右中将(武田信玄)経由で伺った、との事。芽出度き事に御座いますれば、どうか御受取戴きたく存じます」

 あくまでも名目上の屋敷の主は息子。父親ではない。

 と言うのも、全ては権中納言様の面目を潰さぬ為。権中納言様の御屋敷は、痛みが酷いが銭が無い為に建て直す事が出来ない有様。それ故に、客を招く事も出来ず、招かねばならぬ時は知人の屋敷で会うようにしている、との事。

 それを直視させるような真似をすれば、間違いなく御不興を買ってしまう。だからこそ、あくまでも御子息への贈り物、という体裁を取り繕っているのだ。


 権中納言様は、喜んで良いのやら怒って良いのやら分からぬ、とばかりに困惑されておられる御様子であらせられた。

 当然の事であろうな。遠回しに屋敷の事を匂わされたのだから。

 ただ、気づかぬフリをすれば雨漏りのしない屋敷が一つ。冷泉家に対しても貧しい事を知られず、面目が立つという利も有る。そして権中納言様は強かな御方だ。間違いなく、こちらの目論見通りに受け取って下さるだろう。


 「……あくまでも内蔵頭の物、でおじゃるな?」

 「仰せの通りに御座います。もしもの話で御座いますが、夫婦になられるのが権中納言様で御座いますれば、権中納言様に贈らせて戴きましたが……」

 「流石にこの年で妻を娶る気にはなれぬでおじゃるな……分かったでおじゃるよ。息子に代わって、父親として礼を言わせて戴くでおじゃる」

 心の中で、安堵の溜息。ちょっとした冗談に紛らわせた事も有って、臍を曲げられずに済んで良かったわ。

 だが、これで武田家と山科家は更に強く繋がる。駿河に下向中の権中納言(冷泉為益)様にも娘に辛い思いをさせずにすんだと、御喜び戴けような。

 そして権中納言様は、春になれば京へと戻られる。口には出せぬが、権中納言様の目的は駿河で武田家中の者達に芸事や教養を教える代わりに、銭を得る事にあったからだ。それが銭を得た上に、娘の嫁ぎ先に屋敷を一つ。冷泉家もますます武田家と繋がりを深めよう、と目論んでくれるだろう。


 それら全てが、武田家が銭を持っているからこそ出来た事。

 本当に銭の力とは恐ろしい。それを成し得た二郎の力量にも恐れ入る。

 あの孫は、どこまで突き進むのやら……儂が命尽きる前に、どれだけの事を見届けられるのか、楽しみでならぬわ……


 今回もお読み下さり、ありがとうございます。


 まずは山城国。今井宗久視点より。


 【噂】

 主人公が申し開きの為に上洛する、という噂で京は持ちきりでした。なので野次馬が埋め尽くしている状態です。


 【何だ、ありゃあ】

 主人公が来るのは噂で知ってはいても、黄金の磔台までは知らなかった。

 これが何を意味するか?今回の視点である宗久さんも気づいていない、ある矛盾点とも繋がります。


 宗久さんや民衆は、どうして噂を耳に出来たのでしょうね?磔台なんて一番、話のネタになるのに。


 【意味があると思えませんが】

 心情的に主人公を嫌っているので、やる事なす事全てが気に食わない状態。

 なので人物評価も悪い方へと歪んでます。素直に評価できない感じ。


 【通るが良い】

 京を守るのは足利将軍家の役目です。少なくとも建前上は。

 なので義輝君も主人公の動きを教えられて、問い質しに来ました。そしてまともになった義輝君は、戦を仕掛けに来た訳では無い、と判断して入京を許しました。

 しかも矛先は将軍家ではなく、長逸さんと万里小路家ですからね。


 【愚か者】

 宗久さん、もう坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの心境です。


 【材木の件】

 長逸さんに黙って、余分に木を伐り出して不当な利益を得ようと言う一件ですね。


 【妙楽寺の沙汰】

 狡智編・第四十二話より。

 主人公的には手ぐすね引いて待ち構えていた策なので、当然ですが躊躇う理由もありません。尤も、当時はこんな形で三好家にまで影響が及ぶとは思っていなかった訳ですけど。


 【躱す】

 躱さないと『聚光院様に対する不忠者』として扱われます。沙汰を無視する、と言うのはそういう事に繋がりますから。

 でも躱すには、どうやって躱せば?という問題が有る訳でして。我が身可愛さに万里小路家を犠牲にすれば将来の大義名分を失ってしまう。知らぬ存ぜぬ(俺は言ってない)を貫くならば、主人公のように堂々と主張する必要が有るが、口で主人公に勝たないといけない。あくまで主人公に非が有るを貫くなら、やはりこちらも口で戦う必要が有る。他に手段が有るとすれば……


 【泣いて馬謖を斬る】

 持ち上げて落とす(予定)、を貫く主人公。

 今、この場で逃げ出す訳にも行きませんからね。長逸さんは今頃、パニック状態でしょう。


 【全力で叩き潰す】

 今回の策、大まかな方針を悟った宗久さんは撤退を決断しました。

 と言うのも、宗久さん的には一矢報いる策が有るからです。


 次も山城国が舞台。信虎御祖父ちゃん視点より。


 【冷泉権中納言為益】

 駿河に下向中。これは史実ネタを利用しました。

 山科さんの息子さんとの縁組も、史実ネタです。


 【傷みが酷い】

 山科邸はかなりのボロ家だったそうですね。なので新居をプレゼントして、関係強化を目論んだ主人公。ただ面目を施す為に、あくまでも息子名義という形式を取ったうえで、宜しいですか?と確認を取っている訳です。


 【銭】

 材木は高騰していても、金が有れば買えますからね。安く抑えるなら、近江や飛騨・美濃辺りから運ぶ方法もありますし。


 それでは、また次回も宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
狡知編四十二話を読み返したら言継卿はすでに権大納言でした。あれっ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ